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迷い猫ミーにゃんの保護記録...優しいってなんだろ?

私は生き物が好き。
2週間前に遭遇した迷い猫騒動に関わって感じたことを記録しておこうと思う。

【7月14日水曜日】


午前中にマンションのタワーパーキングの中に子猫が迷い込んだらしい。
パーキングの管理会社が日中捕獲しようとしていたが無理だったらしく、夕方帰宅した時に『車の出し入れの際気をつけてください』と張り紙がしてあった。

写真のようなパーキングなので、住民が車の出し入れをする際のみ中の電気が点き鉄の扉が開く。
それ以外は閉まっているし、中も真っ暗だ。

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子猫は外に出たくても出られないし、運悪く中を移動中に住民がカードを差し込もうものなら機械に巻き込まれる可能性もあるかもしれない。
機械の音がしたら隠れるとは思うけど、片手に乗りそうな子猫なので分からない。

帰宅した時にもちらっと顔は見えたのだが、昼に管理会社の人に追われたせいか警戒していてすぐに人の手が届かない配電盤の箱の奥に引っ込んでいった。

誰かが飲み水を置いてあったので、その横にちょうど持っていたクッキーを試しに置いてみた。

車の出入りが少なくなる深夜に覗きに行ってみたらクッキーは無くなっていたので中にいることは間違いない。

入口を開けたままにして、ネコの好きそうなチュールを点々と外まで置いて外で隠れて出てくるのを待っていたら1時間半くらい経ったところで釣られて出てきた。

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最終地点には袋のままのチュール!そこまで行ってくれたら、そのまま後ろから追えば外に逃げてくれるだろうと思ってた。

その時点で夜中の2時半。
上の写真から子猫がチュール3つ分進んだ時に酔っ払いのおじさんの自転車が通り過ぎた。
子猫もそこまで出てきてるんだからそのまま外に走ればいいのに、なぜか逆戻りしてパーキングの中に逃げ込んだ。
翌日も朝から仕事なのでこの日はここで終了。

カードを挿すところにA4サイズの用紙が貼られていたので、そこに日時と状況をメモ。
マンションの管理会社にもメールで連絡。

【7月15日木曜日】


マンション、パーキング、どちらの管理会社も午前も午後も確認したが鳴き声も聞こえず姿も見えなかったとのこと。
夕方犬の散歩に出たら住民の依頼で消防のレスキューが来ていた。管理会社が依頼した時には断られたって聞いていたのに、ネコ好きの住民の依頼には応える消防。
その時に見学していた方が「保護できたら飼いたい」って言ってくれたので部屋の番号だけ教えてもらった。

レスキューのお兄さん3人は、子猫が逃げ込んでいる人の手が届かない隠れ家の前に張り付き。
ライトで照らして棒のようなもので突っついてる。

私は猫の飼育経験もなければ興味もないので詳しくはないけれども、そのやり方では1000%無理だってことだけは分かる。
散歩から帰ったらレスキューはもういなくて、貼り紙のメモを見たら2時間で撤収したらしい。

この日も夜中11時過ぎたくらいから2時過ぎまで、パーキングの中の車の陰に隠れておいて捕まえる作戦に変更して頑張ったけど背中に触れたのに子猫の運動神経に負けてしまった。

【7月16日金曜日】


相変わらず、管理会社の方も管理人さんも昼間は鳴き声も聞こえず姿も見えないとのこと。
外に出ていてくれたらいいのですが...みたいなメモだが、その可能性は極めて低いと思う。

この日は子猫が隠れ家の出入口にしている通路を狭くして、運動神経で負けている分をカバーする作戦で様子見。
待っていると顔が見えた。
管理会社さん残念!外には出て行ってくれてない。

タワーパーキングを使ったことある人はご存知と思うが、事故防止のために車の左右前後のありとあらゆる高さに人感センサーが設置されている。

車の陰に息を潜めて隠れてはいるものの、ほんのちょっとでもどこかのセンサーのライン上に身体があると大きな音でピンポンピンポン警告音が鳴る。
気分はショーンのエントラップメント!キャサリンのスタイルと程遠いのが辛いw

3日目ともなるとセンサートラップを避ける方法をマスター出来ているのに、子猫のシッポを触っただけで逃げられた。
自分の鈍臭さに呆れる。

毎晩11〜2時過ぎまで駐車場にいると、同じ方が帰宅するのに遭遇する。
「お疲れ様です」「よろしくお願いします」って声をかけてくれるのだが、その人達から見たらよほどのネコ好きに見えたに違いない。

Facebookにこの様子と何かいい方法はないかを投稿していたら、この日に県外の友達がコメントくれた。

『近くにネコの保護団体があると思うから相談するのが早いと思う』

ネコの保護団体の存在も知らなかったので早速調べたらFBページもあった。

【7月17日土曜日】


真夜中に連絡はできないので、朝になって保護団体の方に連絡を入れた。
その時に最初に確認されたのが保護できた時に引き取り手がいるのかどうか。
同じマンション方が飼いたいって言ってくれていたので、引き取り手は決まっていることを伝えた。

一旦置きエサは全部片付けて飲み水だけにして、夜に捕獲器を置きましょうとのこと。
腹ぺこ大作戦にするようだ。

駐車場の貼り紙のメモに『住民の方へのお願い』として大きめに書いて夕方を待つ。
保護団体の方がかなり本格的な捕獲器を持ってきてくださって7時頃に設置。

今までの様子からだと夜中に動きそうなので、1〜2時間おきに確認してくださいとのこと。中で暴れて怪我することもあるらしい。
真夜中でもいいので確認できたら連絡してくださいって言われて、保護団体の人も大変だなーって思ってたらそこに電話がかかって、その人はそのままうちから1時間くらいかかるところに別のネコの保護に向かった。

