白髪のいまが一番フェミニン ーソフィ・フォンタネル
もう白髪染めはしたくない!
ファッション界や著者として活躍するパリジェンヌ、ソフィ・フォンタネルさんのお話です。
ソフィさんが50代半ばに差し掛かろうとしたあるときでした。つい3日前に美容院で染めたはずの髪に、もうチラホラと白髪が目立ってきていることに気がつきます。
その姿を見て、私はいったい何度髪を染めるのだろう?とソフィさんは憂鬱に。
「もう染めるのはやめて自然な白髪にしてはどうだろう。」というアイディアが、ふと頭に浮かんできました。
しかし、ソフィさんはすぐには実行しましせんでした。
理由はたくさんありました。50代でもう白髪となることへの抵抗感。そして、ファッション界の関係者から、この変化をどう受け取られるのかが不安でした。
また、そのとき独身だったソフィさんは、これから出会うかもしれない未来のパートナーにも、どう思われるのかが気がかりでした。
白髪の50代女性がパリジェンヌ特有のシックさや、魅惑的な雰囲気を保てるのか?という不安を拭えなかったのです。
白髪のすてきな女性たちとの出会い
白髪にするというアイディアを持ちつつも、決心がつかないままソフィさんは数週間を過ごしていました。
そんなあるときアメリカのとある通りで、50代ほどの白髪のロングヘアの女性を見かけたのです。
ソフィさんはその女性に釘付けになりました。視線に気づいたのか、その白髪の女性と目が合いました。
「あなたみたいに素敵な白髪にわたしもできるかしら?」ソフィさんは尋ねました。
「これまで髪を染めていたときは、私は埋もれた存在だった。でも、今はみんなが気づいてくれるわ。面白いものね!」とその女性は答えました。
その2ヶ月後、ローマでもシックで魅力的な白髪女性に出会いました。ソフィさんは再び尋ねました。
「そのヘアにするには勇気が必要だった?」
「いえ、ただの好奇心でやってみたのよ。」
彼女たちはとても自信に溢れ、人生を楽しんでいるように感じられました。
この白髪が素敵な2人の肯定的な答えに、ソフィさんの白髪への好奇心は更に高まり不安も薄れていきました。
しかし、最後に気になることがありました。それは男性からの意見です。そこで、10歳年上の兄に連絡しソフィさんは「白髪の女性ってどう思う?」と尋ねました。
お兄さんは答えました。
「ソフィ、やっと決心が着いたんだね!僕は白髪女性は好きだよ」
意外な返事でした。「そうなの!?男性は白髪女性は好きではないと思っていたわ。」
さらにお兄さんは答えました。
「いいや、男性が好きじゃないのは、自分自身を受け入れられない女性だよ。」
お兄さんの言葉はそのときのソフィさんにとって、とても意味深いものでした。
自分を受け入れるとは、つまり白髪になっていくという老いを受け入れること。それができれば白髪だろうとなんだろうと、女性として魅力的であり続けられるはずだ!とソフィさんはワクワクしました。
Grey Hair Project
ソフィさんは髪を染めることをやめました。
そしてそれだけで留まらないのがソフィさんの人とは違うところです。
この自分の変化を「Grey hair project」と名付け、Instagramの数十万人の彼女のフォロワーに向けて発信していったのです。
根本だけ白髪の頃から、半分茶色で半分白髪のとき、そして全体が白髪になるまでの変遷を隠すこと無く大公開しました。
その発信は大きな反響を呼び、「白髪でも魅惑的」というタイトルでファッション誌にも紹介されました。
そして、多くの女性たちにありのままの自分を受け入れることへの勇気を与えました。
ソフィさん自分自身も、この「Grey hair project」でたくさんの気付きをもらったと言います。
着る服も変わり、自分自身の振る舞い方も変わりました。そして以前よりも自分をフェミニン(女性的に)だと感じるようになったといいます。
その変化をソフィさんは「50代にして、全く新しい自分になったようだ」と表現しています。
それは、単にイメージチェンジをしたからではなく、ありのままの自分を受け入れたからこその変化なのでしょう。
参照:Can Gray Hair Be Sexy? This French Instagram Star Says Yes -VOGUE