MIU404 #6 リフレイン

さて、6話は「リフレイン」。志摩の隠されていた過去が明らかになります。キーワードは「スイッチ」、キーナンバーは「8」です。
この投稿は「MIU404」を最終話まで観た上での感想、考察、その他いろいろ…になりますので、ご承知の上お読みください。

①相棒殺し

「よっ、相棒殺し」
地下駐車場に伊吹の声が響きます。
「お、マジ顔〜」
「いや、相棒殺しってアレでしょ?ボケ殺しみたいな?鬼殺しみたいな?まるごとメロンパンにメロン丸ごと入ってないみたいな」
九ちゃんが言います。
「志摩さんの相棒が死んでいるのは本当ですよ」
「事故か自殺か、他殺か。」
マジか…ですね。

2013年8月8日の未明、狛江市で男性の遺体が発見された。男性は、警視庁捜査一課所属の香坂吉高巡査部長。転落死と見られる。場所は香坂刑事の自宅があった雑居ビルの敷地内で、遺体を発見したのは同僚の刑事。香坂刑事の遺体は靴を片方しか履いておらず、もう片方の靴は屋上に残されていた。近くには、ウィスキーのボトル。
香坂刑事は酒が飲めなかった。しかし体内からは多量のアルコールが検出され、遺体から薫るほどだった。

一方、桔梗さんの家で給湯器の修理業者が来るようです。昨日来ると言って来なかったくせに今日来る、今日でなければ1週間後だと、なんだか面倒な業者さんですね。お仕事もあるけどハムちゃんが心配なようす。
「行きます。桔梗さんの家、俺で良ければ代わりに行って立ち会います。」
「…パワハラになってない?」
「言い出したの、俺です」
これはLOVEの匂いなのか〜??!

「6年も昔のこと今更ほじくったってしょうがねえだろ?!」
「昔の話じゃねえよ、志摩にとっては今も何も終わってない」
ウィスキーが飲めなくなった志摩。自分も他人も信じられなくなった志摩。死にたがる志摩。
今も何も終わってない。その通りですね。

「心の底からギャフンと言わせてやるよ」

…とは啖呵をきったものの、伊吹にはなんの手立てもありません。
「まずは当時の操作資料を手に入れるぅ」「カンタンには見られません」「えっそこをだから警察庁刑事局長の息子の権限で」「そんな権限私にありません」
さてどうする伊吹。

「ン〜こーいうときだったらサクッとパリッとすぐ調べてくれるんだけどな〜てかアイツやっぱすげえよなぁ…九ちゃんには、ムリか、ゴメンネゴメンネ」

九ちゃんに、今、火がつきました。
なんというか、単純バカコンビですね、この2人。

②シン・九ちゃん

志摩を「相棒殺し」と言った刑事は捜査一課の「刈谷」でした。
今まで「父とは関係ない」と言っていた九ちゃんがその立場を「使い」ます。いいですね、仕方なくとはいえ刑事らしくなってきました。

香坂が死んだ日は、2013年8月8日で、「南田弓子の逮捕日」でした。

タリウムで毒殺された男は2人とも既婚者で、その両方と男女の関係にあったのが南田弓子。

その南田弓子を逮捕する日の夕方、刈谷は香坂を殺しかねない剣幕の志摩を見ていました。南田が逃げ出したと連絡が入り、捜査一課の刑事たちが軒並み確保に向かったにも関わらず、2人だけは来なかった。
110番通報が入ったのは次の日の朝。志摩が通報したんですね。通報から5分後、近くにいた3機捜の隊員が到着。他殺を示す証拠は無かったが、志摩が隠した可能性もある。その上、駆けつけた隊員は桔梗さんと陣馬さん、旧知の仲だった2人でした。

桔梗さんの家に着いた志摩。
ハムちゃんと喋っていると、亡くなった旦那さんのことを話す、桔梗さんのかわいらしい一面が見えます。
「大切な時間だったなぁ」。桔梗さんの言葉と同じサントラが流れます。
「うごくとさす!」「やめてください、あっ」
ゆたかくんとも仲良くなれそうな志摩です。

