黄金色に輝く『青ブラ文学部』

深夜の平泉の中尊寺金色堂で一人の男が読経を上げていた

ひい爺さんや爺さん、親父と一緒に儂もここで眠ることを許してもらえるだろうか？

奥州藤原三代で築いてきた華やかな文化や知識、技術が自分の代で滅びるのは忍びない
何より先祖に顔向けできないじゃないか
それでもお前はここで眠ることを望むのか？

お爺、鎌倉幕府や頼朝にこれ以上抗うのは、多くの民にとって良策とはいえまい
だから儂は見事源氏を欺き、平泉を無傷で守って見せようほどに、ここでご先祖と一緒に眠ることを許してほしいんじゃ
朝焼けに染まる中尊寺の須弥壇の中で、ご先祖と一緒に辺り一面黄金色に輝くその景色を見たいんじゃ

ここで奥州藤原は滅びてしまうけれど見事平泉を護った暁には･･･

昨夜からずっと勤行を務めていた泰衡は朝焼けの空を見上げながら

さて源氏に一泡吹かせてくれようかのぉ　とつぶやき、金色堂を後にした

▪️解説▪️
奥州藤原三代は、蝦夷討伐の名目で源頼朝を筆頭とする鎌倉幕府に攻め込まれ滅びを迎えますが、栄華を誇った平泉文化は一部を除き戦火を免れ、平泉中尊寺金色堂などは当時の姿のまま残ったと言われています
金色堂内の須弥壇には奥州藤原の基礎を作った初代藤原清衡、二代基衡、三代秀衡のご遺骸を安置し、滅びを迎えた四代泰衡は首のみが安置されています
泰衡は源氏に首を打たれたとも、自ら首を落とし源氏に届けたとも伝わっています
おそらく泰衡の信奉者がのちに泰衡の首を盗み出し奥州に持ち帰り今軸どう内に納めたのではないかとも考えられています　　知らんけど
余談になりますが、私は清衡の父にあたる藤原経清の生き方に憧れています
この人、男なんですよ　　性別の話じゃありませんよ

青ブラ文学部に参加させていただきます
山根さま　よろしくお願いいたします

#青ブラ文学部 #朝焼け #中尊寺金色堂 #奥州藤原三代 #源頼朝 #鎌倉幕府 #平泉文化 #須弥壇 #清衡 #基衡 #秀衡 #泰衡 #経清