姪っ子物語 その五
第五章 襲来
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『ミク、聞いてるか?』
『なんの話?』
『莉子がこっちへ来るらしい』
『エッ?』
『やっぱり聞いてないか』
『何しに来るんだろ?』
『俺たちのことだろ』
『娘にいい人獲られるのがイヤだってこと?』
『俺ってモテるんだな』
『冗談言ってる場合?』
『冗談にされちまったか』
『オジサマがモテるのは知ってるつもりよ』
『慰めなくていいんだよ、どうせおっさんだもんな』
『あ~あ拗ねちゃった』
『はは』
『あのねオジサマ、私がオジサマを大好きなのは知ってるわよね』
『だから困ってんだろ』
『私はオジサマを困らせてるのね』
『そう言えるかもな』
『私が母さんと対決すればいい?』
『そこは俺が出ないとな』
『じゃあ拗ねてないでしっかりしてください』
『そうだな。さてどう攻めるか、どう守るか』
『母さんの出方次第じゃないの?』
『当たって砕けろってか』
『砕けちゃダメでしょ』
『行き当たりばったりだな』
『逃げちゃう?』
『一生か?』
『そうよね』
『とりあえず実物に会ってくるわ』
『頑張って』
『何を?』
『えっとぉ………とにかく頑張って』
『適当なヤツ』
『でも応援してるから』
『分かったよ』
数時間後の京都駅。
『えっとあんたが莉子かい?』
『アニキなの?』
『血は争えねぇなぁ』
『ミクに似てる?』
『おっぱいがな』
『見たの?』
『いやまだだ』
『じゃあどうしてわかんのよ』
『膨らみ具合とか、広がり具合とか、離れ具合とかな』
『下着で大きく変わるわよ』
『なんとなくな』
『プロ?』
『そんなのあんのか?』
『それよりミクでは不満なの?』
『どうして?』
『おっぱいすら見てないって。アニキが何やってんの?』
『俺の何を知ってんだ? ってか大事にしてんだよ』
『ひょっとしてできないとか?』
『一応現役だぜ』
『私とならできる?』
『以前ならな』
『今は無理ってこと? やっぱり不能?』
『オメエ義理の母親だぜ』
『義母と息子のAVなんてたくさんあるんじゃないの?』
『俺とオメエでAVに出るのか?』
『それほどありふれてるってことでしょ?』
『逆に珍しいから題材になるのかもしれねぇぞ』
『そうかもね』
『それで今回は何の用だ? 今まで長いことSNSでやり取りしてたけど顔見せるなんざ尋常じゃねぇな』
『アニキがどんな人か見極めようと思ってね』
『実物を確かめないと不安だってことだな』
『娘の夫になるんだから当然でしょ』
『そりゃそうだ』
『それにきっかけは私だしね』
『それで俺は合格かい? 母ちゃん』
『母ちゃんはやめてよ。それにまだ逢ったばかりじゃないの』
『そうだな。質問攻めも受け入れるよ』
『とにかくお茶でも飲もうよ。それともホテル行く?』
『今回のところはお茶にしようぜお袋』
『お袋もやだなぁ』
『なんて呼んで欲しいんだよ』
『莉子』
『仮にも義理の母ちゃんを呼び捨てには出来ねぇだろ』
『じゃあ莉子さん?』
『善処するわ』
『いい心掛けね』
『ミクにも言われてんだ』
『なんて?』
『オメエ呼ばわりすんなって』
『そりゃそうよね、ちゃんと名前があるんだもの』
『オメエもその口かぁ』
『オメエって言った』
『やっぱ親子だなぁ』
『ん?』
『ミクとまったく同じだよ』
『私のことオメエって言うのもアニキだけだよ』
『オメエって評判悪いんだな』
『使う方は便利でも言われる方は気分良くないわよ』
『なるほどなぁ』
『それでミクとは上手くやってんの?』
『俺が若いお嬢を前にアタフタしてる感じだな』
『笑えるわね』
『自分でもそう思うな』
『なんとか続きそう?』
『そうしたいと思ってる』
『わがままな娘だけど任せてもいい?』
『誰に似たんだよ』
『私しかいないでしょ』
『自信満々だな』
『親子ですからね』
『俺がミクと一緒になったらこのタメ語もやめなくちゃな』
『どうして?』
『普通そんなもんだろ』
『私は構わないよ』
『親父さまには敬語とまではいかなくても尊敬の念を込めて話すつもりだぜ』
『それでいいんじゃない、あの人も喜ぶと思うよ』
『で、隣にいるだろうオメエにタメ語は違和感ありありだろ』
『色々面倒ね』
『だなぁ』
『いっそのこと私と逃げる?』
『オメエら親子だわぁ』
『何笑ってんのよ』
『オメエが来ると聞いてミクも逃げる?って聞いたよ』
『笑えないわぁ』
クラシックかジャズが静かに流れる純喫茶。
思い当たる節はあるが店名は控えよう。
『それでアニキ、私を抱く気にはならない?』
