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今日の気分は? 202401003 No.335

アイコンがハロウィン仕様に替わりました

今朝の京都は雨です。1日を通しては大雨の予報です。大雨注意報発令中です。午前7時の気温は22℃。日中は26℃予報で、さすがに天候が悪いので気温は下がっています。ようやく真夏日を回避できるようになったのかな?

『今日も暑いのぉ それでは吾は行くぞ』



「都七福神ではどの順序で巡ってもいいんだそうだよ」

最寄りのバス停で下車して徒歩約五分。ここまで来れば比叡山が大きく見えます。

目的地の妙円寺は夏の五山の送り火の「妙法」を背後に従えるように松ケ崎山の麓にあります。

住宅街に突然現れた、大黒天の扁額を掲げる鳥居 (多分これが一の鳥居だろう) を潜りしばらく歩いていくと、松ケ崎大黒天と白雲稲荷神社の分かれ道に着きます。

真っ直ぐ石段を登ると白雲稲荷、左の坂を登ると大黒天。後で気付くのですが、恐らく同じ敷地内の寺院と神社であり、上でも道が繋がっていました。


「こっちの坂を上って行くと、大黒天さんの所へ行けるようだよ」

「お隣の神社は静かですね。お留守なのかしら?」

「そんなことがあるんだ」

「だって、お留守にしなければ、わたくしは今でも玄界灘ですよ」

「確かにその通りだね」

「ですから、神様や仏様のどなたかがあなたを訪ねて来られている時は、その神社や寺院はお留守になっているんです」

「なるほど、便利なような不便なような。でも時々だけど、月様は問題が起きたとかで、突然姿を消して、またすぐに戻ってくることがあるよ」

「参拝に訪れた方々の声は、お社にいなくても聞こえていますから、そこから汲み取れることも多いと思うんです。だからじゃありませんか?」

「多紀理もそうなの?」

「わたくしはあなたの妻ではありますけれど、元々神なのですよ」

「ずっと神だと思ってるよ」

「ですから、参拝者の切実な声を聴いたりしますと心配になることもありますよ。そのうち、月読のおじ様のように突然姿を消すことがあるかもしれませんね」

「驚くだろうなあ。でもそれが仕事なんだからやるしかないよね」

「おじ様で慣れていらっしゃるとはいえ、ご理解いただけて感謝しますわ」


参道途中にある大黒殿には抜魂された大黒様が大小様々に大勢が祀られています。一番大きな大黒様は濃い茶色というか、飴色というか、艶々と光り、ふくよかなお顔で参拝者をお迎えされているようにも見えます。


「ここに飾られている大黒様は、魂が抜いてあるらしいから、ただの置物だね。魂が抜いてあるとはいえ、ただの置物に見えないのもあるよね」

「仏教の世界では、魂を抜くなどという芸当もお出来になるのですね」

「神道の世界ではないのかな?」

「罪穢れを祓うということはありますけれど、魂を抜いて元の状態に戻すということなど、聞いたことがありませんね」

「なるほど」

「わたくしが知らないだけで、神道の世界にもそのようなことが存在するのかもしれません。あなたもご存じのように、わたくしは世間知らずですから、真に受けないでください」


境内に入るとすぐに少々ユニークに見える七福神の石像が迎えてくれます。その中でも非常に珍しいのが夫婦大黒天の石像です。この夫婦大黒天が祀られている神社は奈良の春日大社だけといわれていますが、オブジェなので関係ないのでしょう。個人的にはちっちゃな毘沙門天が可愛いので好みですね。是非探してみてください。


本殿の御本尊は法華経曼荼羅と釈迦・多宝仏。

大黒天の祀られている大黒堂は薄暗い中に青白い光があり、黒光りした大黒天が鎮座されています。
この大黒天は、伝教大師 (天台宗・最澄) の作といわれています。
また、寺は失火により消失しましたが、大黒天は難を逃れたとか。

大黒堂の中には大黒天陀羅尼として『ノウマクサンマダ ボンノン オンマカカラヤ ソワカ』を三回唱えてくださいと書かれてあります。

大黒天と大国主命は神仏習合により同一視されることが多いのですが、妙円寺の縁起書によると、大黒天と大国主命は別物であるとはっきり記されています。これは非常に珍しいことだと思うのですが、大黒天像は大国主と習合された状態の福々しいお姿のままです。

