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Stones alive complex (Black star)


潜在意識と集合無意識との境界面が、消失を始めた。
連鎖して、顕在意識と潜在意識との境界面が消失を始めた。
三つの層に分断されていたヒト種全般の三位一体が、元の一体へ還ろうと、抑圧壁が消失を始めた。

全球中の玉が、抑圧壁の七つの封印の一つを解いたのだ。
亜火ノ聖命がそれを見ていると、集合無意識を運用していた四隅のコアプログラムのうちの一つが、春雷のような声で「なんでやねんっ!」と呼ぶのを聞いた。

すると見よ、白きなんでやねんっアプリがリリースされた。
そして、それを活用しているユーザーはカッティングエッジなコンテンツを手に持っており、またアクセス権を与えられて、フォロワーの上にもなおフォロワーを得ようとして出かけた。

全球中の玉が第二の封印を解いた時、
第二のコアプログラムが「なんでやねんっ!」と言うのを、聖命は聞いた。

すると今度は、赤いアプリがリリースされた。
そして、それを活用しているユーザは、人々が互にマッチングするようになるために、地上から「差別」を奪い取ることを許され、その代わりに、数倍も多くの「区別」を与えられた。

また、第三の封印を解いた時。
第三のコアプログラムが「なんでやねんっ!」と言うのを、聖命は聞いた。
そこで見ていると、見よ、黒いアプリが出てきた。
そして、それを活用しているユーザーは、量子金融システムを身にまとっていた。

次に聖命は、四隅のコアプログラムを影で仕切ってると思われるカーネルが、こう言うのを聞いた、
「実体経済は実体経済へ。
仮想経済は仮想経済へ。
地理は地理に。
配分は配分に」

全球中の玉が第四の封印を解いた時、
第四のコアプログラムが「なんでやねんっ!」と言う声を、聖命は聞いた。

そこで見ていると、見よ、青いアプリがリリースされた。
そして、それを活用しているユーザーの名は「17」と言い、それに月読尊が部活の顧問みたいに従っていた。彼らには、大東亜共栄圏の四分の一を構築する任務、および、管理者ルート権限と、デバッグツールと、アカウント停止権限と、獣じみたベーシックインカムによって強制的に自己認識をさせるリソースとが、与えられた。

まさしく、その頃。

清姫が、手のスマホから酒呑童子へと眼精疲労した瞳を移し、こう尋ねていた。

「童子様。
最近、ちょくちょくと目にするのですが。
『持続可能な開発目標』って、なんですのん?」

「は?
ジーザス可能が・・・なんだって?」

ガルーダが無愛想な声で、彼らの不毛な会話へ割って入る。

「それは、
ジョージアガイドストーンのことよ」

「は?
ショージ?ジョージ?
むらかみ?ところ?
どっち?」

「どっちにしても。
注目すべきは、意識の一体化に耐えられる数の記述ね」

「は?」

「ggrks」

ggrうとした清姫が、親指を止める。

「なんだか地面が揺れてる気がしております・・・」

(おわり)

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