今日の気分は? 202400914 No.316
今朝の京都は晴れです。1日を通しては晴れのち曇りの予報です。午前7時の気温は27℃。日中は35℃予報です。
「上皇様、法皇様がお倒れになられたと知らせがございました」
「それは見舞いに行かねばならぬ。すぐに支度を」
上皇は鳥羽法皇が亡くなられる直前にお見舞いに訪れますが、対面を許されることはなかったと言われています。
一説によると、鳥羽法皇がご自身のご遺体を上皇には見せるなと言い残されたとか。それほどに恨みが深かったということでしょうか。
上皇は憤慨されるも、仕方なくお住まいへ戻られます。
「いくら疎まれていようとも、今際の際でこの仕打ち、とても父の言とは思えぬ。誰かが私を欺こうとしているとしか思えん。何ヤツが私と父を合わせようとせぬのか、とくと調べて灸を据えてやらねば」
しかし、世の流れは止まることなく、鳥羽法皇が崩御されたことで歴史が大きく動き出すのです。
「頼長、弟の軍勢が攻め寄せてくるとはどういうことじゃ」
「上皇様、私はまったく与り知らぬこととて」
「じゃが、『上皇左府同心して軍を発し、国家を傾け奉らんと欲す』との噂が流れているそうではないか」
「すでにお聞き及びでございましたか」
「私にその考えはないが、そなたは軍を集めておるのか?」
「滅相もございません。恐らく仇敵の通憲あたりの策略ではございませぬか」
「何とかしろ、あらぬ噂に尾鰭が付けばどのようなことになるか分からぬぞ」
「しかし、何もしておりませぬのに、策を講じますのは如何なものかと」
「では、座して待てというのか」
「今少し様子を見てからでも遅くはござらぬかと」
「そのような悠長なことを申しておる時か?」
「何と仰せられようと、今動くことは得策とは思えませぬ」
「上皇様、私が甘うございましたようで、天皇方に東三条殿を急襲され、宅を没官されてしまいました。面目次第もございません」
「これでそなたは謀反人か。私も悪者の一味ということだな」
「誠に何とお詫び申せばよいか」
「最早争いは避けられぬか」
「この期に及んでは如何ともし難く、鳥羽を抜け出すことも考えねばなりますまい」
この頃の上皇のお住まいは鳥羽田中殿と呼ばれ、都でもずいぶん南の方にありました。
「住み慣れた場所ではあるが、この場所ではいざ何かが起こっても動きが取りにくい。もそっと、洛中に近い場所はないかのう」
「それならば統子内親王の御所がよろしいのではございませぬか」
「白河か、それは好都合かもしれぬな。早速連絡を取ってみるか」
「上皇様、いきなりお伺いするのは確かに失礼なれど、連絡を取るのお止めになった方が賢明かと」
「しかし、向こうにも都合があろう」
「それを気にされるほどの猶予はございませぬぞ」
「礼儀を弁えぬのは、如何なものか」
「争い事が起ころうとしております時に、礼儀も何もあったものではございません。それに、内親王が敵方に通じておれば、待ち構えられてしまいますぞ」
「だから都合を聞くのであろうが」
「今はまだ内親王の御所を注目している者などございませぬでしょう。ですから今のうちに突然訪問して、天皇方へ連絡されないようにすべきなのです」
「気が進まぬが、致し方ないか。争い事というのは、人の気持ちを踏み躙るものじゃのお」
鳥羽法皇が崩御されてから、わずか一週間後のことです。
夜陰に紛れ上皇と少数の側近は鳥羽田中殿を脱出し、白河の統子内親王の御所に押し入ることになります。
この脱出には、上皇のお子である重仁親王に知らせることもなく、突発的な行動だったようです。
翌日には宇治に隠れ潜んでいた頼長も白河北殿にて合流を果たします。
「とにかく、兵を集めねばなりませぬ」
「集まるのか?」
「六波羅もさほど遠くにはございませんので、北面の武士や、法皇の崩御から日も浅いので、態度を明らかにしてない公卿なども大勢おりますれば、何とでもなりましょう」
しかし、現実はそれほど甘くはなかった。
「頼長、いかほどの軍勢が集まった?」
「武士は今のところ摂関家と関係の深い者だけでございますが、清盛には少々希望がございますれば」
「戦力で劣るのであれば、知恵を集めよ」
「さすれば、戦評定など開きましょうぞ」
数少ない武士の一人、源為義が意見を求められ至極真っ当な献策をするのですが……
