【役づくりの基本3/5:具体的な方法編】 台本にツッコミまくる:8分で読めます
今日は、
『役づくり』の具体的な方法note第3回。
気になる人は①からどうぞ。もにろん③からでも読めるんで、ここからいっても大丈夫ですよ。
このnoteはだいたい、8分くらいで読めると思います。
今日はステップ2!
②台本にツッコミまくろう
です。
用意するものは
・台本
・シャーペンか鉛筆:あとで消せるものなら何でも
②で説明した、ファーストインプレッションの書き出しが終わったら、とりあえず一息ついて、もう一度台本を開きましょう。
まずは、準備運動がてら、軽い調べ物。
まあ、1回目の時にやっている人もいると思いますが、一応書いておきます。
わからない言葉、固有名詞や、地名や、そもそも言葉の意味がわからないもの、などを全部調べてください。読めない漢字もこの時点で全部調べてください。
内容を追わなくてもいいから、わからない言葉を一気にさらうイメージです。
考える必要はありません。わからないところに振り仮名を振ったり、その意味を書き込んでいくだけ。
単純にわからないところあると理解ができなくなることも多いので、こういう所は大切にしておきましょう。
さて、それが一通り終わったら
本日のメイン
『台本にツッコミをいれまくりましょう』
これをしましょう
は?
「いやいやいやいや、当たり前のように書いてるけど、
いきなりツッコミとか入れられないでしょ?」
と、思わずツッコミをいれた人もいるかもです。
大丈夫、今からご説明します。
ファーストインプレッションは、台本を素直に受け入れるという視点。
台本を読むときに、そのまま受け入れる方が多いと思います。
ト書きで『泣く』って書いてあったら、とりあえず泣いておくかみたいな。
それはそれで良いことです。
しかし、物事を理解する時に大切なことは、様々な視点から見ることです。
受け入れる視点、受け入れない視点。もっと離れて見た視点、いろんな視点。
ということで、今回は、
素直に受け入れない視点のターン
ということです。
ここで問題です。
「ツッコミとは何をするものでしょう?」
大きな声をだすこと
話を回すこと
ボケに対して叩く
テンポが良いこと
いろんな答えがあると思いますが、私の答えはこれです。
『ツッコミとは『おかしいよ』と説明すること』
です。
つまりは、おかしなことに対して、「これはおかしいことですよ」と説明して、お客さんの同意を得て、確定させることです。
声が大きくても小さくても、勢いがあってもなくても、無言でも、この役割を果たせたら、それはツッコミです。
えー、おかしなことをしてたら、おかしいってみんな思うでしょう?
そんな説明いらないじゃんって人は、
『裸の王様』を思い出してください。
あきらかにおかしいことでも、人は受け入れてしまう生き物だということがはっきりわかる物語ですね。
だって、あきらかに裸で歩いてて、これは馬鹿には見えない服なのです。
とかバカみたいなこと言ってるのに、まぁ、そういうもんか、とみんなが受け入れてたんですよ?
子供が、「王様、裸で歩いてるのに服着てるとか言ってて、まじ変なんですけどー!」って笑った瞬間から、
「あ、やっぱりおかしいってことでいいんだよね」とみんなが納得して同意し始めたということです。
常識なんて、いくらでもねじ曲がるのです。
それをこの世界ではこれは『おかしなこと』で大丈夫ですから、と説明して確定させることが大切なのです。
まあ、つまりは『裸の王様』は、壮大なコントだったのですね。
だってですよ、
目には見えない服がありますよというボケを信じて、乗っかる王様
そのボケにさらに強めに乗っかって、褒めちぎるというボケをかます家来たち
褒めちぎりボケに乗っかって、目に見えない服でパレードをするという強めにボケにいく王様
町の人は、あきらかに裸なのに
「オシャレなんやろ、どや」
みたいな顔でパレードするという、王様のかなりシュールなボケに対し、称賛しまくるという力技のボケ乗っかり
国を上げてのボケたおし続けて、
最後の最後に、子供が強めの無邪気ツッコミを入れて、落とすというコントなのです。
子供のツッコミの腕に全てをかけた、かなりチャレンジング精神旺盛なコントです。
これを作った作家さんはすごい勇気だと思います。
震えますよ。ツッコミがスベッたら全て終わりですから。
僕が子供の役だったら、確実に出番の前、楽屋で震えますね。
だからこそ、『裸の王様』は、現代にも残るコントになったんですね。
あれ?なんの話?
