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役割「母」からの逃亡記1日目
行ってくるね。
そういうと、思ったよりもあっさり家を出られた。
タイムリミットは明日の15時。
思ったより時間がないぞ。
電車の中で持ってきた文庫本を読む。
本当は続きが気になっていた単行本もあったけど重くなるからと思い、文庫本にした。
久しぶりにきた大きな駅はどんどん開発が進んでいた。クリスマスムードもあり、華やかだった。
そこに合っていない化粧もせず、髪をひっつめて、あまり好きではないけど暖かいダウンと離乳食がついて所々白くなったズボンをはいた自分。
そそくさホテルに向かう。
やったこと
自分で選んだ入浴剤を入れて湯船に浸かる
ドラッグストアでくんくん匂いを嗅いで決めた入浴剤。
よく見かけるシャンプーのブランドが出したものだった。
色もパッケージ通りの夜明け前みたいな色でかわいい。
どっぷりと浸かりながら、ぼんやり思う。
効率ばっかり考えてるな。
朝何を食べたら調子がいいか。それを毎日食べれば考えなくて済む。
服も断捨離を機に1コーデにした。
洗濯乾燥機が実現してくれたその生活は、何も考えず洗濯機から出した服をきればいい。
快適だった。
家族が1人増えたことで考えなければいけないことも増えた。
だから日々の自分のことを考える機会を減らした。
半年前までは快適だったそれも、半年後の今しっくりきていない。
季節も、自分の体形も好みも変わっているのに見ないようにしていた。
そんなことを誰の声も聞こえないお風呂で考えた。
いいフェイスパックを使う
1枚ずつ包装されたお高いパックを使う。
7枚1セットのものを買うか迷ったけど、次の日のことを考えてという理由を作り普段買わないものを選んだ。
普段使っているペラペラな素材と違って、乾きにくい厚みのあるシートは貼っている間も全く乾燥が気にならなかった。
気が済むまでお菓子を食べる
ウェルカムドリンクとウェルカムケーキを23時まで出している太っ腹なホテル。
到着してすぐケーキとお茶を飲んだけど、夜もう1度ケーキをもらいに行く。
さらに、普段は分別の方法がわからなくて買わないプリングルス。
(底の素材、プラって書いてあるけどほんまか?と思っている。)
お酒の代わりに炭酸。
1人パーティーをしながら、当時観れなかった「silent」を観る。
最高である。
やりたいことの蓋を開けていったら、やりたくないことの蓋も開いてきた
最近、やりたいことを意識して選択するようになった。
少しずつだけど感度が上がってきていると思う。
その分やりたくないことへの感度も上がる。
今までフタしてきたものが開く。
これまで通り考えず、感じず、鈍いままの方が楽かもしれない。
だけど、それを私は「よい状態」と思えなくなった。
子供たちを傷つけて事態の深刻さに気付いた。
好きか嫌いか。やるかやらないか。
嫌いなこともやると決めたら、やる。
でも、そればかりやっている。
もう少し自分の声を聞いて、好きなことをやると決めたい。
少しくらい重くても読みたい単行本を持ってくればよかったと思いながら眠りについた。