三日坊主にならずに頑張ろう!
本日は2020年4月25日、7年前の今頃、僕たちはC1のプモリからエベレストBCにおりる日でした。高いところで何日か過ごして低いところに行くと酸素がとても美味しんですよね〜。エベレストBCでさえ(酸素は)地上の半分。そこから少しでも上に行くとすごく大変な場所です。最初はエベレストBCで寝れないのですが、一度高いところ、プモリのようなところへ行って帰ってくるとその日はよーく寝れました。皆さん、たっぷりある酸素をありがたく思って、今日もエクササイズに励んでみてください。
本日のMIURA流 クライムビクス
三浦豪太が考案する『MIURA流クライムビクス』を上記の動画で詳しく紹介しております。登山体操を始め、ぜひエクササイズの詳しい内容をご覧ください。
【準備体操】
登山体操 ・・・リズムよく、楽しくトレーニングしましょう
【メイン運動】
ウォーキング・・・2.4km
サイドランジ(歩幅2歩)・・・50回×3セット
【補助運動】
リバースクランチ・・・10〜15回×3セット
三浦豪太の遠征日記 −2013年4月25日−
プモリ C1 で迎える朝は格別だ。テントを開けると目の前にはエベレストがある。ここ では朝日が太陽の対面にあるため、エベレストベースキャンプよりも 1 時間ほど早く陽 が差しこむ。
今朝はテレビ朝日のモーニングバード生放送のため、みんな早起きした。そのとき太陽 はエベレストの真裏にあり、その光はいまにも飛び出したくてうずうずしているようだ。強烈な光がローラ(峠)のあいだから溢れだし、空に光のコントラストを投影していた。 モーニングバードとの生放送は、こちらからの映像をスカイプにて生中継で映しだそう と、兄が一生懸命日本サイドの放送スタッフと交信している。兄(雄大)の PC は Hughes 製の衛星アンテナを使い InmarSat を捕まえている。しかし転送スピードがなかなか追 いつかず、映像はこちらのエベレストと父の状況を途切れとぎれに映し出している。
本番の 6:00 になろうとするとき、いきなり太陽がエベレストの裏側から飛び出してき た。エベレストを見るとその激しい逆光に山のシルエットしか見えない。当然、父を映 し出しているはずの PC には白いバックグランドと父のまっ黒な姿しか映し出されなか った。なるべく、父の顔を照らそうとヘッドライトで対応しようとするが、焼け石に水 程度の効果しかない。映像もとぎれとぎれから途中から完全に通信が途絶えたようだ。 結局、お父さんの生番組はその電話での会話のみで行われた。その後、日本の姉に電話 したところ、最初の方はしっかりと映っていたという。それにしても、発電機も電話線 もない、ヒマラヤの山の中腹から家電製品で生中継ができるとはすごい時代である。し かし、その分求められることも多く、仕事量は増えるのだが。。。
今日はその後、プモリ C1 を撤収、エベレストベースキャンプに下りる予定だ。撤収の 作業を終え、再びプモリ C1 を見渡す。改めてすごいところで 2 日間も過ごしたのだな と思う。これほどエベレストが大きく見え、クーンブの谷間を見渡せるところはないの ではないか。僕と父を含むエベレストにアタックする 4 名は今回の遠征では、この後、 ここに来ることはないが、兄や早坂さんは僕たちがエベレストアタックしている本番中、 ここに拠点を構えるかもしれない。
僕らは僕たちのベースキャンプに帰る前に、ラッセル・ブライスのベースキャンプに寄 る予定だった。ラッセル・ブライスのベースキャンプには一度行ったことがあるが、巨 大なホワイトポッドと呼ばれる娯楽施設があり、その中にはバーがある。キッチンやコ ックも充実している、何よりも炭酸飲料が飲み放題だ。兄、大城先生、早坂さんはもっ ぱらそこで食べられるポテトチップを楽しみにしていて、どうやってラッセルに「ポテ トチップが食べたい」という意思表示をするかという話を下りながらくだらない話をし ていた。
しかし、プモリからベースキャンプに続くメインロードに合流する寸前、ラッセル・ブ ライスと彼が率いるガイドやお客さんたちとすれ違う。彼らもプモリ C1 まで日帰りで 高度順化だという。それでは、今行ってもラッセルはいないので、そのまま我々のベースキャンプに戻ろうという事になった。一同がっくし。
ベースキャンプ周辺は 2 日間いないだけで様変わりしていた。氷が解け、メインロード と我々のベースキャンプを挟む川が轟々と流れている。至るところから氷河が解けだし、 春の兆しを感じられる。テントの周りも上部のテントと下部のテントの間の段差が大き くなっていて地形が変わっていた。これから刻一刻とベースキャンプやその周辺は春を 迎えて変化していくのだろう。
お昼のお蕎麦を食べてから、プモリ C1 に行く前に点検した再充填の酸素を販売元であ るヘンリートッドに交換してもらいに行くことにした。倉岡さんとシェルパ 2 人を従え、 3L ボトル 6 本と、4L ボトル 7 本を担いでヘンリーのところに向かう。ヘンリーは多く の登山隊の酸素ボトルとマスク・レギュレーターを扱っている。行くとそこには 150 本 以上の酸素ボトルがあり、快く交換に応じてくれた。彼はこの道 20 年。酸素の詳しい 扱い方を丁寧に教えてくれた。
ヘンリーのところから交換したボトルをさらにベースキャンプにて点検し、それに番号 を付けた。そして再充填のボトルすべての圧力を表にして、低い順にベースキャンプに て使うものから、高い順に高所で使うものに分けた。そして数をタクティックスに合わ せて、サーダーのギャルツェンに引き渡す。彼は今後荷揚げの際にこれをもとに上部キ ャンプにシェルパが運ぶことになる。エベレスト登山において、多くの事がシェルパに 頼ることになるが、酸素と基本的な戦略の管理は登山隊がきっちりと主導権を持って行 わなければいけない。特に酸素は命にかかわるのできっちりとせねば。
神経を使う仕事と、二日間の高度順化の疲れが夕食の後にどっと来た。 夜はこれまでにないぐらいぐっすりと眠れた。