最後は「気持ち」
2009年10月30日日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。
先週の白山に続き今週も雪の降りしきる中、富士山に登ってきた。久し振りに標高差のある山を走り降りてきたら不覚にも筋肉痛になってしまった。
筋肉痛の主な原因は下山時にある。自分の体重を持ち上げる登りの運動は、自重と背中に背負った荷物を持ち上げるのみだが、重力の勢いと慣性にブレーキをかける下りは自重の2~4倍の負荷がかかる。外部からの力にブレーキをかける運動は筋肉や腱の一部を壊し、炎症を起こす。これが筋肉痛の原因だ。その後、超回復といって、傷ついて筋肉部位が回復したとき、以前よりも強くなっている。これを繰り返すことによって山を走るのに耐えられる足が出来上がっていく。
僕が週末に体験したのは、たかが標高差にして1500㍍、距離にして5㌔程度の山道を走る「トレイルランニング」だがこの競技の過酷さといったらない。
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