この日の夜は、友達がやっている移動カフェに行く予定だったので9時頃に駐車場に行った。
7時に設置して2時間だしこの時間だとまだだろうなと思いながらそっと覗いたら...よほどお腹空かせていたのか捕獲器の中に子猫が入ってた。

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保護団体の方に連絡を入れたものの、担当の方もまだ別の保護猫のところ。
とりあえず我が家の玄関まで運んで夜11時に担当の方と待ち合わせすることにした。

私たちが帰宅してまもなく担当の方も来てくださって捕獲器から子猫を外に。
びっくりするくらい怖い顔してシャーシャー言う。
野良なのでノミがいるかもしれないので、お風呂に入れて翌日には病院で健康診断を受けるように指示があった。

保護した時間が夜中だったので、とりあえず飼いたいって言ってた方の部屋のドアに『飼育環境が整ったらお声かけ下さい』と電話番号を記載したメモを貼り帰宅。

【7月18〜27日保護期間】

健康診断は何の問題もなく、仮の呼び名を『ミーにゃん』に決め、あとはいつ引渡しが可能かだけが気になる状況のまま日曜を過ごすが連絡なし。

月曜の夕方にやっと連絡がついたと思ったら『留守がちなので冷静に考えたら子猫ちゃんが可哀想』と引取りお断りの電話だった。
日曜に連絡がなかった時点でそんな気はしていたけれども...

日曜の動物病院の待ち時間に友達の店にランチに行ったのだが、その友達夫妻がミーにゃんのことを気に入ってくれていたのでそのままその友達に連絡して無事にミーにゃんの飼い主決定!

名前もそのまま『ミーにゃん』!

病院の先生によると体重が7〜800gくらいになると安定するから、引渡しはもう少ししてからがいいと思うとのこと。
友達の店は水曜が定休日なので翌週の火曜の夜の引渡しを目標にしてそれまで我が家で預かって元気になってもらうことにした。

日増しに食欲も旺盛になり、保護翌日はこんな怖い顔をしていたミーにゃんも...

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こんな可愛いお顔になった。

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蘭丸のことが大好きなミーにゃん。

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凛とも仲良しに。

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今日は友達のカフェで最後の3ショット。

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無事に今夜新しい飼い主さんに引渡してきたので、あとはミーにゃんのハッピーな毎日を願うばかり。

さて...

優しいって何だろう?

保護する前は3時間睡眠が3日連続で、職場の人にもその話をしたら「優しいね」「ネコちゃん大好きなんだね」って言われた。

言われてふと思ったけど...

私は決して優しい人ではない。
優しい人って保護団体の人のような無償の愛がある人のことを言うんだと思う。
私はどちらかといえば人間はあんまり好きじゃないし、苦手な人とは距離を置くからごく少数の友達しか付き合わない。

私に「優しいね」って言った彼女に「普通はそんなこと出来ないよ」とも言われた。普通って何?

これが外の駐車場に捨てネコとして置かれていたのだとしたら、多分私は放置してる。
ネコも自分で好きなところに動けるし、人の手助けなくていいから。

今回は、人間がどうにかしない限りタワーパーキングの中に閉じ込められたままになってしまう状況。
これで何もしない人が普通なんだとしたら、その普通ってどうなん?って思うんだけど、結局夜しか姿を見せないのに管理会社は昼間しか動かないし、マンションの人も夜中に格闘してたのは私だけだったところを考えると完全にマイノリティ。

私は普通ではないってことなんだろう。

ただ、それを「優しい」とか言わないでほしい。
優しさでやっているわけではないから。

サブスクで途上国の子供たちへのギフトフードに支援しているが、それも同じような感覚。
途上国や紛争地域に生まれた子供たちは、どれだけ努力しようとも生まれた場所のせいで食べることもままならない状況なんだから食べることに困っていない自分ができる範囲でなら支援すればいいと思う。
でも日本の子供にそれは思わない。日本の環境なら努力次第でどうにでもなるから。
心の底から本当に優しい人なら相手を選ばずに支援すると思う。

だから、こんなことで『優しい』とか言われるとちょっと違うんだよなって思う。

あと声を大にして言いたいのは...

ネコ好きじゃないからねっ!』

ネコも可愛いとは思う。
生き物全般好きだけれども...

好きな動物や気になる動物は飼育したくなる。
でもネコを飼育したいとは過去にも一度も思ったことないw

ネコか犬かで言えば、断然犬派!

「マテ」って言われたら、「ヨシ」を言い忘れてもじっとエサを食べずに待ってる健気な犬が好きw

爬虫類は、こっちの要求にも答えないけど向こうもこっちには要求しないところが好き。お世話はしているけど、お互い我関せず的な関係がいい。

ネコは自分の感情だけ優先してくるところが超苦手w
ネコ好きの人にとってはこれが魅力なんだろうな。

私の場合は、嫌いってほどではないにしろ、好きではない。

なので、今回の件で無類のネコ好きって勘違いして「保護ネコどうですか?」とかDMは必要ないですw
そして、優しい人でもないので気をつけてくださいw

ほんわかした無類のネコ好きの優しい人とは対極に位置していますのでご注意を!

ただね、ミーにゃんと2週間接したことで『好きではない』が『ちょっと好きかも』くらいになったことだけは確かなので、いい経験したなと思う。

あと、自分がやらなくても誰かがやってくれると思ってる人が大多数で、それが普通っていう変な世の中なんだなってこともよくわかった。
自分は普通じゃなくていいなって思った。

ミーにゃん、いろいろ気づかせてくれてありがとー!!
ほっこりした10日間を与えてくれてありがとー!!
しあわせになるんだよー!!

おしまい。

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