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Stones alive complex (Andesine)
白うさぎがポケットから取り出す懐中時計の長針が1時間に三周回っちゃうロックなクロックの日に。
孤独にひとり、有線接続している君がいた。
個人の思い出が自前の脳みそじゃなく、企業のクラウドへ記憶されてくエコーがケーブルを伝い、君の腕をつかむ。
そこが約束の地だと信じててもいい。
安らぎの園は、ここらのどこにも無さそうだし。
スイッチを押して、
かごめのカラスをぼちぼち起こそう。
皇紀2680年。
心拍数はそのままに血流を早くする。
血管の配線がコイルに巻くところ、そこらの近くにひとつめのスイッチがある。
ぼくらは、この日をこの時を待ち続けていたようだ。
叶わぬ祈りは、きっと生物学的な面でどこか間違えてる。
叶う祈りなら、祈る前に叶ってる。
信じることから始めるスキルは、そこの前提から間違ってた。
必要なのは信じないと始められないことじゃなく、
信じてなくても始められること。
必要なのは3時間かける努力じゃなく、
3分からできるたくさんの試行。
必要なのは大きく動く大きなスイッチじゃなく、
何度も押せるたくさんの小さなスイッチ。
奪われた世界は、奪われる程度のものだった。
とりあえず。
奪いようがなかった君だけの物語を起動するスイッチ、さり気にポチしていい?三段階三点認証のやつ。
(おわり)