あ、そうそう、コントの話(ちがう)
余談はさておき、ツッコミの人が素直に話を聞いてしまったのでは、角度は一つしかなくて、笑いにならないのです。
おかしいなと言うポイントを見つける嗅覚が、ツッコミとしての大切なポイント。
これを『役作り』に転換するなら、
1回目の素直に受け入れて読むところから、
2回目に読む時は疑いを持って、ツッコミの人になったつもりで、ガンガンツッコミを入れていきましょう。
ある程度、悪意がないとこれは難しいので、ここはひとつ悪意をもってサディスティックに台本をツッコんでみましょう。
コツは、好きなツッコミの人になったつもりになることです。
粗品さんでも、小峠さんでも、浜田さんでも、好きなツッコミの方になったつもりで。よくわからないですか?
では、ここでワークをしてみましょう。
たとえば、ロミオとジュリエットで、ロミオの役、もしくはジュリエットの役だとしたら、
あなたはどんなツッコミをいれますか?
さあ、考えてみましょう。
どうぞどうぞ。
どんなツッコミになりましたか?
私だったら、まず一番始めに必ずツッコむのは、ここですね
「独り言、長っっっっ!!!」
独り言が長いのは、シェイクスピア全般にツッコミたい所ですけれどね。
これ以外にも
「振られた落ち込み強すぎる!」
「独り言、長っ!」
「恋の乗り換え早っ!」
「それはただのストーカー!」
「独り言、長っ!」
「もはや独り言と独り言で会話?!」
とまあ、好きなツッコミになったつもりでガンガンツッコミいれながら読み進めていってください。
そして、シャーペンでツッコんだ所に✔️を入れてください。ツッコミのワードはいれなくていいですからね。✔️だけでいいです。
このチェックが、あなたと『役』との距離です。
役の行動やセリフで、納得はしていないけれど、何となくわかったわかった気になっている所。
その部分を意識のテーブルに乗っけて、
「そもそも、なんでこんなことしてるん?」
と役の人物に質問している状態です。
これはその場ですぐに答えを出さないでいいです。
何か別のことをしている時にでも、別の日に台本を読んでいる時にでも、ある日とつぜんポコンと自動的に解けたりします。
あ、神が降りてくるとか、そういう話じゃないですよ。
人間の脳は、意識のテーブルの上に乗っかった疑問や問題を抱えているというストレスに弱いのです。なので、疑問に思ってあることを、無意識の時に脳が解決を探すという機能があります。
特に睡眠中に、ガチャガチャになった問題を整理や解決するという行動をします。レム睡眠と言われる状態ですね。
なので、脳をフル活動で『役』を体に落とし込むために、疑問に思ったことをまず自分の意識のテーブルに乗せる必要があります。
とはいえ、台本の中にヒントがあることは多いので、たくさん台本を読むことはあくまでしていくのは前提ですよ。
何かの時に、疑問が解消されたら、✔️を消してください。
そしてこれが解けたことによって別の疑問ができたりするので、そこに新しく✔️をいれてください。
この繰り返しをしていくうちに、役との距離が近づいていきます。
こうやって役の人物とコミュニケイトしていきます。
ちなみに、納得いかないことを疑問も投げかけず、わかった気になってるままに『役』をやるとを『浅い』っていいます。
『役が浅い』っていわれるのの正体はこれなのです。
素直に受け入れて、一側面しか見ないで役をやろうとするとそう言われてしまうのです。
そんなこと言われたら、このnoteを読み返してみてくださいね。
役に限らず、人間に限らず、物事は多面的なので、たくさんの側面から見ることが大切です。
素直に受け入ていることを別の角度から見るには、『悪意』という破壊的な強い力がないと、硬くて壊すことができないのです。
悪意を意識してない人が、いきなり自分の目だけで、悪意を持つのは難しいので、芸人さんの目をお借りしてツッコミを入れるのです。
そうですね、『巨人の肩に乗る』ってことですね。
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さて、今日説明したことが、
ステップ2;台本にツッコミをいれる
です。
役とのコミュニケーションの取り方もわかった、次は何をするん?
となりますよね。さ、次はこれです。
『鬼の調べ物』
明日は、これについてお送りします。
役作りの話もあと、2回となりました。さみしいですね。
明日も19時くらいにあげます。明日もまた会いましょう。
ではでは、また明日。
演劇王子みうらでした。
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