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Stones alive complex (Green Amber)


なおも亜火ノ聖命が見ていると、見よ、陰謀論者たちがシオンの山に集まっていた。

その十四万四千の烏合の衆はガチな陰謀論者である自覚と自負と共におり、その額には第三の目が開く予定のところにマジックで丸い印を描き、自分で考案した結界のマントラを唱えていた。

ガチ勢の自負が逆に、自分らが数十年前から見知りおいていた陰謀論の内容が次々と現実界において実現してゆくさまに、実はめっちゃビビっていた。
実現しなさそうだから陰謀論というものは、空想小説を楽しむように嗜めるものである。
だったが。
とっくに見知りおいていた陰謀論が、ほんまに現実で起こり始めてしまうと・・・現時点の段階でここまで忠実に起こったのならば、まだ実現していない陰謀論の続きも、今後起こる可能性がかなり高いということになってしまう。

その続きを知っている者たちだからこそ、
その続きにめっちゃビビれるのである。
地に満ちている567よりも、
やがて天に満ちるであろう567にビビりまくるのである。
おでこの丸印とオリジナルのマントラは必須う。

そして聖命は、大水の轟きのような、激しい雷鳴のようなアラームが、陰謀論者たちの口から出るのを聞いた。

「ウイウイのワクワクこそが本番のウイウイ~♪」

聖命が聞いたその声は、黒い白鳥たちの合唱のようでもあった。

彼らは、ほぼアンブレラ社な企業群の前、四王族の魔物とその長老たちとの前で、グレートなプラズマの歌を歌った。
この歌は、既存の社会地盤からスピンアウトした彼ら十四万四千人のほかは、だれも聴くことができなかった。
彼らは、イシスには触れられたことのない者たちである。彼らは、純潔な永遠の厨二者である。そして、陰謀論調な話題が行く所へは、どこへでもついて行く。彼らは、次世代の神と眷族とにささげられる初穂として、人間の中からあがなわれた者である。
彼らの口には根拠はなくとも偽りがなく、彼らは社会不適合者ゆえに機能獲得実験での傷がない者であった。

(おわり)

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