「Post-truth」感情に支配される人たち
NHKで元旦の深夜に放送された「ジレンマ」という番組を録画しておいて昨日見た。
若手の論客が、今の日本で起こっている問題をどう解決していって、いい未来を作るかを考える討論番組だ。
テーマとなったのは「Post-truth」、「真実や事実よりも個人の感情や信念が重視される米英の政治文化や風潮」を指した言葉で、つまり、「いいか、悪いか」より「自分が許せるか許せないか」でことの良し悪しを決めてしまうことなのだろう。
それは日本でも起きていて、この番組に対する批判にも現れている。
「上から目線」「恵まれた人たちだけの議論」というツイッターの書き込みが紹介されていたが、それがこの番組を見た人にどんな影響を与え、それが日本のためになるかどうか?より、「恵まれた人が偉そうに語っているのがムカつく」という感情で、なかには、「当事者(つまり、貧困層)の話がない」という意見もあったが、もし「お金に困っている」人がいても「○○にもっと国の予算を割いて」としか言えないのではないかと思う。
貧困層の広がりと分断ということも、論点のひとつだったが、「お金のあるなし」よりも「困難に立ち向かう行動を起こす人」と「単に愚痴るだけの人」とで、どんどん差が広まってくるだろう。
行動しない人たちから見たら、どんなにムカつくことでも、「問題意識があり、解決に向けても行動を起こせる、1部の恵まれた人」が、この国を動かしていくことが、私には「真実」だと思える。
自分達の権利を守るためではなく、「困った人をなくす」ために働く人の方が圧倒的に多いことも、私は知っているから、日本の未来に不安はない。