③日本酒とウィスキー

陣馬さんに話を聞きに出た2人。陣馬さんは酔いに酔ってますが、九ちゃんは酒ハラには屈しないと冷めた様子。
陣馬さんの息子さんは結婚するそうですが、お嫁さんの家族との食事会、来なくていいと言われてしまったらしいです。かなしいですね…。

陣馬「誰の稼ぎでおっきくなったと思ってるんでーい!」
伊吹「そのとーり!」
九重「そんなこと言うから嫌われるんですよ」
伊吹「その通り!ズコッ!」

しかし陣馬さんは刑事。なかなか吐いてくれません。
「呑めばいいんですよね?呑めば話を聞かせてくれる。」
単純に九ちゃんも気になっているのか、刑事としてのプライドが芽生え始めたのか、今まで食事すら断っていた九ちゃんがそんなことを言い始めます。驚いたのか陣馬さんが慌てて止めます。

「…どうして半分も呑んじまうかなあ…。」
陣馬さんがぽつりぽつりと話しだしたのは、志摩の元相棒のことでした。

志摩は、何度電話をかけても出ないので、心配になって見にきたら、もう死んでいたそう。
酒の匂いについて指摘すると、「グレンブリアン」というスコットランドのウィスキーだ、なぜ分かるかと訊かれても答えず、転落死のように見えると言いました。陣馬さんにもそう見えたと。
屋上までの行き方も知っていました。

陣馬「志摩おまえ、俺たちが来る前にここに来たのか?」
志摩「…いえ、今が初めてで。初めてってのは、夕べ来てないって意味で、以前来たことがあるんです。」

当の志摩は、ハムちゃんにオムライスをご馳走してもらうところでした。
志摩の過去に、灯りがつきます。
「香坂、お前のしたことは赦されることじゃない。だけど、そうさせたのは、俺だ。」

2人は南田弓子を追っていた。その捜査過程で何かがあって、決定的な諍いを起こし、屋上から突き落としてしまった。その可能性は捨てきれません。

「ひとは誰でも何かのスイッチで、進む道を間違える」「誰と出会うか、出会わないか。このひとの行く先を変えるスイッチは何か。」

3話「分岐点」

オムライスを食べる志摩に電話が来ます。伊吹からです。迷いなく電話を取ります。

志摩 「世界一意味の無い電話でした」
ゆたか「休みなら出なければいいのに」
志摩 「そういう訳にもいかないの」
ゆたか「刑事だから?」
志摩 「まあそれもあるけど、相棒だから。」
「相棒からのSOSだったら、間に合わなかったら困るだろ?」

「訊いてああそうだ、っていわれたら怖ぇなあ」
伊吹は志摩が犯人であることを恐れています。
犯人だったら、伊吹を殺しかねないから?
それとも...

そこで陣馬さんが言います。
「手紙があったんだよ。香坂の最後の」
「手紙」は「遺書」だったのでしょうか。

灯されるライト。電車の音。
「香坂、刑事じゃなくてもお前の人生は終わらない」
相棒に手を伸ばす志摩、香坂は志摩を見つめて_
夢でした。悪夢でした。本来なら休みの日で家で寝ているはずだったんですから、眠たくもなりますね。夢の内容を知らなければ、ゆたかくんと一緒に窓辺で寝る光景はあたたかいものです。
修理業者がきたようです。

④人生じゃん

一方、2人は居酒屋を出て芝浦署にやってきます。当時居合わせた桔梗さんに話を聞くためです。しかし、帰りなさい、面白半分に調べることでは無い、と言われてしまいます。反論しますが、「相棒なんて、一時的なものでしょう。仲良くなる必要も、余計なことを調べる必要もない」と更に返されます。しかし伊吹ははっきりと言います。

