登山家、大切な創造性
2009年11.7日経新聞夕刊に掲載されたものです。
10月末、以前から約束していた妻との富士登山を敢行した。連れて行ってやると何度も言いながら、悪天候やら都合がつかないやらで、先延ばしになっていた。本格的に雪が積もったら、また来年になってしまう。思い切って出かけてみた。
夏場は一大登山スポットの富士山だが、今の季節は違った様相を呈する。強風、アイスバーン、極度の低温といった厳しい顔をのぞかせる冬の富士は、エベレストとも比べられる。
どの程度の冬装備をしていけばいいのだろう。迷った揚げ句、靴の裏につけるすべり止めの軽アイゼンとピッケルを購入した。五合目の天気は晴れ渡り、黄金色の紅葉がまぶしかった。しかし、その後は突然の吹雪となってしまった。
厳しい登山だったが、人が少ないこの時期ならではの面白い出会いにも恵まれた。
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わずか11歳でキリマンジャロを登頂。フリースタイルスキー、モーグル競技では10年間にわたり全日本タイトル獲得や国際大会で活躍。引退後は冬季…
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