古いアイデアの新しい展開:座位はどのようにしてハイハイ児を再定位するのか(A new twist on old ideas: how sitting reorients crawlers)
【要旨】
これまで,ハイハイと座位は異なる姿勢および機能を持った全く別の運動行為と考えられてきた.10-12ヶ月の乳児が研究室または家庭で長期にわたりハイハイするところを観察した.まっすぐな通路でのハイハイ(研究1;N=20)および自由遊での自発的なハイハイ(研究2;N=20)で観察を行った.双方の文脈で,乳児は1分あたりに3-6回ハイハイをやめて座位をとった.ハイハイから座位への移行は頭部の向いている方向から離れた方向へ身体を回転させることで行われた:続く座位からハイハイへの移行が元々頭部が向いていた方向から180度逆に起こることで相殺された.明らかに,ハイハイと座位の間で起こる移行のバイオメカニズムにより身体の再定位が起こっていた.この発見は持続的な線上のハイハイは典型パラダイムにおいて歩行を学習する過程の二次的な現象に相当していることを示唆している.ハイハイと座位との間で起こる移行は至るところで見られ,行為の機能的ユニットを表象している.これらの移行と付随する身体表象は乳児の探索,視知覚そして空間認知へと続く効果があるようだ.
【本文補足】
運動遅滞のリスクがある乳児にとって,出来る限り早く直立歩行,ハイハイ,または補助的な装置を使って一人で移動することを励ますことは最善の行為のようである.
ハイハイと座位は本質的に相互作用があり,世界への視覚的なアクセスおよび移動による探索を得るための最善の機能的戦略として見られるものである.座位とハイハイとの間にある姿勢の移行は座位・ハイハイのマイルストーンを獲得するのと同様に乳児にとって新しい学習の機会を促通するために重要である.
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