今日の気分は? 202400924 No.326
アイコンがハロウィン仕様に替わりました
今朝の京都は半分曇り空です。1日を通しては晴れ時々曇りの予報です。午前7時の気温は23℃。日中は30℃予報です。
ようやくエアコンが必要なくなってきたようなのに、今度はエアコンに慣れてしまいなかなか止められない。部屋の中より外の方が涼しいのになぁ。
「母ちゃん、どうすればいいんだよぉ~」
「ここは多紀理に任せましょ。あの子は私たちの娘なんですよ、信用して任せましょうよ」
「竹本には手え出しちゃなんねぇ~のかよぉ~」
「もしそんな時が来たら、私があなたにお願いしますからね」
「おう。そんときゃ任せとけぇ~」
「ようやくではありますけれど神の自覚も芽生えたんじゃないかしら」
「そうだといぃ~なぁ~」
「今まで甘やかしてきたのだから、親の責任でもあるのですよ」
単純な親父さまだ。そして母上さまの見事な操縦術。これで一件落着か?
「多紀理、一つ約束してください。お話だけではなく、たまには一緒に旅行に行ったり、こちらに泊まることも構わないでしょう。ただし一緒に暮らすことは認めません。必ず日付が変わるまでに帰ってきなさい。約束できますか?」
「母ちゃん。旅行とか泊まるのはヤバいんじゃねぇ~かぁ~? あんなことやぁ~こんなことがぁ~起こるかもしんねぇ~ぞぉ~」
「いいんですよ。娘を信用しましょうっていったばかりじゃないですか。それよりあんなことやこんなことって、あなたは何を考えているのでしょうね」
「やっぱ母ちゃんはすげぇ~なぁ~。俺も多紀理は信用する。竹本は信用できねぇ~けどなぁ~」
私もついででいいですから、信用してくださいよ。
「母さま。この方とお会いするのを認めていただいてありがとうございます」
「あなたが今まで通り、真面目に過ごすのなら当然のことですよ」
「どこまでご期待に応えられるかは分かりませんが、信用していただけるように、今ここでちゃんとお約束します」
「そう。竹本氏、娘をよろしくお願いします。約束もちゃんと守らせてやってください」
天照大神が私に頭を下げている。どう対処すればいい?
この状況が受け止めきれない。でもとりあえず、
「分かりました。どれだけお役に立てるかはわかりませんが、時の許す限り精一杯、姫のお相手を務めさせていただきます」
「くれぐれも多紀理を甘やかさないようにお願いしますね」
「泣かすのもダメだぞぉ~。俺はさぁ~、多紀理が大事なんだよぉ~。目の中に入れても……なんていうヤツもいるけどよぉ~、俺はそんなのは痛いからやらねぇ~けどよぉ~、それくらい大事なんだよぉ~。だからぁ~、大事にしてやってくれよなぁ~」
目の中に入れてもっていうのは比喩表現で、実際に目の中に入れるわけではないんだけどなあ。
この親父さまならやりかねないけれど、やっぱりちょっと抜けてるよなあ。
「あなた、多紀理に甘すぎるのも困りますよ」
「分かってらぁ~。でもぉ~最初の娘だしさぁ~、可愛いんだから仕方ねぇ~よなぁ~」
「本当に甘いんだから」
「それで母ちゃん~、今日はこれで終わりだよなぁ~?」
「そうですね」
「それじゃあぁ~、俺は帰っからよぉ~」
「今夜はお戻りですか?」
「わかんねぇ~なぁ~」
「どちらの女性のところへ?」
「市比売 (神大市比売) のとこだぁ~。最近あいつはぁ~、とっても優しくってさぁ~。それにぃ~、あいつのとこはぁ~、いつも女だらけなんだよぉ~」
「そうですか。お気を付けて行ってらっしゃいませ。あまり無理はなさらないでくださいね。」
「おぉ~、じゃぁ~なぁ~」
親父さまは飛ぶように別の女性の元に走り去る。
見送る母上さまは呆れているのか諦めているのか、複雑そうだ。
親父様が足繁く通う神大市比売は、大山祇神の子であり素戔嗚尊の二人目の妻です。
天照大神は素戔嗚尊との誓約により子をもうけていますが、妻としてはカウントされていません。
因みに一人目の妻は櫛稲田姫で大山祇神の孫。つまり一人目の妻の方が若いのだと思われます。女性の年齢のことだから、詳しく語ることは不躾だからしませんが、これって差別に当たるの?