『ならねぇなぁ』
『魅力がない?』
『そうじゃねぇ』
『なんか理由があるの?』
『昔の話だが、一緒に飲みに行ったり遊びに行ったりする仲のいい女性がいた』
『うん』
『その女性には彼氏がいたんだ』
『うん』
『ある日、彼氏と何かあったのか、一緒に飲んでたらべろんべろんになっちまってな』
『それで』
『送れっていうから、家も知らないのに何とか本人に聞きだして家まで送ったんだ』
『酔っ払いに手を出したの?』
『話は最後まで聞け』
『はい』
『一人じゃ歩けねぇって言うからマンションの部屋までほとんど抱えるように連れてって、鍵はって聞くとバッグの中っていいやがんの』
『ハハハ』
『結局バッグを漁って部屋の鍵も俺が明けて、ベッドに寝かしたんだ』
『それで帰ったの?』
『それがなぁ帰るなってさ、朝までここにいろって』
『その通りにした?』
『あぁ、さらに不幸は続くのさ』
『何が起こるのよ』
『パジャマに着替えるから手伝えって言われて』
『服脱がせたの?』
『パンツ以外はすべてな』
『立たなかったの?』
『記憶にねぇが多分そうだろ。こっちも結構飲んでたからな』
『それで?』
『パジャマを着せて寝かしつけたんだ』
『…………』
『今度は腕枕しろってさ』
『えぇ?』
『仕方ねぇからやってやった』
『腕枕よね?』
『当たり前だろ』
『それで』
『抱いてもいいよって言いやがったから酔っ払いとできるかよって』
『据え膳は食わないのね』
『スヤスヤと寝てくれたよ』
『朝までそのまま?』
『ずっと彼女を見てたよ』
『それだけ?』
『あぁ。朝になって彼女が目覚め、恥ずかしそうに微笑んで昨日ゴメンね、ありがとって言ったんだ。報われた気がしたよ』
『ふ~ん』
『俺は彼女がスキだったよ。でも彼女には彼氏がいて、何があったのか知らねぇけどひと時の捌け口が欲しかったんだろうな。でもあの時思ったんだ。人のモノに手をだしゃ不幸になるヤツがいるってな』
『なるほど』
『オメエにもおやじ様がいるよな』
『夫ってこと?』
『ましてやミクの親だ。手は出せねぇ』
『分かったわよ。でも私の前で油断するんじゃないわよ』
『襲うってか?』
『かもしれないわね』
『厄介なヤツと知り合ったもんだぜ』
コーヒーを飲みながら静かな時間が流れる。
『あぁ緊張した。こんな話し苦手なんだよね』
『俺だってそうさ』
『まして相手がアニキだからさ、肩凝っちゃった』
『それだけデカいのが引っ付いてりゃな』
『肩揉んでくれる?』
『莉子さんの指示とあらばそれぐらいはサービスするぜ』
『アニキの好きなモノがすぐ目の前にあるわよ』
『うっかり手が滑ったりしてな』
『それは有りなの?』
『事故だよ事故』
『都合がいいのね』
『仕方ねぇだろ』
『事故なら…………』
『怖えな』
『娘に手を出さないのもそれ?』
『違う。親が納得してねぇからだ』
『それだけ?』
『普通の娘っ子だったらもうやってるよ』
『このまま納得しなかったら?』
『粘り強く行くしかねぇな。どっかで既成事実ってヤツに踏み込むかもしれねぇけどな』
『結局認めるしかないのね』
『そうあってほしいと思ってるよ』
『私の負けかな』
『ありがてぇ』
『でも油断はしないようにね』
『それは続くんだな』
『当然でしょ』
『親の言葉とは思えねぇなぁ』
『アニキの妹でもあるんだけどな』
『妹の言葉でもアウトだろ』
『そうかなぁ』
『バーチャルとリアルを混ぜんじゃねぇや』
『ところでミクは?』
『家にいるぜ』
『呼び出して、一緒にご飯しようよ』
『あぁ』
『ミク、莉子さんの了解はもらえたぜ』
『莉子さん?』
『私のことはこう呼べってさ』
『ホントに了解もらえたの?』
『ホントだよ』
『あとは父さん?』
『あの人のことは私に任せてくれればいい。私がOKなら絶対反対しないから』
『ホッとしたぁ』
『俺は油断できないそうだがな』
『どういうこと?』
『油断すれば襲われるそうだ』
『誰に?』
『莉子さん』
『それが条件?』
『条件ってこともねぇが、莉子さんも俺に興味があるみたいだぞ』
『いっそのことそちらの二人で先にやっちゃう?』
『コイツ根性あんだろ?』
『コイツって言った』
『ん?』
『あっいいのか? 間違っちゃった。ん? 良くないのか?』
『オメエなぁ』
『あっオメエって言った』
『声揃えなくてもいいだろ。面倒な親子だぜまったく』
次はいよいよ感動?の最終話らしいぜ
Sister Act 2 / Oh Happy Day
ほぼ今と一緒だから多分変わりない。
こちらのお三方は、ほぼ毎日複数の記事を投稿されています。
納得の結果?かもしれませんね。