一方の意見だけを聞いて判断すべきではないこと
飛田新地をフィールドワークする人たちがいること、その団体に中止要請を求めたのに、無視されてフィールドワークが行われてしまったことを、スオッシュというセックスワーカー支援団体の人のSNSの投稿で知り「飛田の人の感想が聞きたい。多くの人に届くようにシェアしてください」という呼び掛けに応じて、私もツイッターでシェアし、またこの団体の人たちのことを「ただで女性を見て楽しむ生活保護者と同じ」という主旨の投稿をしたこと、本当によかったのかと今では思っている。
スオッシュの投稿では今年初めて企画されたものかと思っていたが、26日に行われた「セックスワーカーの人権を考える」セミナーで聞いた話によると、飛田の周辺や中(中にも一般の人が住むアパートがある)に暮らす子供の担任教諭をはじめとする地元の人たちが10年近く行ってきた活動だったのだ。
気になるのは飛田には「飛田料理組合」という経営者を中心にした団体があり、飛田内のもめ事を解決するなとお店や働く女性を守り管理する人たちがいる。
その団体の許可なくフィールドワークを開催してきたのだろうか?
また、10年間、組合に知られることなくフィールドワークを行ってこれたのなら、特別トラブルを起こすことなく、女性やお店に迷惑を掛けずにひっそりと行ってきたのかもしれない。
さらに、その団体に抗議するスオッシュが飛田料理組合とどんな連帯をとってきたのか気になる。
スオッシュ側としては「こんなセックスワーカーを傷つけることが行われていたのは許せない。みんなの怒りを武器にして辞めさせたい。謝罪させたい」という気持ちだろうが、フィールドワーク主催者側にとっては「迷惑を掛けないようにひっそりと行ってきたのに、わざわざそれを伝えて(その役割を私も一役買ってしまった)、怒らせたり悲しませたりしなくてもいいのに」という気持ちもあるかもしれない。
どちらの言い分も分かるし、セックスワーカーの気持ちや権利を守ると同時に、「今はあるはずのない遊郭のある街に暮らす人」の立場や気持ちも、理解し守らなければならないのではと私は思っている。
26日のセミナーのあと、お話しした人から「セミナー主催者団体の事務局にメールであなたの気持ちを伝えるべきでは」と言われていたのに書けてないまま1週間が過ぎてしまったのはなさけない。
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