本日の猫たち #102
いつもご訪問ありがとうございます。
「本日の猫たち」はほぼ毎日更新でうちの猫たち(+飼い主)の生活ぶりをお届けしているのですが、昨日は更新できませんでした。
一体何があったのか……。
(※今回は文字多めでお送りします)
実は「妹猫がコーヒーの入った瓶を倒し、PCとキーボード、ついでに財布とカードが水(コーヒー)浸しになってしまった事件」が発生していました。
妹猫が~とまるで妹猫が悪いような書き方をしてしまいましたが、本当の原因は飼い主である私の不注意です。
事件についてお話しする前に、より状況をわかりやすくするため、ちょっとだけ自分語りをさせてください。
私が住んでいるところでも6月8日についに梅雨入りで、ここのところ雨が多く、蒸し暑い日が続いていました。
私は長年北国に住んでいたせいか、日本の湿度に異常に弱いのですが、そんな夏バテ体質の私の楽しみであり、夏の生きる活力がコールドブリュー(水出し)コーヒーです。
今では普通にどこでも見かけるようになりましたし、ご自宅で作っている方も多いかと思いますが、ご存知ない方のために説明させていただきますと、作り方はいたって簡単。
私は水出しコーヒージャグを使っているのですが、ストレーナーにコーヒー粉(豆の挽き目はお好みで)を入れ、常温水を注ぎ、冷蔵庫で8時間~待つだけ。
アイスコーヒーを手軽に飲みたければ、市販のものをさくっと買ったほうがはやいのですが、手作りだと自分好みの味にできますし、その日の気分で豆をかえたりなど楽しめます。
コールドブリューコーヒーしかり、糠漬けしかり、煮込み料理しかり、ケーキしかり、おそらく私は「下準備をしたらあとは待つだけ」「勝手にできているもの」がこよなく好きなようです。
前置きが長くなりましたが、そこで「梅雨だ! 夏だ! コールドブリューコーヒーだ!」とせっせと準備しました。
ただうちには猫が三匹います。
昨年の夏は、兄猫たちがまだ子猫で別室に隔離していたこともあり、食器を壊されるという被害は一度もなかったのですが(先住猫はキッチンや人間の飲食テリトリーにはよっぽどのことがない限り近づきません)、最近兄猫(1歳2カ月)の悪戯が目に余るようになりました。
猫たちと暮らしていく上で特に気をつけるようになったことの一つは、飲み物の入ったコップ、マグカップは、絶対にテーブルの上に置きっぱなしにしない、です。
うちの猫たちは人間が食事をしているときは基本、テーブルの上に上がらないのですが、人間がいなくなると「うえーい」と上がってしまう子が約一匹います。その一匹でなくとも、普段は穏やかで物を壊すような子でも、大運動会中に興奮状態になると、視野狭窄に陥り、走っている途中に物を落とす、壊す……などのことは普通に起こり得ます。
あと目新しいもの、壊れやすいものは絶対に猫たちがにおいをかいだり、触ったりしてチェックするので、コールドブリューコーヒーのジャグ(ガラス製)は絶対に兄妹猫たちの目にふれさせてはいけないと思い、自分なりに気をつけていました。
というわけで猫たちが寝静まった頃、こっそりコールドブリューコーヒーを仕込み、ジャグを冷蔵庫にしまいました。
ここまで書いて思ったんですが、「そうならないように気をつけた」ということは、普段より力んでいたわけで、「普段と違うことをする」「普段と違う精神状態」というのは、やっぱりやらかしの伏線になってしまうんですね。
***
さて事件当日に戻ります。
もう一昨日になりますが、一晩が経過し、冷蔵庫のコールドブリューコーヒーが飲み頃になりました。
猫たちは別室で寝ていたので、これ幸いと私はコールドブリューコーヒーのジャグを冷蔵庫から出し、そのとき作業をしていた部屋に持っていきました。そこでグラスに注ごうとしたのですが、「あ、ミルク忘れた」とジャグをいったんテーブルの上の布コースターにのせ、キッチンに戻ろうとドアノブに手をかけた、本当に一瞬のことです。
