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コンペに初めて出した時、イラストレーターの世界を見た気がした。【イラストレーター拡大録】

イラストレーションのコンペティションの存在を知ったのは、自分がイラストレーションをやるようになって、ネットで様々な情報を集めていた時だった。

「良いイラストレーション」の正解なんてないのだろうが、コンペで受賞している作品は、素人の私にはどれも華があるように見えた。

今回は私が参考にしたコンペのことと、初めてコンペに出した時のことを書こうと思う。



イラストレーションの参考になったコンペ

コンペをよく調べることになったきっかけは、出品することではなかったように思う。

評価されるイラストとはどのようなものか、
「良いイラストレーション」とはどのようなものなのか、知らずに制作するのは難しい。

なので評価されている作品を知るために調べ始めた。


コンペの結果や受賞作品は大抵の場合サイトに掲載されている。
見れるのは受賞作品だけではない。審査員のコメントなども掲載されていることが多い。

初期の頃、あらゆるコンペの審査員コメントを何度も見返していた。
色々な発見があり、どんなイラストレーターがアツいのか、見つけることができる。

私が初めて出品したコンペは玄光社『illustration』誌が主催の『ザ・チョイス』である。
そのillustrationのWebサイトに主要なコンペが分かりやすくまとまっているのでご紹介させていただく。


この記事に載っているコンペを観察すれば、「良いイラストレーション」と評価された作品がたくさん見れる。

加えて、今は開催されていないのだが、参考になったコンペもご紹介させていただく。


◯ノート展

雑誌『イラストノート』の誌上コンペ。
審査員講評がみっちりと書かれている。キャラクター部門もあり。


◯東京装画賞

一般社団法人 日本図書設計家協会主催の装画のコンペ。
現在は休止中で公式サイトは見ることができないのだが、「東京装画賞 受賞作品」などで検索すると他サイトで発表されている作品を見ることができる。

公式サイトが閲覧できた頃は受賞作品を一覧で見ることができたので、また見れるようになったらよいなと思う。



審査員の方の講評が載っているコンペは特に何度も読む価値があると思う。

ちなみに、『ザ・チョイス』に関しては『illustration』誌の中で各作品の審査員コメントと総評を見ることができるが、
実はネット上でも公式の審査員コメントを見ることができる場所がある。

『ザ・チョイス』では毎年の入賞作品を、トートバッグブランドのROOTOTEとのコラボでトートバッグにするという企画がある。
こちらの各トートバッグの説明として、審査員評が載っているのだ。

一年ごとに前年のものをまとめて見る形ではあるが、審査員評を見ることが可能である。



はじめてのコンペティション

先ほども書いた通り、私が初めて出品したイラストのコンペは『ザ・チョイス』だった。

2021年11月の、アートディレクター・前田晃伸さんの審査である。


『ザ・チョイス』はコンペの中では珍しく、『illustration』誌の年4回の刊行に合わせて、年に4度も出せるチャンスがある。
思い立った時にすぐ出せるというのが良い点だ。

5点まで出せるのだが、イラストもまだそれほど点数がなく、おそらく20〜30枚くらいのなけなしの全作品を部屋の床やベッドに並べ、吟味した記憶がある。

当時はまだ、出品料の支払いが、郵送の場合はネットではなく定額小為替だったため、会社の休み時間に郵便局に行って初めて手に入れた。

緊張しつつも、飛び込めー!という気持ちで、わくわくが大きかったように思う。


結果は落選だったのだが、希望が持てることがあった。


『ザ・チョイス』は毎回審査員の方の審査の仕方などがレポートとしてWeb記事になるのだが、

審査の様子を写した写真の3枚目、「最終決定の場面では、作品裏面のプロフィール情報も確認していた。」という場面に、自分の作品が映り込んでいたのである。

実際の審査の詳細な進行は全く分からないので憶測ではあるが、写真が最終決定の場面なのであればそこそこ良いところまでいけたのではないかと予想した。

そして勝手に手応えを感じたのであった。


そんなことで、はじめてのコンペは落選に終わった。
しかし自分としては初めてにしては上出来(と思い込んでいる)の、良い記憶だ。

そしてその時に入選した方の作品などを見て、「この人たちと並べられたんだ」と感じたことは、自分が自然とイラストレーションの世界へ入っていく感覚でもあった。


成長するためには、自分より少し高いレベルの世界に身を投じるのが手っ取り早いと思っている。

コンペへの参加は、強制的に「良いイラストレーション」を描く人達の世界に飛び込むことができる。
迷っている暇があったら挑戦した方がいい。


私が初めて出品したコンペであり、
そして第231回で初めて入選をいただいたコンペである『ザ・チョイス』については、また別の記事で語ろうと思う。


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