暗々裏ってなんやねん『青ブラ文学部』

俺は隣国の皇子なのだが今は囚われの身
誰かが助けに来てくれるのをじっと待つしか術がない
きっと救出作戦が暗々裏のうちに計画されているだろう

皇子
対策はこれからですが
助けに参りましたぞ

おお、早く出してくれ
で、何の対策だ？

例えば皇子の身代わりを用意するとか

ふむ

例えばこちらの建物が崩壊して
皇子が亡くなったように見せかけるとか

ふむ

例えば皇子をお救いするのに
何人の敵に対応しなければならないのかとか

ふむ

例えばどれだけの予算があれば
より確実にお救いできるのかとか

ふむ

最終的には費用対効果も考えねばなりません

なんだそれは

申し上げにくいのですが･･･

さっさと話せ

プランを立てて予算を分捕り
被害を想定して人員を集め
実行に移すわけです

ふむ

そこで問題になるのが
それだけのことをして実行に移す
価値があるのかということです

ん？

お耳の痛いことですな

つまり俺に価値があるかどうかだな？

さすが皇子　ご明察です

それで俺の価値はどうなのだ

それは戻ってからの議論になります

戻ってから？

はい　私は暗々裏に現状を調べるのが仕事でして
それを持ち帰り俎上に上げます

ふむ　それで俺はどうなる？

今しばらくこのままで

なんでやねん
お前は戻れて俺はこのままか？

準備が整っておりませんので

このまま連れ帰ってくれ

そうすると両国の関係が
ますます悪化します

それでもいい

そうはいきません

それでいつ戻ってくる？

それは結論次第です

戻ってくるんだよな

それも結論次第です

俺は助かるのか？

それこそ結論次第です

俺が出るからお前が残れよ

それは論外です

なんでやねん

それでは皇子
またお会いできる日が来ることを
楽しみにしておりますぞ

なんとなく暗々裏に終わる

なんやねんそれ

青ブラ文学部に参加させていただきます
山根さま　よろしくお願いいたします

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