宇都宮ライトレールの建設状況
2023年3月、栃木県宇都宮市に新しい鉄道が開業する。
宇都宮ライトレールという路面電車で、宇都宮からお隣の芳賀町まで14.6kmを走る。
前からこの宇都宮ライトレールについてはなんとなく知っていたのだが、現地に行って調査したりはしたことなかった。開業も近づいているし、なんと言っても新規で14.6kmもの路面電車が開業するなんてとても珍しいことだ。
ということで行ってきた。
写真はすべて2021年7月24日に撮影した。
宇都宮と言えば餃子・・・。
午前中にクロスバイクを借りて、大谷資料館に行って大谷石について調べてた。そしてまた市街地に戻ってきて餃子を食べようと香蘭というお店に来た。
餃子は嫌いではない。しかし、めちゃくちゃうまいものでもないよなと普段から思っていた。それをツイートしたら、フォロワーから「白菜と豚肉だけでうまくなる限界なんて知れてる」と返信が来た。確かにそうかも知れない。ただ、実際に餃子が名物の土地に行って食べてみないと分からない。
焼き餃子
水餃子
とりあえず基本的なこの二つを頼んだ。そして食べてみた。
いや、十分うまいよ。餃子の●将やぎょうざの●洲よりはるかにうまいよ。しっかりめの味付けだが濃すぎることはない。ごはんと合う味だ。写真はないが当然ごはんも頼んである。
宇都宮の水餃子はお湯ではなく中華スープに餃子を入れてある。だからこうやってテーブルにある調味料で自分好みの味付けにして食べるみたい。ラー油が好きだからちょっと辛めの味付けにした。スープも飲んだ。
路線図
引用:宇都宮ライトレール公式サイトより
さて、ライトレールの建設状況を見に来たんだった。
宇都宮駅東口からスタート。商業施設などが建つらしい。路面電車の停留所なんかもこの敷地内に作られるのだろうか。
意外とまだ軌道すらできていないのだった。
そして歩道も改良するのか工事中だった。歩道を改良して車道を改良して、そしてやっと軌道を敷設という感じになるのだろうか。
宇都宮駅東口を出て最初の停留所、東宿郷。
東宿郷停留所は写真の交差点付近にできる予定だ。
建設中のマンションも、ライトレールの停留所の近さをアピール。
うっかり撮り忘れたのだが、この写真の後ろに交差点があり、そこが2つめの停留所、駅東公園前となる。
駅東公園前を出たライトレールは写真奥の高架橋を上る。
路面電車だからある程度急な勾配は大丈夫だろうか、斜度は6%くらいありそう。鉄道っぽく言えば60‰だ。
3つめの停留所、峰。
道路がすでにかなり拡幅されている。
道路中央にガードレールが置いてあるが、そこに線路が敷設されるのだろう。多分だが。最近は線路を道路の両端に敷設して、歩道から乗り降りできるようにするのが主流みたいなので、もしかしたら宇都宮ライトレールもその方式かもしれない。
5つめの停留所、宇都宮大学陽東キャンパス前。
4つめの陽東3丁目を飛ばしてしまったが、写真を撮り忘れたためです。
宇都宮大学陽東キャンパス前停留所のすぐ近くにはベルモールという商業施設がある。停留所の名前は計画段階ではベルモール前だった。
宇都宮方面を望む。
この交差点を挟む形で宇都宮大学陽東キャンパス前停留所が設置される予定だ。左には前述の商業施設、ベルモールが見える。
拡幅が十分ではないところもまだまだあるので、いたるところで拡幅工事が行われている。
いきなり道路中央に巨大な工事現場が。
路面電車の線路を敷くのにこんな大規模な工事が必要なのか?と不思議に思ったけど、謎はもう少し先に進むと解けます。
実はさっきの宇都宮大学陽東キャンパス前停留所を出てしばらく進むと、ライトレールは専用軌道に入る。そのまま道路上を横切って専用軌道に入ると、車の流れを遮断することになる。このライトレールが走る県道64号は交通量が多いので、電車が横切るわけにはいかないだろう。交差すれば事故の元になるし。というか、今は原則として踏切を作ってはいけないんだっけ?そんな話を聞いたことがある。
ということで、道路中央の大規模な工事現場は高架へのアプローチ部分を建設しているところでした。
高架で道路と分かれて専用軌道に入ったライトレールは田んぼの中を走る。
路面電車というのはどこも街の中を走っているので、まさか田んぼの中を走るなんて思ってもいなかった。
田んぼの中に巨大な施設が作られています。
これは宇都宮ライトレールの車両基地。
LRTをアピール
大量の枕木が見える。奥にも建物が作られているが、あれが車庫になるのだろうか。もしくは検車場か。
車庫の南端から撮影。
ライトレールの車両も見える。まだ一編成しか納入されていない。
それにしても随分とまわりの土地より車庫はかさ上げされている。
宇都宮はゲリラ豪雨も多いし、水没しないための対策だろうか。
ちなみに宇都宮ライトレールの車両の愛称は"ライトライン"である。雷が多い土地というのが由来のひとつ。
さて、ライトレールの線路は国道4号の下を潜る。
幅がありすぎてどこに線路が敷かれるのか分からないが、重機が置かれているあたりに敷設するのだろうか。
芳賀町側を望む
途中から道路が出てきたが、この道路の上を走るのか?それにしては狭いし、このあたりは専用軌道のはずだ。道路を壊して専用軌道にするのだろうか。
