擬似人物図鑑「小学校を見つめる女」

　これは yamane さまとの間に密かに進行している企画のようなものです

　内容は通り掛かった見ず知らずの実在の人物を目視で分析し、どういう人となりの方なのか、どこからきてどこへ行こうとしているのかなどを空想で書くというものです

　詳しくは下記参照してください
　この記事を読ませていただいてコメ欄で私が勝手に「擬似人物図鑑」と名付けました
　yamane さまも面白いといっていただいたのでそのまま２人で人知れずそっと始めているのです
　といってもまだ全然進んではいません
　yamane さまはすでに数人の疑似人物図鑑を作られています
　私は今回が初めてなんです

　先日、家の近くにある小学校の前を通り掛かった時のこと
　道路脇に佇みじっと小学校の校庭を見つめるご婦人がいた

　ご婦人といってもお若い方だ
　ひょっとすると独身かもしれないが、歳の頃なら30代半ばというところか
Gパンにスニーカー、白っぽい半コートを着て、手には大きな荷物を抱えているといういでたち
　便宜上ご婦人と呼ぶことにしよう

　その場に校門や出入りできそうな扉もないのに何をしてるんだろうと訝しく思った

　とてもそんな風には見えないが小学校や小学生に良からぬことを考えているのではあるまいな

　誘拐犯？　爆弾魔？　テロリスト？

　ひょっとすると事故でお子様を亡くし、生きていればこの春からこの小学校に通ってたのになぁと感傷に浸ってるのかもしれない

　ひょっとして離婚して親権を元夫に持っていかれて、我が子を遠くからでも見られないかと思っているのかもしれない

　ひょっとすると子供が大きくなってしまい可愛かった頃のことを懐かしんでいるのかもしれない

　ひょっとしたら最近亡くしたお子さんの代わりになってくれるようなお子さんがいないか探しているのかもしれない

　ひょっとしてこの校庭にお宝が眠っているという古文書を手に入れたのかもしれない

　何が正解かは分からないが、声を掛けるわけにはいかない
　だから、ご婦人を横目で見ながらすぐ横を通り過ぎた

　しばらく歩いていると横をマイクロバスが通り過ぎた
　何気に振り返った私は疑問が氷解する瞬間をこの目で見た

　そこが子供園のバスのお迎えの場所であったのだ
　ご婦人は単にお子さんの帰りを待っていただけだった

　私の妄想は終わりを告げた

この企画の決まりは一つだけ「#疑似人物図鑑」と付けていただくことだけです。
あとは妄想の世界を築いていただければいいのです。
今のところ期限も設けていません。
良ければ遊んでみてくださいませ。

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