別名を大歳御祖神といい、神社ではこの名で祀られていることが多いようです。
子は大年神と宇迦之御魂神の二柱。
祀られている神社に京都・市比売神社があります。こちらの神社の特徴として祭神の五柱はすべて女神であることが挙げられます。素戔嗚尊が女だらけといわれる所以です。
実は、御祭神の五柱にはよく知る女神が含まれていることに、親父さまは気が付いておられません。
市比売神社の公式ホームページには御祭神の五柱の筆頭には多紀理比売命、続いて三姉妹の残りの二神、市寸嶋比売命と多岐都比売命、そして親父さまがご執心の神大市比売命、更に下光比売命の五女神が書かれています。
こちらで娘たちには会ってないのですかねえ。
この神社には洛陽の七名水の一つに数えられる天之真名井があります。歴代天皇の産湯に用いられたという伝承もあるようで、御利益は良縁・子授け・安産・女人厄除け。特に女人厄除けは全国でも珍しいと思われます。歴代皇后の崇敬も篤く、現在も皇后陛下の勅願所となっています。
一方で商いの祖神であり、分社 (市比賣社・市姫社など) が全国に祀られています。本殿は珍しく北向きに建てられていますが、その意図するところは分かりません。
「父さまには幾つになっても困ったものです、未だにお若い頃のまま。あちらの女性こちらの女性とフラフラうろうろ。竹本氏、あなたは大丈夫ですか?」
「ハハハ。私の相手をしてくださるのは幸いといえばいいのか、姫だけですから。昔はこれでも少しはモテた時もありましたよ。その頃ならいざ知らず、人間の女性とは話すことすらさせてもらえなくて、全然相手にされなくなりました」
寂しい限りだ。そして親父さまは羨ましい限りだ。
そんなことはこの母娘にはいえないが。
「では私も帰るとしましょう。多紀理、しっかりやりなさい。女同士ですから分からないことはいつでも聞きにいらっしゃい」
「はい母さま。わたくしはもう少しここに居てから戻ります。そうだ母さま。たまには夕飯ご一緒しません?」
「今日は竹本氏と一緒になさい。多紀理とはまた近いうちに食すことにしましょう。機会があれば竹本氏とも一度ご一緒しましょうか。それでは失礼しますね」
「色々ありがとうございました。母上さまと呼ばせていただきます。それから、親父さまのことですから少し言い難いですが、あのタイミングで来られなかったらどうなっていたか、想像するに身震いしてしまいます。何せお相手はあの素戔嗚尊なんですから」
「ホホホ、あの人は多紀理が心配なだけなんです。単純で直情径行は強いですが、娘にも私にも、そして他の女性にも、とても優しい方ですよ。きっとそのうちあなたにも優しく接するようになるでしょ。私からもそうしてもらえるように、お願いしておきますね。じゃあね。またお会いしましょう」
母上さまが会釈一つ残し帰っていかれた。貫禄が違う。
「なんか照れますね。さて今日はこれからどうします? 母上さまのお勧めもありましたから、夕飯でも食べに行きましょうか?」
「せっかくなので夕飯の買い出しにでも出掛けませんか?」
そんな話があったな。半年ほど前のことになるだろうか、ずいぶん前のような気がするが、今夜はまさかカレーじゃないよな?
二人は一体どう見えるんだろう。年配のおっさんが年若い女性を連れているとしか見えないだろうな。もう少し老けて見えるようにお願いしてみるか? そんな失礼はできないよな。誰も知人に会いませんように。特に口さがない、よく知っている神々には。
「それじゃあ行きましょうか。料理は何にします? 姫がお造りになるんですか? それとも私が造りましょうか?」
「わたくしもお料理くらいはできますのよ。レパートリーは少ないですけれど」
「今夜になるのか、いつになるのか知りませんが、姫の手料理を馳走になるのを楽しみにしていますよ」
「わたくしたち神は食べなくてもいいのですから、あまり興味が持てないのです」
「それは仕方ないですね。でも、私は何か食べないと身体が弱っていきます。そして最後には死んでしまいます」
「これから勉強しますね」
「興味の持てないことなら、無理しなくていいですよ」
「でも、あなたのためになるのですよね? それなら頑張れます」
「ありがとございます。私は姫のために何ができるのでしょうね」
「ただ、側にいていただくだけで私は満足できます」
「そんなことでいいなら、お安い御用です」
「あなたも無理はしないでくださいね」
「ところで今夜は何を食べましょうか?」
「わたくしではどうです? もう十分に熟してますよ」
「そういうことは軽々しく話されない方がいいと思いますよ」
「ですが、母さまにも、ついでに父さまにも認めていただいたのですよ?」
「だからといって、性急になる必要はありませんよね。もう少し二人での実績を積んでからにしませんか?」
「あなたがそう仰るのなら、わたくしは我慢します。それでいいんですよね」
「そういう態度ですと、まだまだ先の話になりそうだなあ」
「あなたは意地悪です」
後で聞いた話だが、遥か昔、多紀理毘売は大国主との結婚話があったそうだ。でも実際には三姉妹の真ん中の多岐都比売が大国主に嫁いだとか。
書物によると多紀理毘売は大国主に嫁ぎ、子まで成したとある。
また別の書物では生涯独身を貫いたとある。
残念ながら、人間の男性を愛したという話は書物の中には見当たらない。
そりゃそうでしょ、現在進行中の話なのだから。
第九巻終わり
◆近々最終日を迎える企画
9/24 20時まで 本日最終日です。
9/28夜まで
9/29まで
9月末日まで
9/30まで
後夜祭:9/30まで
◆最終日までずいぶん時間のある企画
2025/7/5まで
毎週日曜から始まる Doudoitu de Rennka 100 にご参加いただきありがとうございます。
わずか二日も経たないうちに都々逸の数が100に達しました。
多くの方のご参加ありがとうございました。
早過ぎるやん。これは都都逸ブームなのか?
一応次回日曜日が『Doudoitu de Rennka 100』の最終回の予定です。
要望があれば延長もあり得ますが……。
今回にご投稿いただいた方と都々逸の作品です。(2024.09.23. 19:31終了)
◆期限なし企画が新しい順に並んでいます。
※投稿された日付から1か月で削除されますが、イベントが終わったわけではありません。
10/20で削除します。
10/20で削除します。
10/18で削除します。
10/14で削除します。
10/8で削除します。
9/24で削除します。本日期限です。
9/28 9/21に1回目が開催されました。次回は次の土曜日です。
10/2~10/6
10月4日 0時~10月9日 23時59分
10/10~10/21
1曲目は JOHN LENNON の (Just Like) Starting Over 。
2曲目は RINGO STARR の Crooked Boy 。
3曲目は GEORGE HARRISON の Got My Mind Set on You 。
4曲目は PAUL McCARTNEY & WINGS の My Love 。
お気に入りの曲のリクエストやこういう特集を組んでほしいなどがあればコメ欄にお願いします。ジャンルも問いません。
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