大和伝統野菜vol.1「烏播(うーはん)」
烏播(うーはん)
●サトイモ科サトイモ属
熱帯アジアが原産の里芋は人類最古の栽培植物の一つとされており、現在でもポリネシアなどの南太平洋の島々では主食とされています。 日本へは中国からと、沖縄からの二つのルートで伝来したといわれており、沖縄の「タイモ」、京都の「海老芋」など、それぞれの土地に根付いた多くの品種が存在しています。
烏播は、元々台湾から導入された奈良県の奨励品種で、半世紀以上前には宇陀や吉野の山間地を中心に広く作付けされた歴史をもっています。
芋の形状は卵のような楕円形で、黒い茎の色が特徴。 親芋、子芋共に食用となり、特に子芋にはムチンという粘り成分が多く含まれるため、長芋を思わせるような強い粘りは里芋の中では最高級といえます。