換気でわずかに開けていたドアの隙間(5cm)から兄猫がねじり入ってきました(猫たちがいた別室のドアは閉まっていたはずなのに)。
猫からすると割と重いドアで、これまで誰も開けられなかったので(しいていえば先住猫ががんばって前足でこじ開けたことがあるくらい)、完全に油断していました。
猫たちは成長するのです……。
(私の脳もアップデートしないといけなかった……)
成長すると体が大きくなるだけでなく、知恵もつけます。
YouTubeやTikTokで、ジャンプしてドアノブを開ける猫の動画を見ては「おー、すごいなー」などと他人事のように感心していましたが、うちの猫もついにできるようになったようなのです。
簡単にドアを開けてしまった兄猫は、「なんか珍しいものがある!」と、ジャグが置いてあるテーブルに飛び乗ろうとしました。だいたい悪さをするのは兄猫と、我が家では相場が決まっています。
(でもそれも私の思い込み……)
「だめだよ!」と瞬時に兄猫を捕獲した私は、まだまだ修行が足りませんでした。手にとるべきは兄猫ではなく、ジャグのほうだったのです。
そのとき、両手が兄猫でふさがっている私の足元をするっと通り抜ける影がありました。いつもはよい子の妹猫です。
普段は兄猫に注意するタイプの妹猫が「わーい、珍しいもの(ジャグ)がある!」と、テーブルに飛び乗ったのです。
妹猫が着地したところに布製のコースターが何枚かあったのですが、そのコースターのせいで着地に失敗し、スリップしてしまった妹猫は体ごとコーヒージャグ(大きめの布コースターの上に置いている)につっこみました。
ジャグはガラス製なので「ぎゃーー!!!」でしたが、妹猫がうまくバランスをとってくれたおかげで倒れることなく、よろけただけですみました。
ほっと胸を撫で下ろし、兄猫を部屋の外に出し、妹猫を捕まえようと思ったときです。
「くっさー!!!」
コーヒーのにおいにびっくりした(らしい)妹猫が、ジャグに向かって砂かけジェスチャーをしたのです。そして同時にジャグの下に敷いている布コースターをひっかいたのです。
もう賢明な皆様ならもうおわかりでしょう。
私にはこの後に起きたことすべてがスローモーションで見えました。
妹猫の爪が布コースターにひっかかり、ジャグがガシャーンと倒れたのです。茶色の液体がテーブルにも、椅子にも派手にまき散らされました。ジャグに連なり、ドミノ倒しのように倒れたグラスからは、先入れしていた氷も飛び散り、床をくるくると回転していきました。
(フィギュアスケートか……)
8時間以上楽しみに待っていたコールドブリューコーヒーは1cmもジャグに残っておらず、テーブルの上のもの、私の身のまわりの品、すべてがコーヒー(色)に染められました。
これまでもこういうことはありました。「まー掃除すればどうにか……」と、心を無にしてやり過ごすことができるのですが、今回はそういうわけにもいきませんでした。
PCとキーボードが大惨事で、PCの電源が入らなくなったのです。
コーヒーの水分をふきとり、乾燥させる間、すべての作業が中断。
おまけにテーブルに置いていた財布とカード類もびしょ濡れ……。
飛び散ったコーヒーのにおいをかぎながら、「くさいくさい」と砂かけジェスチャーをする妹猫をしめだし、ひたすら現状回復につとめました。
運良く、PCもキーボードも使えるようにはなったのですが、本当に心臓がとまりそうになりました。
愛用の財布は……若干まだコーヒーのにおいがします。誰か新しいお財布買ってくれんかな……などとは思わず、自分でがんばって稼ぎます。
「働きたくない病」の飼い主の、労働意欲をかきたてくれる協力をしてくれた猫たちに感謝し、コールドブリューコーヒーを新たに仕込み、今日はここで終わらせていただきます。
猫飼いの皆様、いかなるときも「油断大敵」で、楽しい猫ライフをお送りください。最後まで読んでいただき、ありがとうございます☺