祖父が残した、最も偉大な遺産
本記事は2008年3月1日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです
先週末は手稲山大滑降というイベントのため、札幌のテイネハイランドスキー場に行ってきた。
「手稲山大滑降」というのは、3年前に父・雄一郎が考案したスキーレースで、全長6㌔の超ロングコースを使って行われる大会だ。2005年の第1回大会には当時101歳の祖父も参加して、そのことからこの大会は「手稲山大滑降・三浦敬三メモリアル」という冠が付いている。
僕はこの大会が行われるたびに、祖父がこの大会に挑むために一緒にトレーニングを行っていたのを思い出す。その年は祖父が101歳になる歳であった。
祖父は99歳だった2003年にはフランス・モンブラン山系氷河の大滑走という偉業を成し遂げた。2004年には100歳で米ソルトレークシティーのスノーバードで大滑走したが、実を言うと2005年のシーズン当初はあまり元気がなかった。
スキーシーズン前、トレーニングを行っている最中に転倒して鎖骨を骨折、入院してしまいトレーニングも限られ体力は落ちていたのだ。またそのシーズンは天気の悪い日が続き、視力が弱くなっていた祖父にとって、スキーをする機会が少なく、さらに体力がを落とすこととなった。
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