若手弁護士「ホンネ調査」番外編:編集後記~5つのキーワードで振り返るインタビューと74期採用
2019年創業の三浦法律事務所は今年、初の新人弁護士採用を行いました。これに伴い、当事務所に興味がある方や、ファーストキャリアの候補の1つとして当事務所を考えている方に少しでも事務所の雰囲気や若手弁護士としての働き方のイメージを持ってもらえるよう、若手弁護士へのインタビューを実施してきました。
74期採用を開始したところ、予想以上にたくさんのご応募をいただき、9月末には採用予定人数に達したため選考を終了しました。そこで、インタビューや74期採用を通して見えてきた「若手弁護士が三浦法律事務所へ求めるもの」や「事務所選びのポイント」をキーワードで振り返ります。
キーワード1:「未知への期待感」
「未知なる未来に対する期待感」。これができたばかりの三浦法律事務所に参画する理由として最も多く挙げられる要素でした。
三浦法律事務所の発起人である三浦亮太弁護士は、「私たち50期代・60期代の弁護士がキラキラ働ける場があれば、外にいる50期代・60期代・70期代の弁護士からも興味を持ってもらえるはず。さらに、その総合体としての事務所もキラキラしていれば、おそらくお客さまもご依頼をくださるのではないかという思いがあります。そういう意味では、“楽しそう”ではなく、心から“楽しく”やっているということを大切にしていきたい」と各種メディアの取材に答えています。
このように、「楽しく働く」というスタンスが若手弁護士にも伝わり、「未知への期待感」につながっているようでした。
キーワード2:「多様な案件に携われる」
三浦法律事務所は“フルカバレッジ&トップクオリティ”を掲げており、手掛ける案件は多種多様です。これは、業務分野という意味でも、企業の規模・ステージという観点からもフルカバレッジであることがクライアントに十分なリーガルサービスを提供するために必要だと考えるためです。また、”ただカバーしていればいい”ということではなく、「クライアントの選択肢を1つ増やす」ためにはトップクオリティのリーガルサービスを提供する必要があります。
74期採用でも「若手のうちから分野が固定されないか」を気にした質問が目立ちましたし、インタビューの中でも多種多様な案件に携わることができる点が三浦法律事務所の良いところとして挙がることが多くありました。これらのことからも、若手のうちは多様な案件に携わりたいと考える弁護士が多いようです。
74期採用時に最もよく聞かれた質問の1つが「いわゆる大手法律事務所との違い」でした。
前述の通り、クライアントの選択肢を1つ増やすことも当事務所のミッションだと考えています。そのためにはクライアントからみたサービスの範囲・質において「大手事務所と差があってはいけない」と考えるのが三浦弁護士です。その一方で、内部構造や風土は大手事務所と異なる部分も多くあります。キーワード3と4では、そうした違いについてご説明します。
キーワード3:「案件の全貌が見える」
案件の規模が大きくなればなるほど、案件に携わるメンバーも増えていきます。そうすると必然的に作業を分担することになり、案件の全体像が見えにくくなるという意見が出ました。
たしかに、分業化は効率的に物事を進められるという利点があります。他方、一気通貫で対応すると一人あたりがカバーする範囲や作業量は増えますが、案件の入口から出口まで主体的に携わる方が弁護士としての成長や仕事のやりがいにつながると考える弁護士が多いようです。
これはどちらが良い・悪いではなく、「自分がどちらに魅力を感じるか」という話であり、三浦法律事務所には分業化よりも案件に一気通貫で関与できることにより魅力を感じるタイプの若手弁護士が多く集まっているようです。
キーワード4:「全員で事務所運営」
ほかの事務所との違いとしてよく挙がるのがこのキーワードです。三浦法律事務所では、パートナーだけでなく、アソシエイトもカウンセルも外国法弁護士も、全員が月に1回開催される“FFM(Friday Firm Meeting)”という会議に参加します。そこでは事務所運営に関して幅広く議論し、財務情報も全員に開示されるため、この点に驚いた若手弁護士も多いようです。
また、74期採用では「どんな事務所にしていくつもりか」という質問が頻繁に出ました。これに対して事務所説明会に参加した弁護士は、「“どうしていくつもりか”をこちらが提示するのではなく、“どうしていきたいか”を教えてほしい。それを一緒に実現していきたい」と答えます。
