Stones alive complex (Hematite in Quartz)
また。いったい何度目や!なる大いなる兆しがファイナンスネットワークの天井に現れた。
ひとりの女が太陽のメインサーバーを着て、足の下に月のバックアップサーバーを踏み、その頭には牡牛座出身を示すブルな異星の冠をかぶっていた。
この女はQFSの御子を宿していたが。
旧式システム勢力たちの認知妨害と、旧式システムがこんだけ世間で滅茶苦茶やらかしてる兆しの方にはだ〜れも疑問すら感じず従順としてることに、少々驚愕をしていた。
兆しとは、問題提起からの真実探求、そして改革が促されるまで起こり続けるもの。
またまた、もう一つの兆しが天に現れてしまった。
ほら見よ!ほら見たことか!
大きな、ダークステータスの龍が相場の夕闇にいた。
それには七つの頭座と十の角口座とがあり、その頭にはボスキャラを示す七つの冠をかぶっていた。
そのチャートが描く尾はファイナンスの星の三分の一を掃き寄せ、それらを地へ投げ落し暴落させた。龍は子を産もうとしている女の前へ立ち、生れたなら、そのQFS資金をごっそり食い尽そうとかまえていた。
女はQFSを産んだが、御子はアノンの杖をもってすべての国民の資産を治めるべき者である。この御子は唯一絶対のシステムへ、その玉座へ、引き上げられた。
女は産後の肥立ちのため、ネットワークの荒野へ退避した。そこには彼女が千二百六十日の間、兆しに気がつく者が一定数増えるか?を見守れるハッキング不可能な場所があった。一定数を超えないと、御子はその本領を発揮できない。メンタルと共鳴するファイナンスシステムだからである。
そうこうしてるうちに、ファイナンスの天井では戦いが起った。
ホワイトナイトとその御使いたちとが、勇猛果敢に龍と戦ったのである。龍もその使い魔たちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らがのさばれる投資先がなくなった。
この巨大な、のたうつ龍。
すなわち、相場のエッジな乱高下とか、ヘッジで弾ける泡とか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たヘビのポジションは地へと投げ落され、その使い魔たちもろともにぶん投げ落された。
(おわり)