アイコンがハロウィン仕様に替わりました
今朝の京都は半分曇り空です。1日を通しては晴れ時々曇りの予報です。午前7時の気温は14℃。日中は23℃予報です。
日々の鍛錬を重ねている方と、日々何もしていない者の差が、性別に関係なくこんな形で突きつけられるなんて、ちょっとショックだな。
置いていかれないように頑張らないとな。
「船岡山といえば、有名なお狐はんのお話しがおましたなぁ」
「私は知らないんですけれど、どんなお話か教えていただけますか?」
「確か、船岡山の麓に住む善良な白狐の老夫婦が、世のため人のために尽くしたいと願い、稲荷山に参詣するんどす。ほんでお稲荷さんのご託宣を賜り、こっちに引っ越して、世のため人のために尽くしたゆうことやったと思います」
「なるほど、稲荷神社と狐とは深い縁が感じられますね。それにしても、私でも交通機関を使って来ているのに、狐の姿で北の端から南の端って大変だったでしょうね」
「ほんまどすなぁ」
歩くスピードが速いせいか、次のポイント熊鷹社に到着した。
まずは参拝しなきゃな。
少し疲れてはいるけれど、まだ余裕だ。
この調子でゴールを目指すぞ。
「ここの裏の池の話は知ってはりますか?」
「いえ知りません」
「裏の池で手を叩くと、願い事がいつ頃叶うかが分かりますのや」
「そうなんですね」
「なんぞ願い事はございますの?」
「それが特にないんですよ」
「欲がおへんのやねぇ」
「それでも試してみたいですね」
「ほなやってみまひょか」
熊取社から右手の方へ移動していくと難切り不動尊がある。
その横から池の中央に向かって二回拍手する。
すると拍手の谺が帰ってくる。
「ほんまは新池といいますのやけど、いつの頃からか谺ヶ池とも呼ばれてますのや」
「二回拍手すればいいのですか?」
「そうどす。やってみなはれ」
谺の帰ってくる方角や速さ、反響する音の大きさなどによって願いが叶うかどうかを判断する。
谺が素早く帰ってきたら願いが叶う日が近い。
なかなか帰ってこなければ願いが叶うのは先になるということらしい。
とにかくチャレンジだ、二回拍手してみよう。
「えろう早うコダマが帰ってきましたなぁ」
「何が叶うんでしょうねぇ」
「願い事してへんのやから、叶いまへんやろ」
「残念なことしたなぁ」
「ほんまどすなぁ」
いつの頃からか、谺が早く帰ってくれば願いが叶うということになっているようだが、本来は谺の帰ってきた方向に、行方不明の人を探す手懸りが掴めるという言い伝えによる。
三ツ辻を通り、ようやく四ツ辻に着いた。
「今日は天気もよろしおすし、京都の街がキレイに見えますやろ」
「そうですね」
「ここからの夜景もキレイなんどすけどなぁ。ちょっとあんさん、大丈夫どすか?」
「冬なのに少し汗かいてます。風が気持ちいいですね」
「ちょっと一息入れなはれ」
「そうですね。どうぞお先に」
「いえいえ、助け合うてお山巡りするのも醍醐味ですがな。ご迷惑どすか?」
「そんなことはありません。一人で巡るより道連れがいてくれた方が歩みも捗ります。でも日課のお邪魔になるのじゃないかなと」
「そんなことはかましまへん。うちもご一緒できるのが嬉しいんどす」
「それでは少し休憩させてもらってから、ご一緒にお山巡りしましょうか」
山道にはそれなりに自信 (裏付けはない) があったけれど、石段の幅や高さがバラバラで勾配のキツい所 (下りの方が足にくる) もあり、かなり呼吸は荒いが彼女の手前、無様なところは見せられない。
最早風景を見たり、落ち着いてそれぞれの社にお参りするどころではない。
本末転倒だとは分かっているのだが……。
四ツ辻から三ノ峰を通り間ノ峰へ。
間ノ峰に荷田社がある。
本殿後ろの権殿近くにも荷田社があるが、こちらはお山の中の荷田社だ。
ここには珍しい鳥居がある。
奴禰鳥居と呼ばれ、日本中でもわずか二基しかない超レアな鳥居だ。一つはここ稲荷山に、もう一つは京都の繁華街・新京極の錦天満宮の中にある。
さらにニノ峰から一ノ峰で頂上を極め、御劔社に到着。
ここにはどちらも注連縄の張られた劔石と雷石がある。
その昔、雷石に雷を閉じ込めたという逸話がある。
すぐ側には薬力社がある。
少し降って眼力社を通り四ツ辻に戻る。
ここまで来ると、ようやくゴールを感じられるようになってきた。
ホントは清滝や荒神峰にも行きたかったのだが、今回はもう限界、もう一度来なけりゃならないな。
三ツ辻で左に曲がらず、そのまま真っ直ぐ下っていくと、この辺りから民家が徐々に増えてくる。
道を間違ったかと思われがちらしいのだが、その先にお産場稲荷があれば正解だ。
