2022年1月29日(土)HAYATO SUMINO CONCERT TOUR 2022 "CHOPIN, GERSHWIN, AND..." 静岡公演
角野隼斗さんの全国ツアー静岡公演に伺いました。
以下、角野さんのコンサートについてはじめてnoteに書く者の備忘録です。
レポの体はなしていません。
【お読みくださる方へ】
◆ネタバレしか書いていませんのでご注意ください
◆あくまで備忘録です。あまり有益ではないと思います。ご了承ください
◆ほかの方のレポに比べて冗長で内容がないと思います。ご了承ください
◆記憶力が皆無なので、どの部分がどうだったとか、MCでなにをしゃべったなどの内容はありません。ラフスケッチのような感想です。ご了承ください
◆まったく網羅的でありません
◆まったくの素人が書いています。いろいろ間違いもあると思います。そっと教えて下さるか、見守ってくださるとうれしいです
◆noteに慣れていないので、まとめ方がうまくないと思います。ご了承ください
【公演の概要】
◆ツアータイトル:HAYATO SUMINO CONCERT TOUR 2022 “CHOPIN, GERSHWIN, AND…”
◆公演日時:2022年1月29日(土)開場13:00/開演14:00
(おおよその終演時刻:16:20)
◆会場:沼津市民文化センター 大ホール
◆座席:4列28番
【プログラム】
1. ショパン:ワルツ 第1番 変ホ長調 作品18「華麗なる大円舞曲」
2. 角野隼斗:大猫のワルツ
3. 角野隼斗/ショパン:胎動
4. ショパン/マズルカ ハ長調 作品24-2
5. ショパン:エチュード イ短調 作品25-11「木枯らし」
6. 角野隼斗/ショパン:追憶
7. ショパン:マズルカ 嬰ハ短調 作品63-3
8. ショパン:ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 作品35
(休憩)
9. ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
10. ガーシュウィン:3つの前奏曲
11. 角野隼斗:ティーン・ファンタジア
12. ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
(アンコール)
13. パデレフスキ:ノクターン 作品16-4
14. ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1「子犬のワルツ」
※撮影・SNSアップOK
15. ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 「英雄ポロネーズ」
沼津市民文化センター外観
会場内
【はじまり】
会場内に入ってまず気づいたことは「ピアノが近い」。
舞台のぎりぎり近くまで座席に近づけて置かれている。
前日の名古屋公演の会場(愛知県芸術劇場)とは真逆の音響に近いと思われる会場。その全体に音を響かせるべく工夫されたことが感じられた。
周囲にわたしの心臓音が響いているのではと思うほどのドキドキを抑えることができず、高揚感めいっぱいで4列目センターの座席で開演を待った。
座席から見たステージ(拡大なし)
【一曲ずつ感じたこと】
1.ショパン:ワルツ 第1番 変ホ長調 作品18「華麗なる大円舞曲」
角野さんが颯爽と登場。かっこいい(陳腐な表現ごめんなさい)。なんというか、地に足がしっかりとついて、つい1か月前にニューイヤーコンサートで会った時よりも、さらにプロの顔感が増している気がした。
この一曲目の一音目から角野さんの世界、曲の世界にぐっと引き込まれた。ファンファーレのような華やかなオープニング。ひとつひとつの音がはずむようで多幸感満載。春の島の蝶たちの舞踏会のイメージ。同音連打の軽やかなステップ、気分がぐんぐん上向いて笑顔になっていく。
2.角野隼斗:大猫のワルツ
イントロの即興は、まどろんでいた大猫がふわあっと起き上がって周囲をきょときょと見回しているイメージだった。はじめて聴くイントロにさらに心がほどけていった。本編も大猫のドテッ感とふわふわ感を感じて心地よい。
3.角野隼斗/ショパン:胎動
ショパンのエチュード作品10-1をモチーフに、変態した(あらたに生まれた)生き物が意志を持って動き出すときの力強さを感じた。怒涛の2021年を経て新たなステップを踏み出した角野さんの心の有り様を受取った気がした。
4.ショパン/マズルカ ハ長調 作品24-2
ショパンコンクールの演奏よりも夏の夕暮れ時の語らいのイメージがより濃くなった。21小節目からのリディアン的なたおやかな旋律に心が躍る。
