【初心者は一回使ってみて!】 "正統派ラリータイプに攻撃力のエッセンス" リンフォートパワー【ラージボール】


概要

本記事について

TIBHARのラージボール用ラバー「リンフォートパワー」のレビューです。
商品情報はメーカーさんのホームページや、開発主幹であるわったさんの発信情報をご確認ください。

記載内容について

・内容は個人の感想です。
・記載内容に誤りがありましたらコメントいただければ幸いです

記事作成者の卓球経験について

硬式8年、ラージボール1年です。硬式ではシェーク裏裏ですがたまにバック面は表も使ったりしています。硬式もラージも特に大きな実績はありません。自己評価ですが硬式もラージも初級もしくは初級よりの中級レベルぐらいの競技力だと考えています。プレーは両ハンドではなくフォアで決めるスタイルでバックはブロックがメインです。

レビュー要約

  • ラージボールを始める時の1枚としてお勧め

  • 最も優れていると感じたのは「打球感」(硬式の打球感に近い)

  • シート単体で掴む感覚は弱いので擦り打ちしたいならスイングスピードが必要(回転がかからない訳ではありません)

  • 軽打でもしっかり飛んでくれるのでパワーがない方でも使いやすい

  • 綺麗な球質で安定しやすい(癖球でミスを誘いたい方には不向き)

  • 使うラケットを選ばない


レビュー詳細

商品情報で気になる点

スポンジ硬度は30度(ドイツ硬度)です。ラージ用としては硬めのラバーだと思います。

試打環境

スポンジMAXのものをフォア、バック両方で試打しました。ラケットはアウターカーボン、インナーカーボン、インナーファイバー、木材7枚を使いました。
アウター
・ヒノカーボン
インナーカーボン
・ハイブリッドACインサイド
インナーファイバー
・ソリッドプロ
木材7枚
・フォルティウスFT

特徴

最大の特徴は打球感が硬式に近い(※)ことです。この利点は硬式とラージ二刀流の選手やラージ未経験者にとって大きなメリットがあると考えています。
(※)具体的には、ドイツ硬度45~50度ぐらいの裏ソフトの打球感に近い

打球感が大事だと考える理由

私がラージを始めた時に最も苦労したのは「ラージ特有の打球感」です。ボールが硬式より大きく軽いため、打球感が違います。始めは打ち方云々よりもラージボールの打球感に強烈な違和感がありました(今は慣れて特に何も感じなくなりました)。ラージを始めた当初は打球感の違いが凄すぎて、ラージ後に硬式をやるとまともに打てない(入らない)ことが多かったです。
以上のことから、硬式と打球感が近いラバーは「試しにラージをやってみたい」という方に特にお勧めしやすいです。

