アイコンがハロウィン仕様に替わりました
今朝の京都は曇り空です。1日を通しては晴れのち雨の予報です。午前7時の気温は18℃。日中は25℃予報で夏日です。雨の降り出しは夕方以降の予定です。明日からは夏日が回避でき、秋らしい気温になりますが、天気はスッキリしません。秋晴れになるのは月が替わってからのようです。
ゑびす神社を出て帰宅の途に就いたのだけれど、まだ少し時間があるので、東大路通へ出るつもりで周辺を散策していた時のこと。
「この道は美しいですね」
両側には長い塀、そして道は石畳。確かにキレイだ。こんなところは知らなかったな。
「両側の塀は寺院でしょうか?」
「多分左側の塀は建仁寺だと思うんだ。この辺りは神社仏閣だらけだから、右側は分からないな」
「入口探してみましょうか」
「そうだね」
石畳の道を北に向かって歩いてみる。東西に延びる通りに面して、古い門が見えた。
「陀枳尼尊天と書かれた石柱が立っていますね」
「陀枳尼尊天か」
「古いですけれど、立派な立て札もありますよ」
「旦那様、陀枳尼尊天はどんな方なんですか」
「稲荷の神の宇迦之御魂大神と習合した神で、元々はインドの女神だよ」
「インドの女神がどうして日本まで」
「多紀理も知っていると思うけれど、インドから日本まで来られた神は大勢いらっしゃるよ。お会いした中では、大黒天さんもそうだし、毘沙門天さんもそうだよ」
「そうでしたね。でも稲荷神は神社ですよね。ここは興雲庵というお寺のようですけれど」
「神仏分離の結果、稲荷系の神社には宇迦之御魂大神が、寺院には陀枳尼天が残ったんだ」
「だから、神社にもお寺にも狐がいるんですね」
「正解」
「豊川稲荷というのは?」
「私は行ったことがないけれど、愛知県豊川市に豊川稲荷の本拠があるんだ。ここは寺院で、正式名称は確か、円福山・豊川閣・妙厳寺だったと思う。本尊は千手観音だったと思うよ。その中に鎮守社として祀られているのが稲荷であり、陀枳尼天じゃなかったかな」
「今さら言っても仕方ないのですけれど、明治政府が色々なことをしなければ、神社やお寺の形式も、神や仏の勢力分布も、今とは相当変わっていたでしょうね」
「どうなっていたかは分からないけれど、今とは相当変わっていただろうことは想像できるね」
「そんなに広くはなさそうですから、入ってみましょうよ」
「境内が駐車場になっているんだね。この辺りは住宅も含め密集地だから、駐車場にするのも仕方ないのかな。でも風情がなあ」
「ここに陀枳尼天と書かれたお堂がありますよ」
「小さなお堂だね」
「沖ノ島のわたくしの社よりも小さいですね」
「そうなんだ。沖ノ島の多紀理の社は、私には絶対見ることができないのだろうな」
「そう言われればそうですね。宗像神社の神主にでもならなければ行けませんよね」
「妻の家なのにつまんないなあ」
「連れて行ってあげましょうか?」
「どうやって?」
「行けるとしたら舟だけですね。定期的に船で来る連中に紛れたらいいんですよ。それとも船を雇いますか」
「でも上陸がばれたらヤバいんじゃないの」
「陰形できるじゃないですか」
「なるほど、それなら行けるね。でもその方たちはいつまで島にいらっしゃるの?」
「その日のうちに帰りますよ」
「じゃあ、いられるのもわずかな時間だけだね」
「本殿の中に隠れていたら分かりませんから、滞在は出来ますよ」
「食事とかはあるの?」
「神饌のお下がりくらいかしら」
「食べなきゃ死んじゃうよ」
「それは困りますよね。でしたら、わたくしが食料を持って行きますよ」
「調理とかできるの?」
「そういう設備はありません」
「それに次の船はいつ来るの」
「数か月先じゃなかったかしら」
「行きたい気持ちはあるけれど、それはやっぱり無理でしょ」
「もう少し考えてみますね」
「私も瞬時に移動できるようにならないかなあ」
「旦那様が祀られている神社もお寺もないじゃないですか」
「そうだよね。多紀理と一緒とか、月様と一緒とかでも瞬間移動ができたらいいのにな」
「それが一番いいのですけれど」