正確な場所は分からないが、このあたりに平石中央小学校前停留所が作られる。
このあたりはまだ土地の買収もできていないのだろうか。
地図を確かめると、この道路の左側に軌道が敷かれ、奥の石でできた塀の家をぶち抜くことになっている。
平石中央小学校前停留所を出ると鬼怒川を渡る。
橋梁はすでに完成していて、アプローチ部分が工事中だった。
路面電車だが普通の鉄道のような立派な橋脚だ。
鬼怒川は昔から氾濫を繰り返してきた。だから橋梁も立派なものにしておかないといけないのかもしれない。
橋梁のアプローチ部分の手前から宇都宮方面を望む。
水が溜まっている部分が軌道になる。両側の砂利道は車道になる予定。
つり堀と鬼怒川を渡るライトレールの橋梁。
ライトレールの橋梁の近くには自転車や車が渡れる橋がない。
北側に迂回して鬼怒川を渡った。
13時を過ぎてとても暑い。仕方ないのでガソリンスタンドにあるドトールで休憩した。
鬼怒川を渡ったライトレールは清陵高校や清原地区を北上し、この写真の道路へと合流する。やはりここも交通を阻害しないように、高架にして併用軌道になるようだ。
立派な高架
この交差点を挟む形でゆいの杜西停留所が作られる。
長閑な風景の中を走ってきたが、ここからまた街の中を走る。
すき家の見える交差点を挟む形で、ゆいの杜中央停留所が作られる。
この交差点を挟む形で、ゆいの杜東停留所が作られる。
ゆいの杜東を出ると芳賀町に入る。
この芳賀台交差点を挟む形で芳賀台停留所が作られる。
道路の中央だけ掘られて溝になっている。
軌道を敷設するのだろうか。
管理センター前交差点の手前に芳賀町工業団地管理センター前停留所が作られる。そしてライトレールは交差点を左へ曲がる。
なかなかの急勾配だ。60‰あるとのこと。
開業したらこの急勾配を楽しみたい。
このあたりにかしの森公園前停留所が作られる。
そして終点の芳賀・高根沢工業団地停留所。おそらく歩道橋のあたりに作られる。しかしまだ何も始まっていない。
終点から引き返して、飛ばしてしまった飛山城跡~グリーンスタジアム前の区間を見に行く。画像は車道に合流するための高架橋です。
ちょうどいいところに歩道橋があったので写真を撮った。まだまだ建設が進んでいない中、数少ない巨大な構造物が目の前にある。
振り返って宇都宮方面を見たらレールが!!!
やっとレールが引かれているところが見れた。
レールが途切れているところ。
線路はまっすぐ延びる。
バラストも枕木もまだ綺麗なままだ。
レールとレールの間にある柱は架線柱。
こちらは枕木でレールを固定する方式ではなく、溝付きコンクリート路盤にレールを置き、樹脂で固定するという工法が取られている。
樹脂で固定することで騒音が低減される。また、軌道狂いがない、自動車の重量に対応できるなど、メンテナンスも容易となるとのこと。
レールに沿ってコンクリートより濃いグレーの部分がレールを固定するための樹脂だろうか。
電車が走るとどれくらい静かなのか、どんな音を出すのか楽しみだ。
軌道を大きく撮ってみた。
ビームが取り付けられている架線柱と、取り付けられていない架線柱。
信号機も設置されている。
グリーンスタジアム前停留所は独特な配線になっている。
この停留所では優等種別と各駅停車の接続が行われる予定になっている。
多分ホームの左側に各駅停車が止まり、右のホームを優等種別が止まるのかも。そしてホームのない線路は芳賀方面の電車が走る。つまりこのホームは宇都宮方面の電車が止まる。
道路を挟んで、芳賀方面の電車が発着するホームもある。
路面電車で緩急接続が行われるなんて、日本では珍しい。
分岐器はこんな感じ。
溝付きレールが使用されている。
道が広くて気持ちいい。
線路が途切れている。
この交差点を右に曲がると清原地区市民センター前である。
清原地区市民センター前停留所。
清原地区市民センター前停留所ではバスに乗り換えることができる。
最初は駐輪場かと思ったのだが、それにしては屋根が長い。しかし、あとで確認したところ、駐輪場も設置されるようだ。
ほかにもタクシー乗り場、マイカー乗り場も作られ、ここがライトレールと各交通機関を結ぶ拠点になるようだ。
芳賀・宇都宮ライトレールではこのようなトランジットセンターを他にもいくつか設置する。
バス乗り場の雰囲気が出ている。
清原地区市民センター前~清陵高校前にはS字カーブがある。
清陵高校前停留所は対向式ホーム。
清陵高校前を出ると急な下り勾配が。
ここから・・・
一気に空中へ飛び出す。
ここは完成したら眺めがよさそうだ。
いきなり高いところへ出て、車窓に田んぼが広がる。
パノラマで撮影した
田んぼの中に橋脚が見える。
丘陵を飛び出したライトレールは高架で道路を越える。
高架が低くなっているところに飛山城跡停留所が作られる。
大量のコンクリート枕木が置かれていた。
飛山城跡を出たライトレールは鬼怒川を渡る。
これで一応全線を巡ったことになる。
専用軌道も多く、なかなか順番に見ていくことができなくて、少々分かりづらいかもしれない。
芳賀・宇都宮ライトレールは2023年3月開業予定です。