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今日の気分は? 202400922 No.324
アイコンがハロウィン仕様に替わりました
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今朝の京都は雨です。1日を通しては曇り時々雨の予報です。午前7時の気温は27℃。日中は30℃予報です。秋雨前線の南下に伴う気温の低下ですが、これを機会に気温が下がってくるようです。
ようやくクソが付くほどツラかった夏が終わりそうです。
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「竹本さん、父さま、外まで声が漏れていますよ」
はい、プリンセスが華やかに登場。やったね。
親父さまびっくり。そりゃそうでしょ。
抜き打ちで乗り込んできたはずだもんね。
「なんでオメエが来るんだよぉ~」
「わたくしが大事に思う人のお宅を伺うのに、何か問題がございますか? いちいち父さまに断らなければならないの? それは初耳ですわね、今後は気を付けたほうがいいのかしら? そんな必要はありませんよね。それより父さまは何故ここにいらっしゃるの?」
娘の反撃が始まる。
「オメエが最近よく出入りしてるって聞いたからよぉ~、相手がどんなヤツかって思ってなぁ~」
「それでわざわざ? それはご苦労様でした。ではご用事はお済みですわね。これでお帰りですね?」
すごい冷たい反応。これも姫の一面なんだなあ。
「いんやぁ~、まだ用事は終わっちゃいねぇ~、コイツちょっと締めとかないとなぁ~」
締めるってなんだ? あなたは暴力親父になるのか?
「父さまはわたくしが大事に思う方を締めると仰るの? 締めるというのがよく理解できませんが、いずれ父さまのことですから、暴力に訴えるということでしょうね。それならばわたくしが父さまとずっと口を利かなくなってもいいと仰るのね?」
「なんでそぉ~なるんだぁ~?」
親子喧嘩だよな? この親父様、娘を心配するあまりなのだろうけれど、ちょっとやり方に問題があるよな。
それに私は一応当事者なんだけど口を挟めない。それにしても姫は強い。
日頃話しているだけだと、こんな姫にはお目にかかれないなあ。
「だって、父さまはわたくしが嫌がることをなさろうとしてらっしゃるんでしょ? それ相応の覚悟がおありじゃないと、そんなことはできませんよね」
「だってオメエ相手は人間だぜぇ~。釣り合わねぇ~だろぉ~」
「父さま、わたくしに釣り合う方ってどなたかしら?」
「別に誰ってことはねぇ~けどよぉ~、最低でも神の部類でないとなぁ~」
「それって父さまがお決めになることなの?」
「オメエが決めりゃ~いいんだがよぉ~、やっぱりぃ~心配じゃないかぁ~」
「父さまはわたくしの味方なの? それとも敵? そもそもしばらく口も利いていませんでしたわよね。何が原因でしたかしら? 普段はあまり側にいないのに、こんな時だけ父親らしく振る舞われても困りますわ」
「あんだとぉ~? 俺は娘の心配しちゃいけねぇ~のかよぉ~」
娘の心配をするのと、私を締めるのが同義なの?
私にも子供がいるが、娘じゃないから、お父様の気持ちがイマイチよく分からないなあ。
「心配してくださってありがとうございます。でもわたくしももう充分大人ですから大丈夫ですよ。ですから暖かく見守っていただけると嬉しいです」
「そうしてやりてぇ~けどよぉ~、人間なんてすぐ死んじゃうぜぇ~。寿命で死ぬぅ~、病気で死ぬぅ~、事故で死ぬぅ~。診たところあまり丈夫でもなさそうじゃんかぁ~」
「なんだそんなこと。父さまには分かっていただけないかもしれませんけれど、わたくしは今とっても満たされてるの」
「今が良ければぁ~それでいいのかぁ~」
「もちろん先々も大事だと思いますわ。でも今がないと先はないのですよ父さま」
「そんな難しいこといわれるとぉ~、頭が痛くなるぜぇ~」
「では簡単に申し上げましょう。よく聞いてくださいね。わたくしはこの方のためなら、なんでもできそうな気になります。この方のために、できるだけのことをして差し上げたいとも思います。それほど愛しく思っています。この心境の変化には、わたくし自身が驚いていますが、神など辞めてもいいとさえ思っています」
えっ? ちょっと待って。
姫はそんなこと考えていたんですか?
