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Stones alive complex (Green Amber)

環状交差した肺胞道の枝先で、光合と輝く葉群の緑。

さわさわ撫であう、その呼吸がまた、今日の日を創る。
摩擦で湿る合唱をかいくぐって、脈をドライブする。

二酸化炭素と酸素との交易は、拍手か手打ちか。

歌詞も無く。
ブレスだけのドライブミュージックが、調子をとり、内なる子供は踊りだす。
電波が繋ぐ仮装の国で、内なる子供たちは本性を剥がされるままドライブしてる。

いつもと変わらず、日々く、いち日。
いつもが変わり、日々る、いち日。
同音異義語がふたつ並ぶ日々の山々をすり抜け、ドライブしてゆく午~後~!
ドライ部分の谷は裂けつつ。

通り過ぎてゆく湖や川には、合わせ鏡の原理があり。
空から顔を覗かす山々の、裏のレコードを映している。
機会が組み込まれたマシーンだから。
軽い呪いは、重すぎる愛には叶わない。

満月をあと六回観たら、陽の本で会えるよ。
月日が巡り、十ほど夏が過ぎれば葦原へ辿り着ける予定のようだ。
そしたら、ちょっとだけ前の昔話で笑いあえるかもね。

面影を記した議事録が、僕ら異種間の距離をうめるのさ。
相合い傘でも刻んでおこうか。

今は、ほら。
枝葉を枯らすハゲタカが、細胞に潜り込むスズメバチをうかがってる。
漂う雲に紛れて無人のファルコンが飛び、そのハゲタカを狙ってる。
それぞれの捕食は自然の連鎖に戻されて、
跳ねる陸地は、本来のリビドーへぴょんぴょん還る。
エベレストが、若い大樹だった頃に。
大空の色が、木漏れ日こぼれる緑だった頃に。

渦巻く大陸風のドライブ。
陸地の覇者たちは、この世の縁にたどり着き。
天地が重なった場所へ、縄張りの線を描いた。

ヒトのボディの哺乳類要素と爬虫類要素と魚類要素のところへ。
ヒトの植物要素と鉱物要素のところへ。
境目など無いところへ。

グーグルアースがしっかり近寄っても、
砂粒同志にしか感じない距離だけど。
僕らは持って産まれてきた幾千もの物語りを、いつも見失わされるだけなんだ。
僕らは何万年もの間、隔てられる恐怖と隣り合わせだったので。

(おわり)

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