「オレが4機捜に来たのが、スイッチだとして。」
「ほら〜、オレが4機捜に呼ばれたのって、急遽誰かが4機捜に入ったから志摩と組むやつがたりなくなって、こう、オレが呼ばれたんでしょ〜?玉突きされて入ったオレが、404で志摩と組むことンなって、2人で犯人追っかけてその1個1個1個全部がスイッチで!!…なんだか、人生じゃん?1個1個、大事にしてえの。諦めたくねえの。」

伊吹が4機捜に入ったのは、マメジが九重を入れるよう指示したために、志摩の相棒が急遽必要になったから。それが志摩と伊吹と、機捜のみんなの「スイッチ」でした。

「志摩と全力で走るのに、必要なんすよ」
真剣で、伊吹らしい言葉でした。
「…まず、シャワーを浴びて、酒を抜いてきなさい。…今すぐ!早く!!」
桔梗さんも、桔梗さんらしい言葉で返してくれました。

⑤香坂という刑事の死

桔梗さんは、志摩を4機捜に入れるにあたって報告書を作っていました。(1話でマメジに「条件」と言われて「またか」と返したのはこのことだったのかもしれません)
「変な噂に惑わされてウロウロされるより、事実を共有した方がいい」
その通りですね。桔梗さんは周りがよく見えている人です。
「手紙」は「遺書」ではなく、「退職願」でした。

「私の夢は、刑事になることでした。刑事とは、正義。
今回の捜査で私は必ず志摩さんより先に証拠を掴みたいと思いました。ですが、彼女が死んだ男たちと付き合っていた証拠はなかなか掴めなかった。どうにかして証拠を。
私は休みの日も一人で対象者を調べるようになりました。
八月四日の夜、女が手招きして私を呼びました。迷いましたが、チャンスだと思いました。
タリウムの入手経路はまだ分かっていない。部屋になにか、ヒントがあるかもしれない。だが、決め手になるものは見つからず、女に踊らされ、ヒントになるものさえ、掴むことができませんでした。」

「志摩さんには言えませんでした。使えないやつだと見限られる。捜査一課にいられなくなる。」

香坂は偽の証拠を提出したのです。
「権力の暴走だ」志摩のこの言葉は、香坂の言う「正義」の対義語とも取れます。

逮捕された「南田弓子」は、香坂の追っていた「対象者」ではありませんでした。

司法解剖の結果をもとに、伊吹と九ちゃん(と陣馬さん)はあのビルの屋上に来ます。
屋上で酒を呑んでいた香坂は、深夜の2時ごろ非常階段を降りた。
陥没骨折はなく、脳挫傷は見られない。頭蓋骨には放射状の亀裂骨折のみ。つまり被害者は高所からの転落ではなく、低い場所からの転落死だった。執刀医は、三澄ミコト。
足を滑らせたのは、階段を上がったすぐ先でした。
伊吹は手を合わせます。

九重「俺が香坂刑事だったら、志摩さんに言えたかなあ。自分が使えないやつだって、認めるのは怖いですよ」
陣馬「間違いも失敗も言えるようになれ。パーンて開けっぴろげによォ、最初っから裸だったら何だってできるよ。」

九重が本当に変わった瞬間でした。
今まで一人称が私だったのが、俺に変わり、弱音を吐きました。完璧でいたかった男が、自分の小ささを知り、陣馬さんという大きな存在を知りました。
「メシですよ?!メシ!!」
この言葉には陣馬さんへの敬愛が見えました。

⑥繰り返す

「事故だった。コーサカの手紙も読んだ」
修理業者を見張っていた志摩へ、電話越しに「有言実行の藍ちゃん」が伝えます。
調べても、分からなかったことがひとつだけ。
志摩が最期に香坂に会ったのはいつなのか。そのとき、なんと声をかけたのか。

志摩「最後は、あいつが肩を落としてあの手紙を書いてたとき。それから、あのビルの屋上。」
伊吹「あの夜、屋上行ったの?」
志摩「……行かなかった。俺はどっちにも行かなかった。