それは少し大胆すぎるでしょ。
そもそも神って辞められるの?
辞めたらどうなるの?
普通の人間になるとか?
別の生き物になっちゃうとか?
とにかくちょっと落ち着きましょうよ。
「多紀理、それは許しません」
「母さま」
ついにラスボス登場。
突然現れるからビックリだ。さほど広くない部屋が神様だらけ。しかも天照大神と素戔嗚尊とその娘。こんな形で会うことになるなんて、まったく予想してなかったな。そもそも会えるとも思ってなかったし。
親父様は話し方からして少々ブッ飛んだ感じの方だが、さすがに母上様は落ち着いてらっしゃる。
このお二人が夫婦なんて少し合わないような気もするが、よく考えれば元々ご姉弟で、長女と末っ子と思えば、意外と息があっているのかもしれないな。誓約の時は母上様が武装までして喧嘩腰だったような気がするけれど、結局はお姉ちゃまと末っ子の喧嘩だったのですね。
「竹本氏といいましたか? 娘と親しくしてもらってありがとう」
「いえ、もったいないお言葉です。それに私のことをご存じとは感激です」
「私も神の端くれですから、その程度のことは簡単に調べられるんですよ」
またまたご謙遜を。母上さまがこの世の最高神じゃないですか。
「月読命から色々とお話しを伺いました。何かお疑いのことがあるようですが、私は姫とお話しをさせていただいているだけで、それ以外は何もありませんから」
そう。本当に姫とは話をしているだけなんだ。
「そうなの母さま、わたくしにはそれが少しもどかしいのですけれど。でも他愛ないお話を聞いていただくだけで、とっても幸せな気分になれますし満足できるのよ。もちろんこの方のお話を聞くのもすごく楽しいの。今まで誰かと話すのは苦痛でしかなかったわ。それが今は違うのよ。この方とお話ししているととっても楽しいし、すごく嬉しくなって気分がいいの。だからわたくしは……」
「多紀理、それ以上はいわないでおきなさい」
ちゃんとした親子の会話になってきましたね。
大人同士の会話はこうでなくっちゃ。
親父さま、聞いていますか?
少しは見習ってくださいね。
「どうして? 娘が楽しい思いや嬉しい思いを話すことがいけないことなの?」
「そうではありません。あなたが楽しいと感じたり、嬉しいと感じることは、母さまにとっても嬉しいことですし楽しいことです。ですがその先に思い浮かべているだろう結論には母として、また責任ある立場の神として賛成できません」
母上というより最高位に君臨する神の威厳が空気をピリッとさせる。
「わたくしが神を辞めてもいいと思っていること?」
「そうです。人々にもそれぞれの立場や、やらなければならないことがあるように、神にもそれは生まれながらに備わっています。それを無視したり逆らったりしてはならないのです」
「俺も、そぉ~思うぞぉ~」
ご両親は積極的に説得しようと試みる。しかし姫の意志も固いようだ。やっぱり口を挟めない。一応当事者なのになあ。
「母さまも父さまも、今までのわたくしの暮らしぶりをよくご存知のはずです。どなたにも会おうとせず、部屋の中に籠り、ただ時が過ぎていくのを待つだけだったでしょ?」
ご両親が同時に頷いてらっしゃる。
「偶然、ほんとに偶然なんです。月読の叔父さまに誘っていただいた七夕祭りで、この方に巡り合いました。叔父さまが決めておられたのか、その場の思い付きなのかは分かりかねますが、わたくしをこの方の嫁にと勧められたのです。突然のことでしたから、それは驚きました。ひょっとすると冗談だったのかもしれませんね。ですがこの方は、わたくしに失礼だと叔父さまを叱ってくれたのです。あの叔父さまを叱れる人がいるのはとても新鮮でした」
「それは確かにそうですね。上の弟を叱れるなんて、父と母と私くらいじゃないかしら。ここにいる下の弟は、叱っても効きませんけれど」
「兄貴が悪いのかぁ~? 絶対締めてやるぅ~」
「あなた、静かに娘の話を聞けませんか?」
母上さまからの厳しい一言が親父さまを黙らせた。
心なしか親父さまがしょんぼりしているように見えます。
つづく
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今回のふぉれすとどわあふが前回の作品数を超えました。
