島が本当で、都会がヘンで。
日本仕事百貨主催「文章で生きるゼミ」5回目のゲストスピーカーは、離島専門メディア「ritokei(リトケイ)」の編集長、鯨本(いさもと)あつこさん。
もともと地方紙編集者、経済誌の広告ディレクター、イラストレーター等を経て、2010年に離島経済新聞社を立上げ、日本に400島あまりある有人離島の魅力を伝えると共に、各島の抱える課題にも向き合い、島と島を、島と都会をつなぐ架け橋となるべく、奮闘し、活躍されている方。
今回は、文章を生きるゼミということで、彼女がリトケイを編集する上で気を付けていることを簡潔に伝えてくれた。
伝えてくれた内容は、何か目新しいというより、「(改めて)そうだよな」と思うことが多かったけど。それを実践するのはきっと簡単ではない。
・編集は料理のフルコースのように。(重たいもの、口直し、気軽に読めるもの、違う角度のものを組み合わせる)
・読むのが島の人も島に興味ある島外の人もいるので、その人たちを傷つけないよう最大限の配慮を。(取材される迷惑、書かれる迷惑)
・島にあるあらゆる人や自然の魅力を感じ取りインプットして、それを自分なりの言葉でアウトプットする努力を。
等等。
でも、何よりちょっとグサッと来たのは・・・質疑応答の中で・・・
「アポ取りした相手のことは、事前に記事を読んでから取材するのは当然のこと。そうでないと短い時間で深いことが聞けない」
とおっしゃっていて・・・
この「文章で生きるゼミ」も、ゲストスピーカーのことを事前に調べておいて、そのうえでお話を聞き、質問を考えるのが礼儀なのでは?と思ったりして…
今回の鯨本さんもそうだし、過去スピーカーの方も含めて、ちょっと申し訳ない気持ちになった。
(そして講義後に、RITOKEIのWEB版や鯨本さんの出ているyoutube等を片っ端から見始めました(汗)。教育、食、文化、その他様々な切り口で島の魅力や可能性を引き出す編集に圧倒されました。ちなみにタイトルの「島が本当で都会がヘンで」は、養老孟司さんがritokeiへのインタビューで語っていたワード。)
このゼミを通じて、現代社会の生きづらさや、何か表面的な暮らしの繰り返しを疑って生き、自分なりの課題感(問い)と向き合い、真剣に生きる人達から、文章だけでなく、生き方・考え方を学ばせて頂いていて。
文章はあくまでツールなんだよな。
その文章で、自分は誰のために何を表現したいのだっけ?と考える。
この問いに答えを出すまで、このゼミは卒業できない。あと2ヵ月。
行動しながら考える!