
それ欲しいんだけど
『あんたは相棒よね?』
『同僚だろ?』
『バディじゃないの?』
『運命共同体みたいに言っても一緒だよ』
『だってニコイチじゃん』
『同じプロジェクトチームだからな』
『相方になろうよ』
『なんでだよ』
『あんたとカップルになりたいんだよ』
『意味合いが代わってるぞ』
『そんなこといいじゃん』
『イヤ良くないだろ。それに彼女いるし』
『エッそうなの? どんな人?』
『もうずいぶん長く付き合ってるよ』
『たまには新しいの食べたくない?』
『何言ってんだぁ』
『それに私見ちゃったんだよね』
『何見たんだよ』
『あんたのむき出しの下半身』
『いつ見たんだよ』
『この前、偶然にね』
『そんなタイミングあったっけ?』
『私も驚いたわよ』
『そりゃ悪かったな』
『違うわよ 近くにいいモノがあるじゃんってね』
『なんのはなしですか?』
『美味しそうって話よ』
『だから彼女が…………』
『時々でいいからお裾分けをって彼女に頼もうか?』
『本気か?』
『冗談だと思った?』
『んなわけないよな』
『だからお試しってことでどう?』
『浮気のススメってか?』
『マジでもいいわよ』
『彼女に話してみるよ』
『あんたバカ?』
『なんだよいきなり』
『彼女に話してウンと言うはずないじゃん』
『さっき彼女に頼もうかって?』
『私とあなたでは意味合いが全然違うって分かんない?』
『まぁそうだよな』
『彼女とはどれくらいの頻度でやってんの?』
『時々かな?』
『具体的には?』
『週に2~3回』
『それ時々とは言わないわよ』
『生理の日以外は毎日のように迫られるんだ』
『それを週2~3回まで引き延ばしてるってことね』
『そういうこと 結構苦労してるんだぜ』
『それだけいいモノだってことだわね』
『そんなに食いたいのか?』
『何度も言うけど美味しそうなんだもん』
『腹減ってるのか?』
『もう少し下が空腹でご無沙汰なの』
『俺のってそんなにいいモノなのか?』
『男同士って比べたりしないの?』
『女同士は比べるのか?』
『う~ん、あんまりしないわね』
『だろ?』
『確かなことは私の知る限りいいモノだわ』
『サンプル数はどれくらいなんだ?』
『そんなこと言えるわけないでしょ』
『それで食指が動いたと?』
『食べさせてくれるの?』
『機会があればってことにしておこうか』
『なんなのそれ?』
『そのままだよ』
『ヘビの絞め殺し的な?』
『それを言うならヘビの生殺し』
『それ的な?』
『君の意図は分かったけど、こっちの腹が決まらん』
『なんなら今から部屋来る?』
『腹を括れって?』
『こっちは遊びでいいからさ』
『ずいぶん寛大だな』
『そうでしょ?』
『ところでどこに住んでんだっけ?』
『あなたの家の向かいのマンション』
『エッ?』
『私の部屋からあなたの家が良く見えるの』
『いつから?』
『1か月前くらいかな』
『それから覗いてた?』
『偶然だけどね』
『それで下半身を見た?』
『お風呂上りなのかなぁ』
『一度じゃないんだ?』
『へへへ』
『それって…………』
『ストーカーって言うんだよね』
『そんなに明るく言われても』
『ストーカーじゃダメ?』
『イイとかダメとかの話じゃないよね』
『じゃあ今度あなたが部屋にいる時に行くわ』
『それは困る』
『いない時に忍び込む方がいいの?』
『それも困る』
『じゃあやっぱりうちに来る?』
『いい加減にしてくれ』
『どうして?』
『どうしてって…………』
『私はそれが食べたいだけなの』
『もう止めてくれないか』
『どうして?』
『わかった君の希望に応じるよ』
『嬉しいわ』
『ただし一度だけだ』
『一度だけ?』
『そうだ』
『それは勿体ないわ』
『勿体ないかどうかは試さないと分かんないだろ』
『それもそうね』
『だけど一度だけだ』
『それはそのあとの話にしましょ』
『いや一度だけだ』
『たった一度で私の虜にしなきゃならないのね』
『そうはならないと思うけどな』
『私の努力が実を結ぶ鍵ね』
『2度目が欲しいなら切って持ってけ』
『それはダメよ』
『これだけが欲しいんだろ?』
