2013年4月6日
インターネットは時間に追われる
今朝起きると、昨日まで感じていた倦怠感と節々の痛みは無くなっていた。朝食に行くとほとんどの人が回復傾向にあり、今日の予定を無事にこなすことできそうだ。昨晩は熱と下痢を繰り返したので一時はどうなるかと思ったが、それ程たちの悪いものではなかったようだ。天気は快晴、体調が回復したせいか心も晴れ晴れとした。
ギャンズマから1時間程下ると谷底の村、プンキテンガに到着する。プンキテンガで十分に休憩をとった後、ゆっくり坂道を登り始める。標高差400mの山路だ。一定のペースを作り一歩ずつ登る。タンボチェにはお昼に到着。昨日の朝以来感じていなかった空腹感があり、みんなでアップルパイやキャロットケーキを食べる。タンボチェからデウチェまでは1キロ程坂を下ったところにある
これまでタンボチェがエベレスト街道でポピュラーなキャンプ地であった。しかしタンボチェ自体元々、寺院の土地であり宿が数カ所しかない。そこにいつも世界中のトレッカーがくるのでいつでも飽和状態になってしまう。そこで最近注目されているのがここデウチェだ。ここは元来、尼僧の寺院がある場所だ。とても日当たりがよくタンボチェよりも埃っぽくない。そのため最近になって宿がたくさん作られてきた。
今晩泊るロッジも日当たりがよく目の前にはおおきなヤックのカルカ(放牧地)がある。ゆっくりと昼食をとり昼寝をした。午後になり日記とコラムが気になりインターネットカフェにいく。今回宿泊しているのはEverest Rhodendron。残念ながらここにはインターネット環境が整っていないため、前回宿泊したRivendellにいく事にした。そこはデウチェでも近代的なつくりでダイニングもひろくWi-Fiが繋がり、兄、早坂さん、大城先生と一緒にいく。それぞれ日本と繋げなければいけない事情があるのだ。インターネットは確かに便利だが繋がる事が当たり前になり要求も多くなった。かえって昔よりも忙しく、時間におわれるような気がする。
コラムと日記を送ると、大城先生が欧米ドクターの団体の一人と話していた。聞くとその先生はKen Zaphren先生といってアラスカ 、アンカレッジ在住 、凍傷など低温による外傷専門医で山岳医の中ででは大城先生の師匠にあたる人だという。彼はWilderness and Travel Medicineというお医者さん達のトレッキンググループを率いて途中レクチャーをしながらエベレストベースキャンプに向うという。今日もレクチャーを行うので一緒に聴いて行ったらどうだと誘われた。
そこに父が現れ父共々、大城先生と同席させてもらった。レクチャーは雪崩に関するもので海外の事例を中心に行われた。レクチャーが終わると僕達を紹介してくれた。僕の父が80歳でエベレストの山頂を目指す事を話したらみんな驚嘆の眼差しを僕に向けた…。残念ながら父はレクチャーが全部英語であったため途中で抜け出してしまいドクター達の賛辞を受けることはなかったが今回のエベレストについてみんな応援してくれた。
それにしても先日のLaboratoryといい今回のドクタートレッキンググループといい、海外にはこうした冒険的な活動に科学的な理解があり、さらに見地を深めようようとする姿勢がある。