一人の女性が近付いて来たのに気が付かなかった。
「仲がよろしいんですね」
「お邪魔しています」
「御無沙汰どしたなあ。お元気どしたか」
「一年以上振りですね」
「旦那様のお知り合いなのですか?」
「奥様でいらっしゃいますのん?」
「はい、あなたとお会いしてから半年後くらいに知り合いまして」
「奥様、お初にお目に掛かります。このお堂の主で、ダーキニと申します」
「それはインドでのお名前ですね。あっ、申し遅れました。竹本の妻の多紀理と申します。よろしくお付き合いください」
「こちらこそ、よろしゅうお頼申します。あんさんは竹本はんと言わはるのどすなあ」
「旦那様、どういうお知り合いなの?」
「一年と少し前、伏見稲荷のお山巡りをした時に、お知り合いになったんだけど、途中で疲れ果てていた私を叱咤激励していただいて、無事にお山巡りを完遂したということがあったんだ。でもお互いに名乗らなかったし、それ以来お会いすることもなかったし」
「その節は主人がお世話になりました」
「たまたまのことですよって、お気になさらずに」
「ここでお会いしたのも何かの縁です。我が家にも遊びにいらしてください」
「へえ、おおきに。そやけど、迷惑でっしゃろ?」
「女性のお友達がなかなかいらっしゃらないので、わたくしは大賛成です。ですから遠慮なさらずに」
「そういうことなら、近いうちにお言葉に甘えまひょか」
「ぜひそうしてください」
「旦那様も構いませんよね」
「おいでいただけるのならいいんじゃないですか。あの時のお礼もしていませんから」
「そんな無作法なことをされているのですか?」
「だって疲れ果てていたし、この方もすぐに行ってしまわれたし」
「ではお礼を兼ねて歓待しなければなりませんね」
「お気遣いくださいますな。行きにくうなりますがな」
「そうですね。もう少し気楽な方がお互い楽ですものね」
「そうどすな。再会を喜びたいところですけど、これからちょっと用事がありますので、今日はこれで失礼します。また近いうちにお目に掛かりまひょ」
陀枳尼天との再会は意外な形で実現したが、多紀理の友人になるとは、これも意外な結末となった。
昔の行いが暴露されなければいいのだが……。
第十三巻終わり
開催日程:10/27 0:00 ~ 10/31 23:59 まで
【都々逸】会場
都々逸会場にご投稿いただいた方々の作品です
【俳句&短歌】会場
【川柳】会場
【連句】会場
他会場へもご参加ください
◆新規掲載の企画 (紹介は初日のみ)
10/31まで
10/31まで
10/31まで
10/31まで
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10/27まで 本日最終日です。
10/27 23:59まで 本日最終日です。
10/31まで
10/31 23:59まで
10/31まで
10/31 20:00まで
10/31まで
10/31まで
10/31まで
10/31まで
◆最終日までしばらく時間のある企画 (今日+30日)
11/10までと、11/17まで
11/30まで
◆最終日までずいぶん時間のある企画 (今日+30日以上)
12/22まで
2025/7/5まで
◆期限なし企画が新しい順に並んでいます。
※投稿された日付より15日間で削除されます。ただし、削除されてもイベントが終わったわけではありませんのでお間違いなく。
11/8で削除します。
11/2で削除します。
10/27で削除します。 本日最終日です。
このイベントは終了いたしました
ご投稿いただいた方々の作品です(投稿順・敬称略/2024.10.26. 23:59現在)
1曲目は 青山なぎさ の 解放 。
2曲目は DOBERMAN INFINITY の The other story 。
3曲目は HACHI の 万華鏡 。
リクエストの受付は終了しました。
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