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最終日を無事に乗り越え、今回も壮大な物語ができあがりました。
実に10名の方々が、全41作品を紡いでくださいました。
ありがとうございました。
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◆新規掲載の企画 (今日のみ)
本日のみのイベントです。
9/24 20時まで
◆近々最終日を迎える企画
9/22まで 本日最終日です。
9/23 23:59まで
9/24 20時まで
9/29まで
◆最終日までしばらく時間のある企画
9月末日まで
9/30まで
後夜祭:9/30まで
◆最終日までずいぶん時間のある企画
2025/7/5まで
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毎週日曜から始まる Doudoitu de Rennka 100 にご参加いただきありがとうございます。
本日から『Doudoitu de Rennka 100』が再スタートしました。
どうぞお楽しみください。
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今回ご投稿いただいた方と都々逸の作品です。(2024.09.22.07:00現在)
Kei
そうなんですよ 観ちゃいましたね 妻の癇癪 荒れた部屋
松下友香/ともか|週末note|感謝
そうなんですよ 観ちゃいましたね 素顔の私 ノーメイク
すーこ|9/22(日)紙飛行機芸術祭運営
ミステリアスな マスクの下は 素顔の私 ノーメイク
Kei
そうなんですよ 観ちゃいましたね わたしの素顔 イケるでしょ
理生 -りお-
ミステリアスな マスクの下は 危険な香り 月灯り
たつきち
気を許さずに あなたを惑わす 危険な香り 月灯り
おはようよねちゃん(おはよねさん)
カップラーメン 熱湯注ぐ 危険な香り 月灯り
三羽 烏
カップラーメン 熱湯注ぐ 腹は減っても 3分待てよ
カンナ|をかし探究隊隊長
カップラーメン 熱湯注ぐ 流しに湯捨て ポンと鳴る
ソラノイロ (10)
カップラーメン 熱湯注ぐ 腹が減っては 戦えぬ
三羽 烏
誰と勝負か 知らないけれど 腹が減っては 戦えぬ
Kei
誰と勝負か 知らないけれど きみに選ばれ Vサイン
Kei
なにがあろうと 百戦錬磨 きみに選ばれ Vサイン
虹風 想蒔
なにがあろうと 百戦錬磨 ひとまず行くよ 幼稚園
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◆期限なし企画が新しい順に並んでいます。
※投稿された日付から1か月で削除されますが、イベントが終わったわけではありません。
10/20で削除します。
10/20で削除します。
10/18で削除します。
八の巻が始まりました。10/14で削除します。
10/8で削除します。
9/24で削除します
9/23で削除します
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9/28 昨日1回目が開催されました。次回は来週です
10/2~10/6
10月4日 0時~10月9日 23時59分
10/10~10/21
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1曲目は Ahmad Jamal の Easy To Love 。
2曲目は LOU DONALDSON の Autumn Nocturne 。
3曲目は JULIE LONDON の I'm In the Mood for Love 。
お気に入りの曲のリクエストやこういう特集を組んでほしいなどがあればコメ欄にお願いします。ジャンルも問いません。
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#今日の気分 #iTunes #Ahmad_Jamal #Easy_To_Love #LOU_DONALDSON #Autumn_Nocturne #JULIE_LONDON #I 'm_In_the_Mood_for_Love