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幼少期の将来の夢、絵本作家【イラストレーター私録】

幼い頃の将来の夢が叶っている人は、どれくらいいるのだろう。

その頃の夢を実現できたからめちゃくちゃ偉いということは特にないと思うが、私はできれば叶えたいと思っている。


「将来の夢は絵本作家」と言い出したのは、小学2年生の時だったと記憶している。

ちなみに私は幼い頃、大人になったらどんなものにでもなれると思っていて、
幼稚園の頃はうさぎになりたいと言っていた。

そんな「どんなものにでもなれる権利」を、「絵本作家」に使おうとしていたのは、普通に絵が好きだったからだ。

お絵かきに夢中だった時に、母親に「絵本作家という職業がある」などと教えてもらった気がする。

画家や漫画家との区別がその時ついていたかは分からないが、それらになりたいと思ったことはない。

幼いながらに、「絵本の世界」に憧れがあったと記憶している。



絵本の世界


ほとんどの人が、幼少期はある程度絵本を読んでいるものだと思っていた。

自分は他の子よりも熱心に絵本を楽しんでいたのかもしれないと気づいたのは、割と最近のことだ。

幼稚園の頃、毎月『こどものとも』という薄い冊子状の絵本が配布されていた。

実家に全て残されていたのだが、久しぶりに見て、私は3年分全ての絵本の表紙から懐かしさを感じた。
多分どれも何度も熱心に読んでいたのだと思う。

ところが、3つ下の弟がもらってきた分は、ひとつも記憶になかった。
弟の分は、もらってきてすぐに本棚にしまいこまれてしまっていたようだ。


絵本にのめりこんでいた理由のひとつとして、その絵本の世界に入り込むのが楽しかった、ということがある。

小さい頃は、絵本のページは今よりずっと大きく見えた。
ページを広げると、視界の端から端まで絵本で埋まって、没入感にも似た感覚があった。
(と大人になってから思った。)

大人になった今絵本を開いてみると、今よりもずっと俯瞰して見えてしまう。
あの頃の感覚を思い出して、戻りたくなる。


そんな絵本の世界に憧れて、幼い頃の私は絵本を作り始めた。



子供の頃に作った絵本たち


大人になった今では絶対できないのだが、子供の頃は絵本を作ろうとすると自然と物語が湧いて出てきた。
絵本を読むかのように、1ページ目から順番に、オチも自分で知らないまま描いていた。

子供の頃などそんなものなのかもしれないが、あの頃の自分が羨ましい。

ここに当時の作品たちを少し紹介してみようと思う。


◯『おはなのえほん』

記憶の中では1番最初に描いた絵本。
春になると庭にパンジーやチューリップを植えていたので、それを見ながら庭で描いていた記憶がある。

6ページほどしかないがリメイクしたいと思っているくらい、いい感じの出来。


◯『ねずみのミッキー・ペッチー』シリーズ

何度も作ったシリーズ作品。
『ねずみのミッキー』が出てくるが、ミッキーマウスとは何の関係もない。(同姓同名みたいなもの。)

季節の行事に合わせて描いたものが多く、自分の生活とリンクしているところもある。

残っていたものは15作品


◯『森のみんなのおえかき』

林明子さんの『まほうのえのぐ』の表紙だけ見て影響を受けて作った作品。
森でお絵かきをすることへの憧れが出ている。

ほとんどの作品は裏紙かコピー用紙を貼り合わせて作っているが、こちらは唯一厚めの紙で綴じてある。


今でもある、絵本への憧れ


「将来の夢は絵本作家」というのは、中学生くらいまでずっと言っていた。

成長するにつれて、絵本作家という職業に現実味が湧かなくなっていった。
会社員などとは少し違うのだと気付いていった。

だが、イラストをやりだした今、絵本作家とまではいかずとも
絵本を作って売る、という夢は再び現実味を帯び出している。

今はZINEの形にして自由に販売することもできる。
自分の絵を絵本の形にするということが、大人になった私の夢のひとつだ。

常々展示に追われて、なかなか進みが遅いのだが…

幼い私の喜ぶ姿を想像して、いつか必ず実現しようと思っている。


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