恋愛アレルギー 前編
夜のおかずは官能小説がデフォのくせに、どうしてこんなにも『恋愛』という要素に対して身構えてしまう理由は何か?
たしかに
「恋愛は性欲を詩的表現したものである」
っていう意味では、官能小説を書く上で切っても切り離せない要素だとは本気で思っている。
だけど、大好きな漫画が実写になったときとか、仮面ライダーシリーズの最新作、とくに映画が発表されるときに真っ先に願うのは
「余計な恋愛しませんように」
この一点を切実に願ってしまう。否、願わずにはいられない。
名前も思い出すのが嫌なので作品名は伏せるが、あたしを恋愛アレルギーにしたきっかけになったのは、ある年の仮面ライダー映画。
その映画の予告編には
「ライダーとショッカーの長きに渡る因縁の秘密が今明かされる!」
的な言葉があって、あたしは
「そういえばシリーズいくつか観てるのに因縁の対決の理由は知らなかったな。よし、きっとこれを観たら今のライダーももっと深く理解できて面白くなるだろう!」
ウキウキで映画館に行ったあたしを待ち受けていたのは
「ライダー1号と2号が女を巡って豪華なCGでひたすら痴話喧嘩」
これがみっちり2時間!
しかも、しかもだ!
予告編で楽しみだった
「ライダーとショッカーの長きに渡る因縁の秘密が今明かされる!」
の部分、冒頭たった10秒のテロップで済ませやがった!!!
つーかショッカーそこだけ???え??ええええええ!!!!!
後編へつづく