三浦弁護士も「自分が新人だったときは、所属弁護士が60人で業界最大手だった。そこから100人、200人と組織が大きくなっていく過程を経験した。この過程を経験できる事務所は今は三浦法律事務所しかないと思うので、ぜひ作る過程を楽しんで、“どうしたいか”を常に考え抜いてほしい」と話すように、若手にも事務所運営について考えさせる文化が根付いています。
キーワード5:「留学」
留学に関する質問は事務所説明会で必ず聞かれる質問でした。内容も、「そもそも留学制度はあるのか」といった質問から、「何年目から留学できるのか」「サポート体制は?」といった質問までさまざまでしたが、“留学”が弁護士としてキャリアを積むうえで一つのスタンダードになってきているのを感じました。
当事務所でも当然留学制度は設けており、現在、井上諒一弁護士がコロンビア大学ロースクールに留学中です。サポートも他事務所と遜色ない内容を提示しています。
ただし、他事務所と異なるのは「何年目でどこに行く」というのを自分で考えさせる風土だというところです。キーワード4でも書きましたが、三浦法律事務所では自分の頭で考えさせることが求められ、それは事務所の方向性だけでなく、当然自分の進路についても同様です。そのため、「通常は〇年目で留学に行く」という一般的なタイミングではなく、別のタイミングに行くことが最適だと考えるなら、またそれをパートナーにきちんと説明して納得させられるのであれば、パートナーはそれを全力で応援する、というのがわれわれのスタンスです。
もちろん留学ではなく、もしくは留学とともに出向の道を選ぶ弁護士もいますし、出向先も官公庁や企業などさまざまな選択肢があります。いずれの道を選ぶとしても、個々の意思を尊重し、最大限のサポートを行っていくのがパートナーの役割だと考えています。
さいごに:筆者の目から見た「三浦法律事務所」
筆者自身も2つの法律事務所を経験していますが、スタッフの目から見ても三浦法律事務所は非常に自由で、風通しのよい事務所だと感じます。また、”自分がどうなりたいか”、”事務所をどうしていきたいか”という2点については、弁護士だけでなく、スタッフにも考え続けることが求められていると感じます。
”事務所をどうしていきたいか”を広報担当である筆者が考えた結果、着手したのが「若手弁護士『ホンネ調査』」です。弁護士を目指して就職活動をする方々や三浦法律事務所に興味を持ってくださっている皆さまに設立間もない事務所の内情を伝えるには、実際の声をお伝えするのが最適だと考えたからです。
この番外編を含め、この一連の企画は偽りのない「ホンネ」をお届けすることが目的だったため、インタビューセッションは筆者と若手弁護士のみで実施し、最終原稿が完成するまで、すべての回においてパートナーは一切関与していません(随時進捗状況は報告していましたが)。また、原稿を最終チェックに回した際にも、内容に関して修正されることは一切ありませんでした。
これらは決して「放任主義」や「無関心」ではなく、パートナーとアソシエイト、そしてスタッフの間で信頼関係が構築されている証であり、「若手が考えているありのままを世に出してもいい」とパートナーが認めている結果だと考えています。
実際に参画しなければ、真の意味で「三浦法律事務所とは」はわからないかもしれません。ですが、今後もこうしたコンテンツを通して少しでも三浦法律事務所のメンバーが何を考え・どう行動しているのかをお伝えしていきたいと思います。
Author
平川 裕(三浦法律事務所 PRマネージャー)
PROFILE:大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年からファッション業界紙「WWDジャパン」の編集記者として、同紙におけるファッションロー分野を開拓する。同時にバッグ&シューズ担当としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材も行う。19年6月から三浦法律事務所のPRマネージャーを務める傍ら、フリーランスのファッションジャーナリストとしても活動する
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