5.ショパン:エチュード イ短調 作品25-11「木枯らし」
冬風の中で荒れる木立ちだけでなく、角野さんが体験した荒れる心を感じて胸につきささった。
6.角野隼斗/ショパン:追憶
バラード2番とマズルカ作品24-2のモチーフを織り交ぜつつ、2021年にいろんな旅をし、人生の旅もたくさんした角野さんの心が見た景色を共に見せてもらっている気がした。Twitterのフォロワーさんと話したのだが、Cateen’s Piano Liveで弾いていたショパンのアレンジのモチーフもそこここに含まれていたと思う。
7.ショパン:マズルカ 嬰ハ短調 作品63-3
角野さんがこの曲を弾くのをはじめて聴いた。一音目から最高で大好きになった。角野さんは音数や動きが多い曲も素敵だけど、こういうゆったりと聴かせる曲は大好き。おこがましいながら自分も弾いてみたいと思った(楽譜はある)。こういう意欲をかきたててくれるのも角野さんなればこそ。
8.ショパン:ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 作品35
ショパンコンクールの時よりも全体の心に迫る力やメリハリがさらに増している気がした。1楽章は繰り返しなし。2楽章のアプローチと3楽章のやわらかく透き通るような中間部が素晴らしい。3楽章ではだんだん「我」がなくなって「無」になって行くというよりも、「目に見えない万(よろず)」に転化していっているのを感じた。4楽章は音の動きがとても速いにも関わらず、すべての音が違う意志を持ってそれぞれが行くべき場所に達しようとしているのを感じた。ここから輪廻して「胎動」につながっているのかもしれない。
ほかの曲でもそうだが、角野さんは時々右足を全面浮かせてそのままペダルを踏んでいる。一般的な踏み方なのだろうか。
(写真はアンコールの「子犬のワルツ」より、右足を浮かせたペダリング)
(休憩)
9.ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
イントロの滑らかな即興から既にワクワクが増幅する。この曲の動画よりもさらにブラッシュアップされて、角野さんの手の中に馴染んでいるみたい。演奏する日々の心模様ややりたいことが投入されてキラキラしていく曲だと思う。リストの「ため息」へのオマージュ部分がすべらかで大好き。コーダの即興の疾走感も大好き。
10.ガーシュウィン:3つの前奏曲
事前にセトリを知って、(知らない曲だったので)Spotifyで聴いていたけれど、曲の色や形が角野さんの演奏は極上だった。アメリカの街角の写真をたくさん見せてもらったよう。
11.角野隼斗:ティーン・ファンタジア
少年の冒険の序曲みたいだと思った。映画音楽、ゲーム音楽、コンチェルトなどなど、角野さんが書いたらどんなに素敵な曲が生まれるだろうと、その卵のようでわくわくした。この曲は、今回のツアーの「核」のような曲だと思った(詳細は後述)。
12.ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
角野さんの最新版「ラプソディー・イン・ブルー」は、これまでのどの演奏よりもかっこよさ8810割増し。ピアニカとのカデンツァ部分が素晴らしくて心に沁みわたった。後半に入る直前に右手の「C」の音が、ニューヨークの街に日の出をもたらす一滴のしずくのように感じて思わず涙しそうになった。
(アンコール)
13.パデレフスキ:ノクターン 作品16-4
どの曲も素晴らしかったが、とりわけ素晴らしかったのがこの曲。この曲を聴くために沼津に行ったとさえ言えるくらい。これも事前にセトリで知ってSpotifyで予習して行ったのに、感動しすぎて嗚咽が止まらないのを必死で抑えながら聞き入った。
さきほどのショパンの嬰ハ短調のマズルカでも書いたが、角野さんがゆっくり静かに歌う曲は絶品。まるで母の胸の内で聴いた子守歌のようだった。やわらかくあたたかくやさしく。男性だけど、内なる母性を感じた。角野さんは「ポーランドで現地のピアニストがよく弾いていた曲」と別会場で語っていたそうだけれど、わたしはもしかしたらピアノ教師のお母様が角野さんが小さい時から弾いて聴かせていたのかもしれないなと思った。
この曲も自分で弾きたくてたまらなくなって、さっそく楽譜を見つけた。
14.ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1「子犬のワルツ」
