「STARS展」に行ってきた
森美術館で開催中の「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」に行ってきました。
色々感じたこと、考えたことがあったので、書き残して置かなければと思って早速PCの前へ。
そもそも私は、アートに興味を持ったのがここ数年。特に好んで見ていたのはざっくりルネッサンス以降から印象派くらいまでの西洋絵画。現代アートも興味はあってたまに見に行ったりするものの、やっぱり難しいし、ミーハー的に追うのもダサいかなと思ってちょっと嫌厭していた。
しかし、NHKの日曜美術館でSTARS展を特集しており、村上隆氏と李禹煥氏の対談を見て、これは行かねばと思った。
対談で村上隆氏は「僕らのこう、芸術ってハイカルチャーじゃないですか。これに対してテレビでも何でも、(中略)わかりやすくさせなきゃいけないみたいななんかこうムードがあって、あれがやっぱりこう、つまらんですな」、「贅沢やってる連中との戦いというか、その、心の交換というか、詰将棋みたいなのって、いまの日本の人たち見えないと思うんですよね」と語っており、非常に刺激的だった。
一概には言えないが、現代アートはコンテクストに依存することが多い。村上隆氏の作品についても同じことが言えると思う。正直、マイ・ロンサム・カウボーイのコンテクストを読む自信はないものの、村上隆氏のいう「心の交換」、「心の詰将棋」を見てみたいと思った。
村上隆氏は非常にロジカルだ。芸術活動とはいえ、大きな資本主義の世界の中で行われる活動ということを認識し、実践している。
実際に作品を見ても同じようなアプローチを感じた。
入ってすぐKo2ちゃんがいて、そのまま進むと左手の壁に村上隆氏の代表的なモチーフの笑顔の花が一面に並んでいた。この作品、一見、「平和」とか「幸せ」とかを表しているように感じるが、本当は全く逆の意味ではないかと感じた。
単一的なコピペをされた顔、どこかに不気味さを感じる笑顔、所々に色の不協和音、そして小さく混ざる。。。
少し、詰将棋の筆致が見えた気がした。
もちろん、私の気のせいで、村上隆氏の詰将棋は全く異なる譜面を描いていたかもしれないが、多少なりとも近づけた気はする。
出典アーティストは草間彌生、李禹煥(リ・ウファン)、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司。現代アート好きだったら全員名前知ってるような、まさにSTARS。
村上隆氏の作品を見るだけで、体力をほとんど使ってしまい、他の作家の作品はそこまでじっくり見ることはできなかった。が、やはり各作家の思いの一端を見るための階段に足をかけるところまでは来た気がする。