『活きたこれがね』
『俺も込みか』
『当然でしょ』
『とんでもないヤツに見込まれちゃったな』
『後悔はさせないわよ』
『それが怖いんだよ』
『ビビってんの?』
『当たり前だろ』
『どうして?』
『俺のが食いたいって言い続ける女なんて怖すぎるだろ』
『言い方変えようか?』
『そういう問題じゃないよ』
『私は活きのいいのを食べられればいいから』
『そんなにずっとギンギンなわけじゃないぞ』
『知ってるわよそんなこと。立て直す方法もね』
『怖いわ』
『若いんだから何度だって大丈夫でしょ?』
『一度だけだって』
『一度ってどこからどこまで?』
『そりゃ一度果てるまでだろ』
『果てさせなきゃいいわけね』
『そんなことができるのか?』
『激しい動きをスローにしたり』
『そんなこと?』
『動きをピタッと止めちゃったりね』
『そんなことを繰り返すのか?』
『そう、朝から夜までね』
『そんなに長く我慢はできないと思うぞ』
『それは女次第じゃないの?』
『そんなに簡単なことなのか?』
『それで最後はあなたが大量に出しちゃって』
『生々しいぞ』
『あなたはゲッソリしてるって感じ』
『想像するだけでスゴイな』
『俗にいう太陽が黄色く見えるってこういうことね』
『遠慮した方がよさそうだ』
『それはダメよ』
『拒否権はないのか?』
『男が廃るわよ』
『廃るほどの男を持ち合わせてないけどな』
『早撃ちの称号が広まるのも困るでしょ?』
『確かに廃るな』
『でしょ?』
『だけど俺が君とやったってことにならないか?』
『噂の広め方なんていっぱいあるわよ』
『八方塞がりか?』
『私のモノになる?』
『キチンと彼女と別れてくるわ』
『毎日のようにあなたに迫るのよね?』
『そうだけど』
『そんな彼女が簡単に別れてくれると思う?』
『難しいかな?』
『間違いなく刺されるわね』
『まさかそこまでしないだろ』
『じゃなかったら私が刺されるかも』
『それはもっとないだろ?』
『女を知らないのね』
『付き合ったことも寝たこともあるぞ』
『やっぱり私が欲しいモノだけの男なのね』
『どういうことだよ』
『女心が分かってないってことよ』
『俺は下半身だけの男ってことか?』
『そうとも言えるわね』
『喜んでたのになぁ』
『それはモノがいいからでしょ』
『男としては魅力がないってか』
『そのモノも男の証だけどね』
『慰めてくれなくてもいいよ』
『いい男でいてほしいのよ』
『そういうことか』
『彼女なら当然でしょ』
『サラッと言うなよ』
『ちょっと早かったかな?』
『で どうすればいい?』
『それを私に聞く?』
『そうだよな』
『私を彼女にするなら教えてあげるわよ』
『まずは今の彼女と別れてからだ』
『その方法も教えようか?』
『そこまで世話になるのもなぁ』
『じゃあ自分で頑張りなさいよ』
『少しヒントくれないか』
『甘えん坊さんねぇ』
『少しでいいから』
『私に食べさせてくれるのね?』
『それはもう腹を括った』
『先にいただいてもいい?』
『それはマズいだろ』
『一度に二人と付き合うのはマズいの?』
『それは不倫じゃないのか?』
『結婚してるの?』
『なんでそうなるんだ?』
『不倫は婚姻関係にあるのが前提なの』
『じゃあ何と言うんだ』
『一般的には浮気ね』
『結婚してても浮気ってあるじゃん』
『浮気は両方の場合で使えるのよ』
『それは便利だな』
『変な感心の仕方ね』
『知らなかったからな』
『素直でよろしい』
『で、どうすればいいんだ?』
『例えば私とやってるところを彼女に見せるとか』
『それは信義に悖るだろ』
『それくらいのことをしないとダメだと思うわよ』
『普通に話すのではだめなのか』
『彼女が泣いて話は中途半端に終わるわね』
『う~ん、ありそうだな』
『話し合いがいいなら手もあるわよ』
『聞かせてくれ』
『あなたは彼女と話す』
『それで』
『私があなたのを咥える』
『さっきのとどう違う』
『あなたは彼女と話してる』
『だけど』
『あなたは私と寝てない』
『でも口に含んでるんだよな』
『チュパチュパって音させてね』
『必要なのか?』