この曲は撮影と静止画のSNSアップがOKと言われて、みなここぞとばかりにスマホを用意するけど、角野さんはこの日は優しくて、いままでで一番長い(とフォロワーさんから聞いた)イントロのトリルで準備が整うのを待ってくれた(ありがとう!)。26歳の等身大の大人で、ちょっと茶目っ気のある(時々ぴょんと右足を後ろに跳ね上げたりする)、まんま角野さんみたいな粋でジャジーで遊び心満載な子犬でした。
MCのつづきで立ったままイントロのトリルを長く長く弾く優しさ
跳ね上がる右足
茶目っ気ある横顔
15.ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 「英雄ポロネーズ」
ラプソディー・イン・ブルーの終焉から少しずつ増えていったスタンディング・オベーションが、ついに満場にまで広がった。イントロがはじまると、後方から思わず声が上がり、自然的に拍手の輪が広がって、こういうのってマナー違反と言われがちだけど、この会場の中ではとても素敵だなと感じた。角野さんは途中のMCで「疲れていて言葉がしゃべれない」(ニュアンス)と言われていたけれど、(たぶん)難しい会場でも最大限ピアノを鳴らして私たちに最上の音楽を届けてくれた。その音がこの曲の最後まで鳴り響いていた。それはまるで勝利の、出発の鐘のよう。ちなみにソナタ2番(葬送)は作品35、英雄ポロネーズは作品53、死と生、終わりとはじまりの、合わせ鏡のような2曲だなと改めて感じた。
【雑感:CHOPIN, GERSHWIN, AND…のタイトルに思う事を中心に】
2時間余りに及ぶコンサートを、2000人の前で一人でピアノを弾くこと。ピアニストとしては当たり前かもしれないけれど、その途方もないパワーにまず敬意を表したい。角野さんは弾いている間はほとんど鍵盤を見ずにピアノ全体に向き合って真剣に誠実に愛と敬意と感謝をもって弾いている。その愛と敬意と感謝は、過去のピアニストや作曲家に、この日会場にいる聴衆に、難しい状況の中で心を砕いてコンサートを形にした多くの関係者に、会場に来られなかった世界中の人たちに注がれているのを感じた。
角野さんの生のピアノの力はすごい。2時間の公演が濃密な3分に感じられてあっという間。もっともっと聴きたかった。まぎれもなく聴衆のわたしをHappyにした。これを書いているのはコンサートの翌日だけど、Happyはさらに増幅している。会場にいたすべての聴衆が、増幅したHappyを持ち帰って周囲に届けているに違いない。角野さんの「Happyを届けたい」という志はちゃんと形になっている。
角野さんの「CHOPIN, GERSHWIN, AND…」の「…」は「me」(角野さんそのもの)だと思った。それはプログラムにも書かれているけれど、「…」に角野さんの過去・現在・これからの自分を感じた、そんなプログラムだった。その中でも「ティーン・ファンタジア」はこのコンサートにおける「核」で、2021年の、これまでの人生を踏まえた、未来へ隼のごとく飛び立つ助走だと思った。プログラムの中で角野さんはショパンとガーシュウィンと自身をつなぐキーワードを「少年」だと書いているが、まさにこの曲をハブに演奏された曲が繋がっているのを実感した。MCで「これからもやりたいこと、知りたいこと、届けたいことがたくさんある」と語っていたが、このあくなき探求心、好奇心が「好奇心ドリブン」で生きる少年の心を忘れない角野さんを言い表しているなと感じた。
角野さんは「応援して欲しいわけじゃなく、ぼくの音楽を聴いて”いい”と思ってくれればいい」と語っているけれど、でもわたしは角野さんから目が離せないし離す気もないし応援も音楽も両方「やりたい、見たい(知りたい)、受け取りたい(届けたい)」から、これまでもこれからも、楽しみにしています!!
終演後のピアノ。ペットボトルとピアニカとともに。極上の音楽を角野さんと奏でてくれてありがとう。
終演後に最後までピアノの前で佇む少年。きっと素敵な宝物を持ち帰ったことだろう。次世代の角野さんになるひとりかもしれない。
【おわりに】
角野さん、同じ会場にいたみなさん、世界から見守ってくれたみなさん、沼津のみなさん、ありがとうございました!海鮮丼おいしかったです!また必ず会いましょう!
お昼にいただいた海鮮丼。新鮮でプリプリで最高に美味!
沼津のみなさんありがとう!写真には撮れなかったけれど帰りには富士山がとてもきれいに見られました!
以上、冗長なのにラフな備忘録を最後まで読んでくださってありがとうございました。これを機にもっと読みやすいnoteが書けるようにがんばります!
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