苦しそうな泣きそうな、それを押し殺したような声でした。

チャンスはあった。何度も。だけど声をかけなかった。いつの間にか帰ったあいつが、メールしてきて『うちの屋上で飲みませんか。志摩さんの好きな酒、買って待ってます。』って。こっちは始末書書いてんのにふざけんな、何が飲もうだ。無視した。あれから何度も、度も何度も何度も何度も、何度も頭の中で繰り返す。あの時声をかけていたら、あの時屋上に行っていたら。もっと前俺があいつの異変に気づいていたら。スイッチはもういくらでもあった。だけど現実の俺はそれを全部見過ごした。見ないふりした。俺があいつに最後にかけた言葉は、『進退は自分で決めろ』。」

志摩が自分を責める理由はここにありました。
殺していない、そんな気もなかった、でも、見捨ててしまった。見逃してしまった、見過ごしてしまった。スイッチを押さなかった。それは、自分の意思で、自己責任。

「事故?俺はそうは思えん。悔いても悔いても、時間は戻らない」

向かいのアパートを見た伊吹が香坂の死んだ日を訊いて、途端走り出します。
香坂が足を滑らせたあの場所で、伊吹も転げ落ちそうになります。
「コーサカちゃん!サンキューな〜!」
(これは、真実を教えてくれたことへの感謝か、落ちそうになったのを「助けてくれた」と思っての感謝か。香坂に引きずりこまれたとも思える場面ですが、後者だとしたら伊吹はほんとうにいいやつです。)

「来ないとお前は、後悔する!」電話の向こうで伊吹が言います。
「行かねえよ」と振り切ろうとしましたが、思いとどまりました。
またチャンスを逃すのか?自分の意思で?

⑦タコの日

「オレは凄いことに気づいた」

「あの日、コーサカちゃんはここで、志摩を待ってた。だがいつまで経っても志摩は来ない。仕方なく、景色を眺めて、見つけた。犯罪の瞬間を。」
「ギャフンと言わせんぞ?いやギャフンと言え今すぐギャフンと言え」

『2013年8月8日深夜2時頃
この部屋を見て110番してくれた人!
探してます!!』

「おい!警察だ!!俺は警察だ!!待て!!」
香坂は、最期まで刑事でした。

「俺の、相棒の刑事で。」「必ず、伝えます」

⑧大切な時間

「俺も大概弱かった。」「彼らに偉そうに言葉をかける。その度にすっげえブーメラン。俺にそんなこと言う資格があるのか?俺こそが裁かれるべきなんじゃないか?お前の相棒が伊吹みたいなやつだったら、生きて、刑事じゃなくても生きて、やり直せたのになぁ。忘れない。絶対に忘れない。」


「なあ志摩ちゃん、刑事辞めたりしないよな?」
「何度も何度もブーメランくらいながら続けるよ」
「むじいこと言うなぁ。ま、安心しろ、俺の生命線は長い!」
フォーカスされない手。
「水森は裁かれることでラクになれたのか」
そう問うていた志摩は、裁かれずとも救われました。

その日は桔梗さんのおうちで焼肉。
きゅるっとしてるハムちゃんにメロメロな伊吹。
「父親に代わって男同士の話をしてるんです」
まったく、こいつは…
「おれシマがいい!なってよ!」
ゆたかくん!?!?!?!?
「ないない、警察の男はね、だめ!」
「…ですよね、わかります」
「……まあでも警察官同士の結婚とか結構ありますけどね」
あっ、ほら隊長?!これはLOVEの匂いじゃない?!
「肉だけじゃなく野菜もねとかそういう綺麗事はいらない。肉は肉!肉を食らえばいいのよ」
……隊長〜〜!!すき〜!!!!
もう今回4機捜のみんなだいすきになっちゃいました。
楽しい会話は続きます。
「“ボク”がつぎます」「3人でおフロはいろーよ!」「私は別よ」「ですよね」