各技術の感想

軽打:軽い力でも飛んでくれます。20%の力加減で30~40%ぐらいで打った時の飛びを感じました。
ミート打ち(ラリー):やや直線的な弾道です。前陣のラリーで飛距離不足は感じないですが、下がった所では直線的な飛び方が原因でネットミスすることがありました。後陣でのネットミスは私の技術不足が原因であり、打ち方で調整可能なレベルだと感じました。
ミート打ち(強打):軽~中打の時と比較すると、入力した力加減通りのボールが出ていました(90%の力加減で打つとその通りのボールが出る)。フルスイングした時に物凄いボールが出るというよりは、安定して強いボールが出るという印象です。
ドライブ:ミート打ち同様に直線的な弾道です。シート単体の掴みは弱いため、硬式のようにシートだけで擦って打つにはある程度のスイングスピードが必要です。
下回転打ち(ミート打ち、ドライブ):ミート打ちの方がボールが深く入りやすかったです。ドライブはしっかり振り切った時に回転量のあるボールが出ていました。
ブロック:30度と硬いスポンジの良さなのか、押し負ける感覚はありませんでした。
ツッツキ:軽く当てると弾みの良さが出てオーバーミスしやすかったです。中途半端に擦るより思い切り擦ったと方が切れたツッツキが安定して入っていました。
台上:フリックは弾みが良いのでやりやすいです。ストップはかなり繊細な力加減が必要で私の技術力では浮きやすかったです。チキータも振り切れれば回転重視、スピード重視どちらも質の高いボールが出せました。
サービス:厚く当てるサービスは飛びが良いのでやりやすかったです。気になったのはシートだけで擦るサービスです。シートだけで擦った時は当たった感触が薄いため、上手く切れたのかどうか分からないことが多かったです。その結果、試合で回転量を調整できなかったり、サービスミスしてしまうことがありました。私が硬式で最も出し慣れている真下のサービスでこの事象が発生するため、サービスの組み立てを変える(※)ことで対応しました。
(※)ロング系を多めにしたり、下回転を出したい時は横回転を入れて真下よりも厚く当たるようにする。
その他:カットがやりやすかったです。ドライブ同様にしっかり振り切れば回転量のあるカットが、シートで滑らせるように飛ばせばナックルカットが出せました。カットは本職ではありませんが、ラリー中に混ぜたら相手がミスしてくれることがありました。

ラケットの組合せについて

試打環境記載の通り、色々なラケットと合わせましたが特に合わないと感じたラケットはありませんでした。同メーカー製のラケットであるハイブリッドACインサイドと合わせた時は使いやすさと威力のバランスが取れていると感じました(これは組合せが良いというより、純粋ラケットの性能が高かったのかもしれません)。

フォアとバックでの使用について

フォアでの硬さは感じませんでしたが、バックではフォアよりボールのスピード、回転量が下がっていました。これは私の技術不足が原因と考えています。バックはブロックがメインの使い方なら硬さは感じませんでした。


レビューまとめ

良かった点

  • 打球感が硬式に近い

  • 対下回転ミート打ちの質の高さ

  • ラリーの安定感がありつつも威力のあるボールが出せる

気になった点

  • 擦ったときの打球感が薄い(ループドライブやサービス)

  • 全体的に飛びが良いので、台上(ストップ)やラリー中のつなぎの軽打が自分のイメージより飛んでしまう

  • やや直線的な弾道のため、下がった場合は弧線を意識して打つ必要がある

  • バックで使った場合は硬い(私の技術力の問題)

まとめ

非常にバランスが良いラバーで、性能の高さを感じました。ミート打ち中心で一発の威力より安定感を求めている方に合っていると思います。
繰り返しになりますが、打球感が良いのでラージを始めたい方への最初の一枚(※)としては非常にお勧めできます。
(※)本ラバー以外にもお勧めしたいラバーがあるため、別途記事を作成する予定です。

継続使用について

色々とラケットを変えて一定期間使用しましたが、記事作成時点では使用していません。理由は前述の「気になった点」で挙げた部分です。特に気になったのはサービス時の打球感です。私は硬式では真下のショートサービスが最も出し慣れていて、緊張した場面でも安心して出せるサービスです(切り方はシートだけで擦るイメージです)。そのサービスが自分のイメージ通りに出せませんでした。よってフォアラバーとしては合わない、じゃあバックで使おうとすると硬くて使いこなせない…と微妙にかみ合いませんでした。
しかし試合で対戦した方(リンフォートパワーを使用)で、シートで擦って非常に回転量の有るサービスを出している方もいらっしゃっいました。よってこれは私の技術不足+感覚的な相性の問題だと考えています。

試打する機会があったらミート打ちやドライブだけではなく、サービスや台上の使用感を確認することをお勧めします。

最後に

印象的なのは「わったさんの説明通りのラバー」だったことです。わったさんがラバーの紹介をしている動画があるのですが、まさに説明通りのラバーだと思いました。私含めた色々な方の試打のコメントや動画がありますが、まずはわったさんの動画の視聴をお勧めします。


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