遠征と政治
2008年3月15日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。
2008年月3月16日僕はネパールに出発する。本隊に先立って、現地の準備をするためだ。
今回の遠征は、最初にネパールの首都カトマンズに入り準備、高度順化をエベレスト街道と呼ばれるエベレストBCに続く道で行う。4500㍍付近の高度まで身体を慣れさせてから、再びカトマンズに戻り中国チベットのラサに向かう。
今回の荷物はかなり多く、忘れ物がないか心配だが、それよりもネパールの政治情勢が気になる。
先日、ネパールの南西部、ちょうどネパールとインドとの国境で民族抗争がありインドからの物資、特に石油や石油製品がネパールに入らなくなってしまった。そのためカトマンズの一流ホテルでも暖房が入らなくなったり、街中は1日8時間の停電状態になったり、お米、果物が手に入らないといった状況が続くようだ。
2006年ネパールと中国にまたがる8000㍍峰のシシャパンマ遠征のときのこと。ネパールは国王派の政府と、民主化を唱える過激政党のマオイスト(毛沢東主義者)による権力闘争の真っ最中だった。
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