この通りを裏参道というらしい。ここは安産や子宝にご利益があるということで、私には関係ないと思っていたら、
「おサンバと聞くと何を思い浮かべますやろか」
「やはり出産のお手伝いをしてくださる産婆さんですかね」
「そうなりますやろなぁ」
「違うんですか?」
「ここは産婆やのうて産場なんどす」
「あっホントだ、気が付きませんでした」
「お狐さんのご夫婦がここでお子たちを産まはって、育てはった場所なんどす」
などと話していると、
「下まで降りてきましたね。ありがとうございました。疲れましたが、お陰様で楽しくお山巡りができました」
「こちらこそおおきに。もう少しでうちに着きますさかい、少し休んでいきなはれ」
「いえいえそんなに甘えられませんよ」
「この後なんかご予定がおありですの?」
「いえ、特にありませんが、初めてお会いした方のご自宅に伺うなんて、そんな厚かましいことできませんよ」
「うちが誘てんのやし遠慮は無用どす。それに表が店で裏が住居どすし、結構人の出入りもありますのや」
「では少しだけお邪魔させていただきます。その前に、この辺りでコーヒーの美味しいお店はありませんか?」
「コーヒーどすか?」
「大好きなんですよ、今はちょうど喉も乾いていますから、いつも以上に美味しいんじゃないかと」
「コーヒーやったら、お店なんかに行かんでも、うちが入れて差し上げまひょ」
「それは嬉しいですけれど、お手間を取らせるわけには」
「うちは、全然かましまへん。そやけど、そんなんでよろしおすのん?」
「とっても贅沢ですよ」
「それではとっておきのコーヒーを淹れて差し上げまひょ」
「楽しみです」
それほど広くはなさそうだが、キレイに掃除の行き届いたお宅に案内された。表がお店で人の出入りも多いということだったがとても静かだ。
「元々うちの近所に荼枳尼天が祀られた真言寺院・愛染寺がありましたんや。明治政府の神仏分離で廃寺になりましたんやけどなぁ」
「そうなんですね」
「荼枳尼天はご存じどすか?」
「稲荷神と神仏習合した仏様ですよね。知ってるのはその程度です」
「うちは荼枳尼天に興味を持ちましてなぁ、色々調べましたんや。ちょっと聞いてもらえますやろか」
「喜んで。そういうお話は大好物なんですよ」
「そやけど、まずはコーヒーどすなぁ」
「ありがとうございます!」
コーヒーを淹れる手を休めずに彼女は話し始めた。
つづく
◆新規掲載の企画 (紹介は初日のみ)
11/13まで
2025/1/31まで
◆近々最終日を迎える企画 (今日+7日)
10/31まで 本日最終日です。
10/31 23:59まで 本日最終日です。
10/31まで 本日最終日です。
10/31 20:00まで 本日最終日です。
10/31まで 本日最終日です。
10/31まで 本日最終日です。
10/31まで 本日最終日です。
10/31まで 本日最終日です。
11/2夜まで
11/3まで 朗読者と作品の募集
◆最終日までしばらく時間のある企画 (今日+30日)
11/10までと、11/17まで
11/13まで
11/30まで
◆最終日までずいぶん時間のある企画 (今日+30日以上)
12/22まで
2025/1/31まで
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◆期限なし企画が新しい順に並んでいます。
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11/15で削除します。
11/8で削除します。
開催日程:10/27 0:00 ~ 10/31 23:59 まで
【都々逸】会場
都々逸会場にご投稿いただいた方々の作品です
【俳句&短歌】会場 本日最終日
【川柳】会場 本日最終日
【連句】会場 本日最終日
他会場へもご参加ください
11/8 22:00~
11/16 22:10~
1曲目は 東京スカパラダイスオーケストラ の Ska Fandango! 。
2曲目は ONE OK ROCK の DYSTOPIA 。
3曲目は GLIM SPANKY の 赤い轍 。
4曲目は 加藤ミリヤ ✕ 椎名林檎 の 愛楽 。
リクエストの受付は終了しました。
今日で10月は終わりますので、オビ小説はこれで終わりとなりますが、その他については11/2で365日になりますので、その日まで継続されます。
それ以降は個人企画の紹介のみとなります。ご了承ください。
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