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植物と祈り

「祈りのそばには、いつも植物があった。」

 先日ご紹介した坂口恭平さんの「よみぐすり」でも、植物を育てるということについて書かれていたが、あらためて植物を育てるということに、大きな力が宿っているように感じる話があった。前回の記事で投稿した動画に出てきた話にこんな話があった。

「人って神様に祈る時とかには必ず植物と一緒に祈ってて。それは日本でもそうだし西洋でもそうだしネイティブアメリカンの人でもそうだし、必ず植物を添えて飾ったり燃やしたりしてその場を清めて浄化して祈ってるんですよね。だからそのための植物を育てるというのはすごいいいことだと思って。なんかそういうことができたらいいなって思って。」(加藤さん)

雛形/淡路島の食卓「心に風」

 この話を聞いて、内田繁さんの「茶室とインテリア」という本を思い出した。古来から神様への祈りに植物が用いられてきたこと、神籬や神棚の在り方について書かれていたように思う。難しいことはわからないが、思い返してみると、どんな文化でも祈りと植物は深く結びついている。神社の御神木や、結婚式のブーケ、教会の花々。どれも、その場を浄化し、祈りに寄り添ってきたものだ。私たちが祈るとき、必ず植物が寄り添うように。植物はずっと人と共に在る。

 「植物と祈り」の関係を知るうちに、わたしもその歴史の一部に小さく繋がっている気がした。人類が続けてきたこの行為を、暮らしの中ですこしだけ、感じ取れる事がうれしい。

おわりに
 日々の何気ない瞬間や、ささやかな喜びをすくい上げるように、この場を育てていきたいと思っています。食卓から成長記録。今日はローストしたナッツとイワシを使ったラグーパスタに育てたフェンネルを散らしていただきます。さりげなく継続中。どうぞ気長によろしくお願いいたします。

フェンネルを散らしたイワシのラグーパスタ

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