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眠る

人は眠る。
なぜ眠るんだろう。

明日のために眠るという人がいる。
ただ眠いから眠るという人がいる。
疲れたから眠るという人もいる。
眠ってる場合じゃないと言いながら眠ってしまう人がいる。
一日に何度も眠る人がいる。
ずっと眠ったままの人もいる。
眠ってたのに眠ってないと言い張る人がいる。
生まれたての赤ん坊から、明日をも知れない方まで、とにかく人は眠る。
眠ることが好きな人も、眠ることに不安がある人も結局は眠ってしまう。


私の知人など毎日8時間睡眠だと豪語する。
よく眠り続けられるものだと感心する。
だか彼ですら適度に汗をかく運動や、寝る前のお風呂、少々のお酒など眠るための努力をしている。
彼曰く、人生の3分の1は寝てる計算になると言う。
本人がそれでいいのなら何ら異論はない。
が、少々寝すぎだろうと思うのは私の勝手にすぎない。

もう一人の知人は豪快でバイタリティ溢れる人で、文字通りガハハと笑う人だった。精力的に仕事をこなしていたある日の夕飯後、少し頭が痛いから眠るといい、そのまま帰らぬ人となった。くも膜下出血だったそうだ。まだ30代半ばだったのに惜しいことだった。

対して私はどうだろうか?
毎日の睡眠は2~3時間程度。よく眠れたとしても4時間もすれば目覚めてしまう。その間にトイレに起きることもしばしばだ。
私の睡眠時間の2~3日分を1日で消費(?)するよく眠る知人。
どちらが良いかは当人が決めればいいことだ。


しかし、睡眠時間の短い人は色々な病気の発症リスクが高まると聞いたことがある。
確かによく眠る知人は私より10歳近く年上なのに健康そのもののようだ。
だから最近は少しでも睡眠時間を稼ごうと、できるだけお昼寝をするようにしているが、それですら中途半端な時間に眠ってしまうと夜が眠れない。
痛し痒しだ。

最近は夕飯の後でうたた寝することがある。
目覚めると本来眠るような時間に近い。
そしてもう眠れない。
結局朝まで起きていたりする。
眠る時間も起きる時間もバラバラになってきた。


人は眠ることで明日は見えたのだろうか。
明日への活力は得られたのだろうか。

何事もなかったように目覚め、何事もなかったように日常を過ごす。

どれほど裕福な人も、どれほど貧困に喘ぐ人も、どれほど権力を持つ人も、今がとても幸せだという人も、今が不幸のどん底だという人も、明日を迎えられる保証なんて誰にもない。

それでも人は眠らなければならないようだ。


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