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遠のく意識、下山急ぐ

2008年6月14日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。

 地球で最も高い峠であるエベレスト・サウスコルの標高8000㍍地点で、僕は自分の高山病診断を誤った。前日まで痰に血が混ざっていたので肺水腫と疑っていたが、朝になると咳も比較的収まり、前日のようにひどい動悸もなかった。僕はすっかり自分が肺水腫であるという可能性を希望的観測により否定していたのだ。

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