『お前以外に女がいるぞって見せることが大事なのよ』
『君が俺の横に座ってるだけでよくないか?』
『それじゃあ私がつまんないわ』
『おいおい』
『私は彼女と別れても別れなくてもいいのよ』
『そこへ戻るのか?』
『じゃあ刺されてくれば?』
『そんなこと言うな』
『戻ってくれば看病してあげるわよ』
『優しいんだな』
『でもちょん切られたらお別れね』
『冷たいんだな』
『食べられないのに看病する必要ないでしょ』
『食べることが第一義なんだな』
『当然でしょ』
『この際だからお任せしようか』
『ホントに腹括ったのね』
『あぁ』
『それでどっちがいいの?』
『どっちとは?』
『下の口か上の口か』
『下はさすがにインパクト強すぎだろ』
『その方が効果的だと思うけどね』
『君も脱ぐんだよ?』
『私は全然OKよ』
『いきなり刺されたら抵抗できないよ』
『じゃああなたが上ね』
『だから座ってる状態の方がいいのでは?』
『座位がお好み?』
『じゃなくて』
『上のお口でしてってことね』
『リアルな表現』
『でいつやるの? 私は今からでもいいわよ』
『彼女来てないし』
『別にいいわよ』
『彼女と別れるためにするんだろ?』
『それは口実ね』
『話がおかしくなってるぞ』
『じゃあ笑えば?』
『そうじゃなくて』
『冗談よ』
『理解できんわ』
『センスないわね』
『そういう問題か?』
『毎日のようにやってんなら電話してみれば?』
『そうだな』
『あぁ俺』
『珍しいわね、どうしたの?』
『今から会える?』
『ちょっと時間かかるけどいいわよ』
『忙しいなら違う日でもいいよ』
『ううんいいの それでどこに行けばいいの?』
『俺んち』
『わかった。3時間後でいい?』
『じゃあ3時間後に』
『俺んちにしたけど良かったかなぁ?』
『私はOKよ。見慣れた部屋だし』
『じゃあ急いで帰ろうか』
『3時間あるならどれくらい保つかやっとく?』
『どうして?』
『彼女が来てから始めるのって変でしょ?』
『確かに』
『ということは事前に始める必要があるってことよね』
『そうだな』
『で、彼女が来た時に果ててましたじゃ話しにならないでしょ』
『う、うん』
『一度出したら二度目はもう少し保つんでしょ?』
『彼女が部屋に入ってきたらパクッでいいんじゃないの』
『それじゃ私が楽しめないわ』
『そこかよ』
『じゃあランスルーからドライやって本番てことでいい?』
『そんなに』
『時間タイトでケツカッチンだから始めようか』
『お風呂とかは?』
『ササッとシャワー浴びてくれば?』
『それでいいの?』
『なんなら洗ってあげようか?』
『自分でやります』
『早くしようか』
『まだ時間あるよ』
『私のお楽しみ時間が短くなるの』
そして何度かのテストという名の実地訓練が終わった頃。
『ねぇ玄関に女性の靴があったけど誰か来てるの?』
『あぁ』
『あなた何やってるの? それ私のよ』
(いや俺んだけど)
『今日から私のモノになったのよ』
(だから俺んだけど)
チュパチュパと音をさせながら頭が上下している。
その度にいきり立ったモノが見え隠れする。
『こんなの見せてどういうことなの?』
『新しい彼女ができたんだ』
『私はお払い箱ってこと?』
『そうしたいなって思ってる』
『そうはさせないわよ』
『手荒なことはやめような』
『私も混ぜてよ』
『おっとそうきたか』
『いいわよ いらっしゃい』
『刺激的な展開になったな』
『これで共有ってことね』
(いや俺んだってば)
『女同士の経験は?』
『ないわ』
『後で試してみる?』
『それもいいわね』
『集中しろよ』
『あんたの意見は聞いてないわよ』
『これは極楽だな』
『溺れなさい』
『そう自分から欲しがりなさい』
『おぉ~、やべぇ ダメだぁ~』
FINISH
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ROTEM / Christmas Eve
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真夜中 だって静かでしょ?