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Stones alive complex (Cantera Opal)
目的の「不条理ゆで卵」は、そこの研究所が発行している通販カタログのどこにも載っておらず。
ふと、代わりに目についたページにあった「道理で味をしめた深海魚」というのはいかにも珍味そうだった。主力商品の「買える変える蛙の還る日々」がしつこく見開きで登場しているのは、この白日夢研究所ならではのこと。
もし。
「研究所」というワードが民放レベルですら踊り出したら、事態は第2フェーズへと突入する。
第1フェーズとは、異なる対応の準備が必要なのだ。
そうなる可能性がある限り、不条理を茹でたものを大量に摂取しておかねばならない。
こんがらがってゆくショックとインパクトに対応できる認識を、茹でて柔らかくしておくためだ。
元の日常へ早く戻りたいのは、やまやまだが。
元の日常というものは、もはや存在しない。
見た目の形としては元通りになるかもしれないが、その形の中身は元通りじゃない。
世界全体は、突然ひっくり返される。
自分らの価値観が基盤としている世界へ、リアルにその認識が上書きされている。
これまでにも、個人レベルや局地的な地殻変動は日々多々起こってきたものの、世界規模での書き換えは、平均として百年に一度起こされてきた。
そのサイクルは、これから早まる傾向にあった。
条理で動かせると思われてる世界は、
「勘違いせんといてや。
自分て基本、こういうやつやねん」
定期的にそう言い聞かせてくるようだ。
そこには最終的に帰結する、なんらかの意図があるのか?
歴史を振り返ってみても、
この麗しき世界を条理で抑え込めてた時代が、ホントにない。謎多き縄文時代は例外として。
胴元が百パー勝つギャンブルに、無理やり参加させられてる気分がする。
「呪文字を造型し商いする男」は、いささかの葛藤を抱きつつも、カタログのページをめくる。
「白亜紀仕様。高気圧高湿度圧縮鍋」
おっと、これは・・・使えそうだぞ・・・
不条理ゆで卵を、自作できるかも!
(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!
(おわり)