はっきり別物だと記されているのですから、これは少し残念かも。
大黒天像が、伝教大師の作ということで残されたのかもしれませんね。


「綺麗ですね。それに福々しい。とても破壊神とは思えません」

「そうだね。インドから中国へ入って変転し、さらに日本に入ってきて変転しているから、元の破壊神のイメージは全然ないよね。でもそのような大事なことを知らないで、大黒天を拝んでいてもいいのかと思ってしまうんだ。大国主さんの悩みや嘆きはそれほど大きなものだったんだけどね」


「ちょっと失礼するよ」

細身だがガッチリしたご老人が声を掛けてきた。周りには誰もいなかったと思ったんだが、いつ現れたんだろう?

「お前さんたちは何者だい? 野郎の方は人間様に見えるんだが、もう一人は正体が掴めん」

「大黒様ですよね。マハーカーラとお呼びしたほうがいいでしょうか? 初めましてご承知の通り私は人間で竹本と言います。そしてこちらは天照大神と素戔嗚尊のご長女で……」

「多紀理と申します」

「そうかい。最高神の娘さんかい。そりゃ正体が分からなくっても仕方ねえな。長いこと寺や神社には居るが会ったことはねえもんな。わちきが大黒だよ。そちらの人間様はわちきの声が聞こえるんだねえ。それも娘さんの影響かい?」

「いいえ、自分でも不思議に思っているんですが、何故か以前から聞こえるんですよね」

「そんな人間様もいるんだねえ。で、お二人の関係は聞いてもいいかな? 不思議な組み合わせだよな。そちらの人間様の守護神という訳でもなさそうだ」

「わたくしの想い人です。人間と神との関係性を仰られているのでしょうが、わたくしが一緒にいたいとお願いしました。母と父も認めてくれています。わたくしのおじ様のお話しですと、神と人間が結ばれることもそんなに珍しいことではないと」

「端的なご説明だ。あんたは幸せな人間様だね。こんなに神に愛された人間様なんて、そういねえんじゃねえか?」

「私もそう思っています。私は人間ですから近い将来寿命を迎えるでしょうが、そうなるまで私も精一杯彼女を愛そうと思っています」

つづく

『ねえさん、挨拶はなしかよって言ってんじゃん』



◆新規掲載の企画 (今日のみ)

10/4 20:00まで


10/31まで


◆近々最終日を迎える企画 (今日+7日)

10/4夜まで


10/4 20:00まで


10/5まで スタエフ朗読ライブ作品および朗読者募集


10/6まで


10/6まで


10/10 23:59まで


◆最終日までしばらく時間のある企画 (今日+30日)

10/25まで


10/31まで


◆最終日までずいぶん時間のある企画 (今日+30日以上)

2025/7/5まで

『今したじゃろうが 再びを望むのか?』



◆期限なし企画が新しい順に並んでいます。

※投稿された日付から1か月で削除されますが、イベントが終わったわけではありません。

11/1で削除します。終わりの期日が明確になれば、枠組みが変わることがあります。


10/28で削除します。ただし、コメント数が100を超えると新しい巻に変わりますのでご注意ください。


10/28で削除します。ただし、毎週土曜日に新しいお題が提供される予定ですのでご注意ください。


10/20で削除します。


10/20で削除します。


10/18で削除します。


10/8で削除します。

『なんだぁ?』



10月4日 0時~10月9日 23時59分


10月5日 (土) 21:00 〜 22:00


10/8 0:00~10/31 23:59


10/10~10/21


10/16 21時より スタエフ朗読ライブ開催

『面倒なヤツじゃのぉ』


1曲目は ダウン・タウン・ブギウギ・バンド Ballad 


2曲目は 中村あゆみ 翼の折れたエンジェル 


3曲目は PRINCESS PRINCESS パパ 


お気に入りの曲のリクエストやこういう特集を組んでほしいなどがあればコメ欄にお願いします。ジャンルも問いません。

『なんだってぇ?』


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