それが、盗聴されているとも知らずに。

●その他好きなところ

・「志摩さんも案外大人気ないなあ」
そうなんだよ九ちゃん!というか廃車にしたのあいつだからね?!
・「トイレ臭いの嫌たい」「嫌たいってw」「全福岡県民馬鹿にしましたよね?!」
酔ってるとはいえ、九ちゃん砕けてきましたね〜。
・「九重大学生みたいよ」「着替えがなくて」
赤い服でも、お顔がハッキリしているので似合いますね。ほんとに大学生みたいです笑

○あとがき

6話、いかがでしたか?1話からの伏線だったり、志摩が犯人にかける言葉やその様子をあらためて見ていただきたいです。(一応それらの伏線も今までの投稿にできる限り書いているつもりなので、合わせて見てみると面白いかもしれません‪‪❤︎‬)
志摩は伊吹というスイッチで、救われました。まだウィスキーは飲めないかもしれませんが、それでも、刑事をやめずに、命を投げ出さずにいてくれる。フォーカスされなかった生命線。伊吹の生命線が長かろうと短かろうと、志摩にとって伊吹が救いであることは変わらないのです。
今回も長い文章にお付き合いいただきありがとうございました!
MIU404 #リフレイン でした。

◯おまけ/1話からの伏線

「俺は自分のことを “正義”だと思っているやつが一番嫌いだ」

刑事とは、正義。
刑事は、正しくあらなければなりません。ただし、刑事のしたことが全て正しいわけではなく、刑事という権力を行使して正義に見立ててはならない。香坂の件でもそうですね。でも、志摩が1番嫌いだったのは自分自身です。香坂をそうさせてしまった、自分だけが正義だと思って証拠を見つけられなかった香坂を弱いやつだと思った志摩。過去の自分へのメッセージだったわけですね。

「でもマウントの取り合いは悲劇しか生まない」

香坂は志摩よりも早く手柄を上げたかった。自分の作った証拠を見せたときにも「嫉妬ですか?」とも訊いていました。
軽い言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、マウントの取り合いだったわけです。
それがどんな結末になったのか、このときの志摩は絶望的なものにしか見えていなかった故の言葉ですね。

「犯人自身がやっていないと思いたい。自分のやってしまったことを認めたくないんです。できることなら罪を犯す前に戻りたい。無かったことにしたい。でも時は戻らない!!」

志摩の、心からの叫びでした。ある意味における自白、自分はそうだと言っていたんですね。

そうこうするうちに罪を犯してしまう。「最後は自分の意思だ。」そう、最後は自分で決めるべきだ。だけど、人によって障害物の数は違う。正しい道に戻れる人もいれば、取り返しがつかなくなるひともいる。

最後は自分の意思だ。人間は環境によりさまざまに変化して、それが罪となることがありますが、そのスイッチは「自分で」変えたり、押したり、引いたりできます。
「進退は自分で決めろ」「俺は行かなかった。」
これらに通ずるところがありますね。


伊吹「そいつの本性を見るには、生死がかかった瞬間を見るといい」
伊吹「…お前の本性が死にたいやつだったとはな」
志摩「ハッタリかましただけだ」
伊吹「あんなマネ、二度とすんじゃねえぞ」
志摩「……合点承知の助」

香坂を死なせたのは自分で、でも自分は死ななかった。まだ生きている。生きてはいけないのに。
ずっとこの感情が志摩を苦しめていました。夢に彼が出てくるほどに。

志摩「見えてないんじゃない?見ない方がラクだ。
  見てしまったら世界が僅かにズレる。
  そのズレに気づいて逃げるか、また目をつぶるか」
伊吹「ねえそれ志摩の話?何かに気づいて自分が信じられなくなった?」

「忘れない。」志摩は今まで「忘れ」ようとしていたようです。
ズレに気づいて、どうしようもない後悔が波のように絶え間なく押し寄せて、逃げられないから、目をつぶっても夢にさえ出てきてしまうから。
「忘れない。」「何度も何度もブーメランくらいながら続けるよ」
自分の失態からも、香坂という刑事の死からも、逃げません。

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