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ミリしら解説【動物ことわざ編】2

一匹の鯨に七浦賑わう

これは何となく意味が分かるだろう。
鯨のような大きな獲物が捕れると多くの漁村が潤うという意味になる。
そのままだ。

同じ意味のことわざに

  • 鯨一本捕れば七里浮かぶ

  • 鯨を突き当つれば七郷浮かぶ

  • 鯨一つ捕れば七浦潤う

があるが、寸分の狂いもなくまったく同じだ。
一つだけでいいじゃんと思うのは私だけだろうか?

ここでいう七浦とはもちろん七つの漁村という意味なのだが、多くのとか周辺のという意味も併せ持つ。

昔の人はいったいいくつから「多くの」とか、「たくさんの」という意味を併せ持つようにしたのだろうか?

例えば八岐大蛇やまたのおろち。歴史上では八つの頭を持つ大蛇と見做されているが、多くの困難を人間にもたらす災いの種と考えた方がよほどスッキリする。
最近では鉱山の近くに端を発する斐伊川が頻繁に氾濫を繰り返し、治水工事に難儀したという説も見受けられるが、八つの頭を持つ大蛇よりは現実的であろう。もちろん浪漫の欠片もなくなってしまうのだが。

話しがあちこちに飛ぶのは許されたい。

このことわざに見る鯨は、最近でも起こっているように湾の中へ迷い込んだ少し弱っている鯨だと思われる。もしくは潮流の関係で死んだ鯨が流れ着いたか。
その身は食料に、油は燃料や灯りに、皮や髭は…………というように大層賑わったであろうことは容易に想像ができる。また、近隣の農業主体の村との穀物との交換、山の民との獣肉との交換など、周辺地域に多大な恩恵をもたらしたであろうことも。

このように海からもたらされる恩恵は、海の向こう (とつくに=外国) からのプレゼントだとして大変喜ばれたそうだ。
また、海で見つかったり、岸へ流れ着いた水死体 (土左衛門) などは、えびすさんとして丁重に扱われたと史実にもある。
このえびすさん、元を糺せば伊邪那岐・伊邪那美に最初に生まれた子 (ヒルコ) になるのだが、残念ながら五体満足ではなかったために葦船に乗せて川 (海) に流されたとされている。
ヒルコは蛭子とも書き、えびすとも読む。
が、この話は今回の話とは大きく逸脱してしまうので、詳しく知りたい方はまたの機会を楽しみに待たれたい。

このことわざで一つだけ気になる点があるとすれば…………。
クジラやシャチ、イルカなどの哺乳類は通常一頭、二頭と数える。一方でどれだけ大きくてもジンベエザメはほかのサメ類と同様に魚類なので一匹、二匹と数える。
だがこのことわざでは一匹の鯨となっている。

ひょっとするとこのことわざができた時代、鯨は魚類に分類されていたのかもしれない。

乙川さま お誕生日おめでとうございます。
まさか同じ誕生日の方がこんなに身近にいらっしゃるとは思いもよりませんでした。まぁ、年齢はずいぶん違うんでしょうけどね。
ステキなお誕生日を!!

Dreams Come True  /  Happy Happy Birthday

賑やかし帯はいつきちゃん。いつもありがと。

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