Stones alive complex (Iris quartz)
分岐点。
海へゆくのか山へゆくのか?
海のものとも山のものとも知れぬ領域へゆくのか?
海千山千どもが跋扈する領域へゆくのか?
これからの分岐ルートが、扇の仲骨のように眼前へ開く。
しばらくは、西暦の下二桁を足せば令和暦になる便利な和洋のシンクロ。
あるいは。
分岐はしないただの通過点をも、意味として含まれるこの分岐点。
分岐が感知できぬ者は、そこを知らずに通り過ぎた先で突然に降って湧いたかの出来事と直面することになる。
分岐を感知できる者は、明らかに世界を成り立たせている前提条件が変容した事を想定できる。
されど。
異世界と化した領域で適者生存できるか否かは、感知しようがすまいが未知数であった。
未体験の世界へは、準備も覚悟も持ってはゆけない。前例体験も実績も成功方程式も通用しない。
(事態の本質は、SeeleとNERVの対立にそっくりだな・・・
我々は、イヴの子孫か?リリスの子孫か?が、ポイントになる)
亜火ノ聖命は、手のひらにプリントされた神聖幾何学図形のICチップ内蔵デジタルタトゥーを、駅の改札機械へかざす。
(和風で言うなれば。
リリスは、黄泉堕ちしたイザナミに例えられるのだが・・・
この件に関係無さそうで有りそうで誤解されてる細かい点をほじくれば、アマテラス、ツキヨミ、スサノヲはイザナミからは産まれてないどころか母胎からすら産まれてないクローンなんですけども。かなり国家根幹の前提条件になりそうなこの事実には、誰もツッこまないんですけども・・・。そして万世一系男系継承システムならば、正当な血統ラインは性分はどうあれスサノヲ(またはツキヨミ)てことになるんですけども・・・正伝は、ドしょっぱなからシステムから外れてるんですけども・・・いちばんツッこむべきとこを二千年以上、誰もツッんでこなかったんですけども・・・)
などと思いかねつつ。
ピッと音がして開いた改札を、聖命は大股で通り抜けた。
前提の矛盾から分岐してきた世界は、
近々その本性を目撃されることになる。
そして。
外伝から分岐する岩戸の改札開きが始まる。
すべては全霊のシナリオどおりに・・・
(おわり)