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本来の自分に帰る場所~湘南を歩く人~

31日の土曜日、「湘南を歩く人」を開催しました。
初回だった前回は残念ながら雨天中止となったため、念願かなっての初開催です。

さて、2回目となる今回は「砂浜を裸足で歩く人」になりました。

雲ひとつない穏やかな快晴で、絶好の砂浜散歩日和。
都内などから5名もの参加者が集まり(たくさん!ありがとう!)、のんびりと歩く時間を楽しみました。

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「気持良いー!!」

と、海岸に到着するや参加者から歓声が上がります。
というか、本当に良い日差しで、海岸に到着する前からずっと気持良いと言い続けていたのですが(笑

辻堂海岸から茅ヶ崎海岸方面へゆっくり歩きます。
行って、帰って、往復で約90分。

10月の優しい日差しに暖められたふかふかな砂が心地よく、足裏に太陽のぬくもりを感じながら歩きます。
波に削られた綺麗な丸い小石が集まったところは裸足だとちょっと歩きづらくもあり、
「痛てて! だめだ足の裏が弱すぎる」
なんて言いながら、僕たちの足が普段靴にしっかりと守られているから平気で歩くことが出来ている、ということを感じてみたり。

江ノ島を西に離れると観光客もぐっと減り、地元の家族連れや釣り人がのんびりと過ごしている風景が広がります。
この辺りはキスやボラが釣れると聞いたことがありますが、実際どうなんでしょうね。僕も今度釣りをやってみたいと思っています。
砂浜よりは、江ノ島辺りの方が釣りやすいのかな?

この日は波が穏やかで、普段はサーファーで賑やかな海には誰も入っていません。小さな波がせりあがると、時々、太陽の光を透かして波の中を泳ぐ小さな魚の影が見えます。おそらくボラだと思いますが、数匹の魚が列を成して波の光の中を横切っていく。そんな風景が僕はたまらなく好きだったりします。最高の贅沢です。

行きの時間、僕は参加してくれた大学時代からの親友と並んで話しながら歩いていました。
仕事のこと、未来のこと、社会のこと。それに、普段あまり言葉にしないようなこと・・・

「自分からこういう話が出てくるとは思わなかったな。歩きながら話しているからかな」
「歩いているときは、心のブロックが外れやすくなるらしいよ。本音が出やすくなるらしい」
「でも俺は足裏の痛さが気になって・・・、靴履いて歩くほうが話に集中できるかも(笑」
「今度は別の道を歩こうか・・・(笑」

誰かのペースに合わせることも無く、ひとりひとりが、自分のペースで、思いのままに自由に歩く。距離が空いても気にしない。自分と向き合ったり、いま、ここの気持ち良さをただ感じたり、歩きながら感じることはそれぞれです。

誰と比べることもなく、評価することなく、考えたこと、感じたことを素直に受け入れていく。「ただ歩くために歩く」中から、自分にとっての本当の心地良さを受け取っていく。

参加者の方が述べてくださった感想で
「自分自身の心地良い範囲というか、自分の大きさ、声のトーンとか、自分が一番心地良く自然でいられるのは、このくらいなんだって、わかった気がします」という言葉がとても印象的でした。

普段の日常を離れて、自分が生きている世界を相対化できたときに、その世界に生きている自分と本来の自分自身との距離が見えてきます。
その距離、大きさ、そして速度を知ること。本来の自分がどれくらいで、普段の日常ではそれをどのくらいまで無理に拡大させているのかを知ること。

無理して急いでいないか、無理して大きな声を出していないか、無理して焦りに身を任せていないか・・・

そうしたことに、少し気づくことができたなら、またいつもの慌しい日常の中で自分を見失いそうになったときに、迷うことなく自分の戻るべき場所に帰ることが出来るようになると思います。

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さて、二回目を終えての、僕自身の感想ですが、
正直、僕は「ただ歩くために歩く」ことが、みなさんに何かを得てもらえるような活動になるとは、思っていませんでした。
言ってみれば、ただの散歩ですからね(笑 自分はずっと好きで歩いていましたが、あくまでも個人的な趣味でしたし、ずっと一人で歩くものだと思い込んでいました。

ですが、今回皆さんと歩いてみて、僕が想像していた以上に皆さんから好評の声をいただけたことに、僕自身が一番驚きました。
そして何よりも、僕が皆さんに得てもらえるかもしれないと思っていた以上のことを、僕自身が参加者のみなさんから受け取っていることにも、気づくことが出来ました。

「今日は本当に安心して歩くことが出来ました。前を歩いてくれているから、危険もないし、自分のペースで良いですって言われてたから、離れても気にならなかったし、時間も全然気にしなくて良かったです。途中一回も時計を見なかったです。
普段歩くときにはつい心配になったり、気になっている道の選択とか時間とか、そういった色々な障害を取り払ってもらって、コーディネートしてもらえると、参加者は安心して歩くことだけに集中できるんだなって。こうして歩けることってなかなか無いから、本当にありがたいなって思いました」

という感想を参加者の方からいただきました。

僕はこれまでずっと一人で歩いてきたから、こうしたことを考えたことがありませんでした。誰かが先を歩いてくれる、道を示してくれる安心感の中で、歩く時間にゆっくりと浸ることができる。
誰かと一緒に歩くからこそ、わかることがあるのですね。ひとりで歩いていたら、一生知らないままだったかもしれませんでした。

歩くコーディネーター、案内人というのかな?
そんなあり方も素敵だなあと思います。誰かに安心感を与えられる存在になれるのなら、僕がこれからも「歩く人」である意味もあるのかもしれません。


「砂浜を裸足で歩く人」
みなさんからとても好評をいただけて、企画して良かったと心から思いました。
これからしばらく寒くなるので、砂浜開催は来年春まで待つことにしようと思います。
また来年4月ごろかな、暖かくなってきたら、また再開します。


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miuraZen
歩く人
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