沈む寺【毎週ショートショートnote】
これは真面目な話しである。
元々節操のない日本人の宗教観が崩壊の一途を辿っているのは、すでに皆が承知していることだろう。
寺はどんどん檀家を減らし、墓は墓仕舞いとなり、樹木葬や海や空への散骨が当たり前となり、墓が必要な家はマンションタイプで永代供養を願う。
いくら宗教法人として税金のかからない駐車場やマンションの経営による収入ががあったしても、寺としての役目を果たせないのであれば、いずれ宗教法人の看板は外され、ただの民間の経営者になることは当然の結果といえる。
さらに住職の高齢化による後継ぎ不足があり、それによる廃寺が増えており、いわゆる都会よりも田舎の方が、親族や寺との結び付きも強かったのだが、人口減少に伴い寺の運営自体が成り立たなくなっている。
この現象は日本中に見られ、寺の在り方を問うというレベルの話ではなくなってきた。
まさに沈む寺と言えるのではないだろうか。
(410文字)
たらはかにさま ご無沙汰しております。
久々に『沈む寺』に挑戦させていただきました。お納めくださいませ。
ほぼ現実ですが、一部そうでない部分もあったりなかったり…………。
信じないでね。