「戦力で劣る我々が勝利するには、奇襲しかござらぬ。しかも夜襲を掛けて火を放つのが正しかろうと存ずる」
「それは都に火を放つということか? ちと考えが幼いのう。民を巻き込んだ戦をすれば、たとえ勝てたとしても、次の治世が成り立つとお思いか」
「しかし、正面切っての争いは避けねばなりますまい」
「では、興福寺の僧兵を援軍に寄越してもらおう。そして持久戦ともなれば、民がどちらに非があるか理解してくれよう」
頼長は、自分が謀反人のレッテルを張られているのに、自分が正しいと思い込んでいる様子。
それ故に腰が引けてしまった武士たちも大勢いたことでしょう。
つづく
◆新規掲載の企画 (今日のみ)
9/22まで
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9/14夜まで
9/15まで
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9/20 20時まで メイン企画のための準備企画です
◆最終日までしばらく時間のある企画
9/22まで
9月末日まで
9/30まで
◆最終日までずいぶん時間のある企画
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期間は2024年9月1日から9月21日が終わるまでとします。
以下の注意事項をよくお読みください。
「#ふぉれすとどわあふ」のタグを必ず付けてください。これが付いていない作品は関連作品とは認めません。
タグは上記の太文字のタグをコピペしてお使いください。
小説、エッセイ、詩、音声、映像、その他諸々、形式は問いません。
作品を書かれた方は次のテーマを最低2つ、多くても3つを設定してください。テーマの内容は問いません。メルヘンやファンタジーである必要もありません。テーマの設定がない場合そこでお話は終わるものとします。
終わった話からの続きはないものとします。
どなたの作品のどのテーマを選ばれたのかを本文のどこかに明示してください。
以下は今回の作品群です。
⇧⇧⇧※各詳細は上のマガジンからお読みいただけます。⇧⇧⇧
毎週日曜から始まる Doudoitu de Rennka 100 にご参加いただきありがとうございます。
来週は始まりの日曜が上弦の月、火曜日が中秋の名月となりますので、連歌の形式は変更せず、少しだけ難易度を上げて『月縛り』にしたいと考えています。
『月という文字が入るか、月をイメージさせる文言がある』が条件です。
月の呼び名は、その形や時期によって様々な呼び名があるようです。そういうのを使っての都々逸もレベルが高そうでカッコイイっすよね。
さらに、おはようよねちゃん(おはよねさん)が一年を掛けて取り組まれている『どどいつのほん』にエントリーすることができるようになりました。
仮定のお話しですが、100作品のすべてが素晴らしい出来であれば、そのまま一括りにしてエントリーもというお話しも出ています。
『月縛り』でお創りいただいた都々逸が、たとえ一部の方の作品でも、来年刊行予定の『どどいつのほん』に掲載されることも夢ではないと思ってください。
ここで一つお約束をお願いします。
Doudoitu de Rennka 100 には参加するが、エントリーはしませんと言う方は事前にお申し出ください。事前にお申し出がない限り、自動的にエントリーに了承したものとします。
また、あくまでエントリーであり、『どどいつのほん』に確実に掲載されるわけではありません。ご了承ください。
9/15~18まで 明日からです。
9/21&9/28
9/22のみ
10/2~10/6
10/10~10/21
1曲目は KIRK FRANKLIN の Brighter Day 。
2曲目は TWINCLE CLARK の Awesome 。
3曲目は TRAMAINE HAWKINS の Amazing Grace 。
お気に入りの曲のリクエストやこういう特集を組んでほしいなどがあればコメ欄にお願いします。ジャンルも問いません。
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