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2008年9月20日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 北京では五輪に続いてパラリンピックが開かれた。僕は選手達には脅威と尊敬を感じる。 僕が所属する札幌のスキースクール「三浦雄一郎&スノードルフィン」に田中哲也さんという義足のスキーヤーがいる。 長野、ソルトレークパラリンピックの日本代表だ。彼は片足スキーでどこでも見事に滑り下りてくる。明るく憎まれ口をたたく彼に挑戦したのは3年前の正月の事だ。 彼と一緒に片足でテイネハイランド最難関の北壁コースを
2008年9月6日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 アスリートたちが熱い戦いを繰り広げた北京五輪が幕を引いた。登山だけでなくスポーツもする僕は双方の相違性を常に意識している。 僕は常々、登山とスポーツの向き合い方の違いは、スポーツは全力を出すことに意義があるが、登山や自然を相手にする時は、いかに自分に余力を残すかを考えている。 この考えは僕自身がスポーツに取り組む姿勢であり、登山に取り組む姿勢でもある。 しかし、北京五輪前に柔道48㌔級代表の谷亮
本記事は2008年1月12日に日経新聞夕刊に掲載されたものを修正加筆したものです。 最近、目を見張るのは日本のフィギアスケート陣のレベルの高さであろう。男女共に世界の頂点に立てるスポーツに進化したこの競技はスポーツとはいえ、自分の個性を遺憾なく発揮して芸術の域にまで達しているといっても過言ではない。 同時にその裏でスポーツ選手達が一瞬の輝きを放つために膨大な時間に及ぶ厳しいトレーニングがあったことは想像に難くない。世界で勝ち続けるには単なる才能以上のものが必要であるから